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投稿日: 2024.04.19 09:38
更新日: 2024.04.19 10:55

TGR TEAM ENEOS ROOKIE 2024スーパーGT第1戦岡山 レースレポート


スーパーGT | TGR TEAM ENEOS ROOKIE 2024スーパーGT第1戦岡山 レースレポート

ROOKIE Racing

2024 AUTOBACS SUPER GT Round.1
OKAYAMA

2024 AUTOBACS SUPER GT 第1戦
OKAYAMA GT 300km RACE

2024年4月13日(土)〜14日(日)
岡山国際サーキット(岡山県)

All Photographs by Noriaki MITSUHASHI / N-RAK PHOTO AGENCY

公式練習
4月13日(土) 天候:晴れ 路面:ドライ
 2021年から3年間、ドライバー、監督とも同じ体制で臨んできたTGR TEAM ENEOS ROOKIEは、2024年も宿願のチャンピオンを目指してSUPER GTに挑戦する。ただ今シーズン、チームには新たな風が加わった。大黒柱である大嶋和也のパートナーとして、昨年までライバルメーカーで戦っていた福住仁嶺が移籍加入したのだ。もともと世界を舞台に戦ってきた若き才能は、オフシーズンのテストからチームに溶けこみ、そのスピードの片鱗をみせてきた。

 迎える2024年の開幕戦の舞台は、例年同様岡山国際サーキット。チームにとっては2021年、2022年と連勝を飾っている相性が良いコース。オフの公式テストでも速さをみせていたことから、期待をもって4月13日(土)の予選日に臨んだ。

 ただ、例年朝晩を中心に厳しい冷え込みとなる岡山だが、走行前日の4月12日(金)から汗ばむような初夏の陽気となっていた。SUPER GTでは、その週末のコンディションを読み、気温、路面温度に合ったタイヤを事前に選ぶことが最も重要となる。その点では、この暖かさは多くのチームにとってやや高すぎる気温だった。

 4月13日(土)、午前9時30分からスタートした公式練習の天候は晴れ。走行開始時のコンディションは気温20℃/路面温度26℃という4月とは思えぬコンディション。ENEOS X PRIME GR Supraは大嶋からステアリングを握りコースインすると、二度のピットインを経て福住に交代。ロングランを行い、再度大嶋に交代した後、GT500クラスの占有走行の時間でふたたび福住に交代した。

 2024年からSUPER GTはレギュレーションが変わり、公式予選はQ1、Q2の合算タイムで争われることになる。ふたりのベストタイムがどちらも重要になるが、ENEOS X PRIME GR Supraは大嶋が1分18秒889、福住が1分18秒814と、ふたりともコンスタントなタイムを記録。気温が高すぎるのが懸念材料だが、公式練習は7番手で終えた。

公式予選
4月13日(土) 天候:晴れ 路面:ドライ
 午前から季節はずれの暑さとなった岡山国際サーキットだが、午後2時から始まった公式予選開始時には、気温は26℃まで上昇。路面温度も36℃まで上がっていた。今回、TGR TEAM ENEOS ROOKIEが選んでいたタイヤは、同じGR Supra勢のなかでも若干異なる柔らかめのもので、気温はチームの想定よりもやや高すぎるものではあった。

 とは言え、パフォーマンスを引き出すことを考えれば想定内でもあった。今季から初めて導入されたタイム合算方式の公式予選に向け、チームはまずはQ1のアタッカーに福住を起用。4周目、福住は期待に応え1分17秒788というタイムを記録し3番手と好位置につけた。今シーズン、予選はQ1とQ2の合算だが、一方でタイヤは1セットしか使えない。さらにそのタイヤでレースのスタートまでこなさなければならないのだ。Q2の大嶋のためにタイヤのグリップを残しつつ、福住はきっちりと仕事を果たし好タイムを記録してみせた。

 そんな頑張りに応え、大嶋はQ2でユーズドタイヤでのアタックながら、1分18秒424を記録。合算タイムでENEOS X PRIME GR Supraは5番手という位置につけた。

決勝レース
4月14日(日) 天候:晴れ 路面:ドライ
 近年の好結果からすればやや不満の残る5番手とはいえ、決勝レースでは十分に表彰台を狙えるポジションにつけたENEOS X PRIME GR Supra。迎えた4月14日(日)の決勝日は、前日よりもさらに気温が上がり、気温26℃/路面温度39℃というコンディションとなった。スターティンググリッドに訪れた豊田章男オーナーもポロシャツ姿で、今季開幕らしくサーキットを訪れた福住の家族を紹介されると笑顔をみせた。

 そんな和やかなムードから一変し、午後1時30分にフォーメーションラップがスタートするとサーキットのボルテージは一気に上がり、決勝レースの火ぶたが切って落とされた。開幕戦でENEOS X PRIME GR Supraのスタートを務めたのは大嶋だ。

 レッドシグナルが消灯すると、大嶋は1コーナーに向けてターンインしていくが、ここで6番手スタートの#23 Z NISMO GT500が大嶋のアウトから並びかけてくる。ターンインしていた大嶋はわずかにアンダーステアが出てしまい、#23 Z NISMO GT500と接触してしまった。

 とはいえ、ENEOS X PRIME GR Supraにそこまで大きなダメージはなく、大嶋は5番手を守ってオープニングラップを進めていく。ただ接触のダメージがあったのか、その背後にいた#3 Z NISMO GT500の先行を許し、ヘアピン立ち上がりのリボルバーコーナーに入っていった。

 さらに#12 Z NISMO GT500が大嶋をかわそうとリボルバーコーナーに入ってくるが、大嶋のリヤをプッシュ。スピン状態に陥ってしまった。姿勢を乱すENEOS X PRIME GR Supraに#12 Z NISMO GT500、さらにその背後につけていた#17 CIVIC TYPE R-GTという2台がENEOS X PRIME GR Supraに激しくヒットしてしまった。

「何回当てられたか分からないくらい」という大嶋はなんとか姿勢を立て直し再走するが、リヤエンドを大きく破損。このアクシデントで導入されたセーフティカーランの間にガレージに戻ることになってしまった。

 車両のダメージは大きいが、レースを諦めるわけにもいかない。チームは大急ぎでENEOS X PRIME GR Supraを修復すると、福住が乗り込み再コースインを果たした。家族が観ている前で、1周もせずに帰るわけにはいかない。福住のチーム初レースに、チームも気持ちで応えてみせた。

 しかし、修復にかかった時間は57分ほど。上位争いに加わることはできない差がついていた。それでもENEOS X PRIME GR Supraは今シーズンの残り7戦、そして来季に繋げるべく、決勝レースを走るからこそ得られる貴重なデータを集めた。

 ENEOS X PRIME GR Supraは43周を走りチェッカーを受けたものの、トップとは39周差がついており、完走扱いにはならなかった。

 レース後、豊田大輔GMは「アクシデントが起きたのが開幕で良かったと考えよう。最終戦では取り返しがつかない」と次戦以降の戦いに向けて、チームを鼓舞した。

 シーズンはまだ始まったばかり。TGR TEAM ENEOS ROOKIEは次戦以降、開幕で失ったポイントを取り返していくべく、必勝体制で臨んでいく。

TGR TEAM ENEOS ROOKIE 2024スーパーGT第1戦岡山 レースレポート
2024スーパーGT第1戦岡山 ENEOS X PRIME GR Supra

ドライバー/監督コメント
DRIVER  大嶋 和也
 Kazuya OSHIMA
決勝スタートは一瞬遅れて、23号車に並ばれたのですが、1コーナーに入ったときにロックして、アンダーステアが出て押し出すかたちになってしまいました。その後エアロが壊れた影響があったのか、アトウッドで遅れ、その後12号車がコントロールを失って当たってきてしまいました。何度か衝撃があったので状況は良く分かりません。週末のクルマのフィーリングは悪くなかったのですが、持ってきていたタイヤがまわりと違うもので、使い方が少し難しいものでした。レースペースを見ても、どれが正解だったのかは分かりませんでしたね。難しいレースウイークになってしまいました。こんなレースになってしまったので、第2戦富士は狙っていきたいですね。僕もこのままでは気持ちが悪いので、なるべく早く結果を出しにいきたいと思っています。

DRIVER  福住 仁嶺 Nirei FUKUZUMI
ここまでレースウイークの気温、路面温度が上がったのは予想外でしたね。僕たちが選んだタイヤは少し柔らかめのものだったので、予選も厳しい戦いになるかと思いましたが、その中でもふたりで頑張って、予選は5番手につけることができました。決勝はスタートでもったいないところもあったと思いますし、流れが良くなかったですね。観ている側としても悔しい気持ちでいっぱいでした。でもその後、チームが頑張ってクルマを直してくれましたし、今回家族が観に来ているなかで、何も走らずに帰るわけにはいきませんでした。チェッカーを受けることができたので、その点は感謝ですね。今回GR Supra勢が速かったので、この流れで次は僕たちが勝ちにいきたいです。このチームで早く結果が残せるように頑張りたいです。

DIRECTOR 高木 虎之介 Toranosuke TAKAGI
開幕戦でノーポイントになってしまったのは記憶にないだけに悔しい週末になってしまいましたね。次戦の富士は地元でもありますし、ポールポジションの3ポイント、さらに優勝の20ポイントを獲るようにしなければいけません。そうしないとランキングでも上位と離されてしまいますからね。とにかく確実に優勝しないといけません。このレースウイークはコンディションに対してタイヤが難しいところがあったかもしれないですけど、レースでは車両を修復した後、走行していても決してペースが悪いわけではありませんでしたからね。クルマにポテンシャルはあると思っています。とにかく次戦は、今回のことを帳消しにできるように優勝しなければいけないと思っています。


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