2019年に設定されたオープンクラスは、86/BRZレースのエントリークラスで、多くのアマチュアドライバーが参戦している。プロのレーシングドライバーを目指す、あるいはステップアップを狙う、という人ばかりではないし、このレースの主役はむしろそこに行かないアマチュアドライバーかもしれない。年々着実にレベルアップを果たし、もはや本格的なモータースポーツとして見られるレースへと成長している。
やはりトップを争うというプレッシャーや悦びはドライバーを成長させ、その彼らを目標とするドライバーを牽引する。結果として全体がレベルアップを果たしてきたのだろう。今回のオープンクラスはシビアなトップ争いがありながらも、安定感もあり、ハイレベルなレース展開を見せてくれた。
●予選
今回は1大会2レース制となっており、使用できるタイヤは1セットのみ。しかも予選ではファーストベストが第4戦、セカンドベストが第5戦のスターティンググリッドを決めるため、予選でも最低2アタックはする必要がある。つまり、昨年までの2ヒート制よりも、さらにタイヤに対して過酷な状況となった。
トップタイムは、昨年のシリーズチャンピオン#559岡田整(YH)が獲得。2番手には#16大久保仁(YH)が入り、3番手は#870塙瞬佑(DL)というトップ3だった。ブリヂストン装着勢のトップは4番手の#124西澤嗣哲(ブリヂストン)で、5番手にも#456岩岡万梨恵(ブリヂストン)が入った。
●決勝
ポールポジションからスタートした岡田選手も含めて、上位陣はクリーンなスタートを見せた。唯一、スタートを得意とする西澤がひとつポジションを上げて3位へ。そして2位を走る大久保選手がペースに苦しむところを、3周目にオーバーテイクし2位となり、トップの岡田へ追撃を始める。しかしオーバーテイクの難しいSUGOだけにそう簡単には攻略できない。
見た目には攻めきれないように見えたのだが、じつは西澤、翌日の第5戦のポールポジションからのスタートが決まっていて、優勝を確実なものにするためにタイヤを温存しながら走っていたのだ。そのため岡田へのプレッシャーをかけながらも、自分のタイヤはできるだけ使わないという走りを展開。
結果的には岡田のポール・トゥ・ウイン、西澤は2位となった。3位には塙が入った。4位には岩岡選手、また6位に#62咲川めり(YH)、8位に#296細川由依花(ブリヂストン)とトップ10に3名の女性ドライバーが食い込んだ。ブリヂストン装着勢はトップ10に4台が入った。