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投稿日: 2024.09.22 22:47
更新日: 2024.09.22 22:54

Team LeMans 2024スーパーGT第6戦SUGO 決勝レポート


スーパーGT | Team LeMans 2024スーパーGT第6戦SUGO 決勝レポート

波乱万丈、魔物が潜む菅生に翻弄された厳しいレース

■9月22日(決勝)

 スポーツランドSUGOで開催された2024 AUTOBACS SUPER GT Round6『SUGO GT300km Race』は、雨にもかかわらず早朝から大勢のファンがサーキットに詰めかけ、サーキット周辺道路が交通渋滞で麻痺してしまい、関係者も驚かされるほどの状況となりました。

 午前中に開催されたサポートイベントのFIA-F4選手権は、インデペンデントクラス、チャンピオンクラスともに雨量が多かったことからセーフティカースタートが切られ、天候悪化で赤旗終了という結果に終わっていました。

 多くの関係者がレース中止を心配するほど、午前中から午後にかけて雨量が増したのですが、タイムスケジュールを遅らせることによって天候の回復を待ち、雨が小降りとなった13時から20分間のウォーミングアップ走行が実施されました。ウォーミングアップ走行でも開始5分でGT300クラスの単独クラッシュが発生して赤旗中断ののち、13時17分から10分間の走行でチェッカーとなりました。

 ステアリングを握った片山義章選手はマシンが完全に修復されていることを確認し、コンパウンドの異なるウエットタイヤのフィーリングにも良い手応えを感じていました。

 VELOREX(Team LeMans)の6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARIはグリッド24番手にマシンを並べ、14時20分に予定されたスタートを待ちました。

 スタートドライバーは片山義章選手。セーフティカー先導のスタートは、3周を終えた段階でセーフティカーがピットロードに向かい、4周目にグリーンフラッグが出されました。

 序盤から快調なペースで追い上げる片山義章選手は5周目には一気に18番手まで浮上し、8周目には17番手へとポジションアップ。しかし12周目の第1コーナーでアウトから抜こうとしたGT500クラスのマシンがそのままコースアウトし、コースに復帰する際にイン側をキープしていた6号車にクラッシュしてくるというアクシデントが発生。大きな衝撃を受けた6号車はそのまま第2コーナーイン側のピットロードへと押し込まれてしまい、エンジンがストップ。大きくタイムロスをしながらもふたたびコースに復帰した片山義章選手は23番手から諦めることなくふたたび追い上げを開始しました。接触してきたGT500車両にはドライブスルーペナルティが課されることとなりました。

Team LeMans 2024スーパーGT第6戦SUGO 決勝レポート
2024スーパーGT第6戦SUGO UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI(片山義章/ロベルト・メリ・ムンタン)

 レースはその後、片山義章選手が毎ラップごとにポジションを上げ、ふたたび18番手まで浮上した22周目(GT500クラスは26周目)に2台のマシンがクラッシュし、セーフティカーが出されました。2台のマシンがドロップしたことで実質的なポジションは16番手。GT500クラスのトップ車両が28周を終えた段階でレースは3分の1を消化したため、片山義章選手はピットに飛び込みたかったのですが、セーフティカーが出されたためにピットクローズド。それでもピットオープンと同時にロベルト・メリ・ムンタン選手に交代。まだ周囲がウエットタイヤを選択しているタイミングにもかかわらず、スリックタイヤに交換して勝負に出ました。

 30周を越えたところで気温18℃、路面温度22℃というコンディション。降り続いていた雨もあがり、31周目にレースは再スタート。ロベルト・メリ・ムンタン選手はタイヤが温まった32周目には自己ベストタイムを更新し、ウエットタイヤの車両に対して大きなアドバンテージを得ながら追い上げを開始しました。

 しかし好事魔多し。44周目に他車との接触によりタイヤがバーストしてしまい、緊急ピットイン。ふたたびコースインをしたものの、片山義章選手がセーフティカー手順違反を犯したことでドライブスルーペナルティを受け、さらに再度の接触により左リヤサスペンションとステアリングにダメージを負ったことで、チームは安全のためリタイアすることを選択しました。

■片山義章選手のコメント

「今回のレースは、本当に厳しい結果になってしまいました。雨が小降りになってスタートした直後は、かなりいいペースで走れました。やや硬めのレインタイヤを選んだのが正解で、ライバルたちの挙動が不安定に見えるくらいしっかりとグリップしてくれたおかげで、どんどん前のマシンを抜くことができました。しかしGT500のマシンが自分をオーバーテイクしようとして第1コーナーで飛び出していき、そのままエスケープから戻ってきてぶつかってきたのです。かなりの衝撃だったので、もうダメかなと思いましたが、なんとか再スタートができたので、粘り強く走りました。でもあれがすべての悪運の始まりだったのかもしれません。ロベルト・メリ・ムンタン選手もオーバーテイクで無理をして当たってしまい、最後はリタイアせざるを得ませんでした。次戦オートポリスまでに今回の課題と問題を解決し、新たな気持ちで臨みたいと思います」

■ロベルト・メリ・ムンタン選手のコメント

「予選でのアクシデントで精神的に厳しかったのですが、チームの皆さんや友人たちが冗談を言って和ませてくれ、普段同様、リラックスした気持ちでレースに臨むことができました。マシンのハンドリングも良く、スリックタイヤが稼働領域に入ってからはペースもかなり良かったのでポジションを大きく上げていけると頑張りましたが、やや頑張り過ぎてしまった形でした。次戦では今回の借りを返すべく全力で頑張りたいと思います。応援ありがとうございました」

■小倉啓悟チーム監督のコメント

「GT500のマシンに突っ込まれなければ、違ったレースになっていたかも知れません。片山義章選手のペースもかなり良かったですし、セーフティカーのタイミングが悪くて理想の形ではスリックタイヤへの交換はできませんでしたが、それでもライバルたちに比べればアドバンテージは得られた戦略だったかと思います。当てられるまでは想定内に物事が進んでいただけに、悔しいですね。ただ今回の週末は、クラッシュや接触やペナルティが多すぎて、もう一度自分たちの課題を整理して、問題点を訴状にあげて解決し、次へとつなげる反省点の多いレースだったと思います。雨のなか、辛抱強くスタートを待ってくださったファンの皆さんに感謝していますし、次戦はファンの皆さんと笑顔を分かち合いたいと思っています。リタイアという残念な結果ではありましたが、応援ありがとうございました」


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