スーパーGT ニュース

投稿日: 2024.08.04 23:00
更新日: 2024.08.04 23:03

LMcorsa 2024スーパーGT第4戦富士 決勝レポート


スーパーGT | LMcorsa 2024スーパーGT第4戦富士 決勝レポート

LMcorsa REPORT
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT

前半のスティントはペース良く追い上げたが
後半は辛抱の展開で16番手スタートから13位でフィニッシュ

 
<気象データ>
気温:35℃、路面温度:55℃(決勝レーススタート時)

 全国の多くの地点で35℃以上を記録した猛暑日となった8月4日(日)に、AUTOBACS SUPER GT第4戦『FUJI GT 350km RACE』の決勝レースが行われた。舞台となった富士スピードウェイは標高600mほどのところに位置し、都心の平地よりは涼しいものの、それでもレース開始前の気温は35℃まで上がっていた。そんな猛暑が襲ったサーキットだが夏休み期間ということもあり、早朝から多くの観客が訪れ、3万1600人が決勝レースを見守った。

 2戦連続でトップ10内のゴールを目指したLMcorsaは、3日(土)に実施された予選では予選Q1でクラス5番手のタイムをマークし。スターティンググリッドを決める予選Q2では失速してしまったが、16番グリッドを得た。

 今季の決勝レースは3つのフォーマットが採用されていて、今戦は350kmの距離で競われる。オーソドックスな決勝レースの走行距離は300kmなので、50km長いこととなる。富士スピードウェイは1周が4.5kmなので11周の増加で、この距離延長がどのような影響を与えるのか、各チームは最適な戦略を探っていた。

 4日(日)は午前中にサポートレースの決勝レースが実施され、決勝レース前のチェック走行となるウォームアップが13時から20分間で開始。スタートドライバーに起用された河野駿佑選手が、まずはSyntium LMcorsa GR Supra GTに乗り込み6周を走行すると、吉本大樹選手も続けて4周を走った。路面温度が50℃を超える厳しい環境だったが、GT300クラスの27台中10番手のタイムをマークし、決勝レースへ向けて準備は整った。

 ウォームアップ走行後にはスタート進行のセレモニーが始まり、350kmの決勝レースは予定通りの14時30分にフォーメーションラップが開始された。

LMcorsa 2024スーパーGT第4戦富士 決勝レポート
2024スーパーGT第4戦富士 Syntium LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)

 16番手からスタートした河野選手は、オープニングラップを順調に走り切ると2周目には1台をパスするとと、先行車が接触したために13番手に浮上する。5周目には自己ベストタイムとなる1分40秒231をマークし、先行する5号車のMC86をテールトゥノーズで追う。GT500クラスのマシンと交錯しだすとさらに差が縮まり、15周目にはサイドバイサイドの争いとなる。5号車はSyntium LMcorsa GR Supra GTよりストレートスピードが伸び、コーナーで並び掛けても抜ききれない。それでも17周目にパスして12番手に浮上すると、今後は6号車のフェラーリ296GTBに迫っていく。

 しかし、25周目にはGT300クラスのマシンがコース脇に止まったためにフルコースイエロー(FCY)が提示される。27周目にレースがリスタートすると、規定のドライバー交換を行なうために数台のマシンがピットに向かった。先行していたマシンがピットに入ったこともあり27周目には10番手に浮上し、チームは30周目にピットインの指示を出した。

 ピットでは河野選手から吉本選手にドライバー交替を行ない、給油と4本のタイヤ交換をミスなく実施。コースに復帰したときには17番手となっていたが、まだピット作業を行なっていないマシンもいるため、トップ10圏内も現実的な展開となった。しかし、ニュータイヤでペースを上げたいところだが、前半のスティントよりも遅い1分41秒台での周回となる。34周目には河野選手がパッシングした5号車に抜き返されると、40周目には62号車GT-Rにもかわされる。全車が規定のピットインを終えた45周目には、スターティンググリッドと同じ16番手となっていた。

 吉本選手はペースを上げようとするもののグリップ感が薄くタイムアップが図れない。後続のマシンとはギャップがあり、抜かされることはなかったが、先行しているマシンにも追いつかない。終盤も単独での走行が続き、先行していたマシンにペナルティやトラブルが発生したために14番手まで浮上。目標としていた10位以内には届かず、70周目に14位でチェッカーを受けた。

 後半のスティントを担当した吉本選手は40周を走行したが、最初から最後まで同じペースでの走行となった。想定していたペースではなかったものの、性能が落ちることはなく、これまでと異なる感覚をドライバーもチームも得ている。今戦は2カ月のインターバルがあり、セットアップも装着したタイヤも挑戦的な部分があった。良い部分も発見できているので、次戦で雪辱を果たしたいところだ。

<飯田章監督>
「河野選手が走った前半のスティントは、想定しているよりペースが良くポイント圏内のマシンが見えるところでの展開でした。しかし、後半はペースの落ちが少なかったものの、抜くほどの速さがありませんでした。原因はいろいろありますが、今回はセットアップとタイヤともに挑戦をしていたので、このような結果になることもあります。ただ、7月のテストからタイヤを含めて良い方向性が見えています。次戦の鈴鹿は第3戦で10位に入りポイントを獲得しましたが、今の状態ならばもう少しポジティブな展開になるかもしれません。いつも以上に次戦には期待しています」

<吉本大樹選手>
「後半のスティントを走ったのですが、河野選手とは異なるタイヤを履きました。走りだしからグリップ感が薄く、前のマシンを追うペースにはなりませんでした。それでも、40周を走行して最後までフィーリングが変わらなかったのは驚きです。この感覚は今までありませんでした。ダンロップタイヤが開発を続けてきてくれて、良い方向にはなっています。ただ、ライバル勢に対してペースは劣っているので、さらに良いタイヤを作っていく必要があります。次戦の鈴鹿サーキットは富士スピードウェイよりもコーナーでの荷重が高いので、今の状態に合っているはずです。大阪トヨペットグループのホームともいえるコースなので、良い報告がしたいです」

<河野駿佑選手>
「スタートドライバーを務めて30周目まで走ったのですが、良いペースで周回できたと思います。第2戦はスタート直後にポジションを下げてしまったのですが、今回はGT500クラスのマシンもうまく使いながら1台ずつパスしていけました。バトルの中の判断も良かったと思いますし、上出来なスティントでした。ただ、吉本選手のスティントは思ったほどのペースがなく、結局はスタート順位付近に戻ってしまいました。最終的な結果は望んだものではありませんでしたが、タイヤの性能などはポジティブな感覚を得られたのも確かです。次戦の鈴鹿サーキットは、これまでと違った雰囲気で臨めそうです」


関連のニュース