TGR TEAM KeePer CERUMO 2024スーパーGT第7戦オートポリス 予選・決勝レポート
2024 AUTOBACS SUPER GT Report
AUTOPOLIS GT 3Hours RACE
第7戦 オートポリス
KeePer CERUMO GR Supra
#38石浦宏明/大湯都史樹
◆10月20日(日) QUALIFY/RACE
公式予選結果 13位/決勝結果 10位
荒天に悩まされ、すべての走行がキャンセルとなった10月19日(土)から一夜明け、SUPER GT第7戦オートポリスは10月20日(日)の予選・決勝日を迎えた。前日の公式予選キャンセル後にスケジュールの変更が行われ、10月20日(日)は午前8時から、30分間の計時方式で公式予選が行われた。
天気予報では好転するはずだったこの日のオートポリスだが、早朝のサーキットは霧に包まれ、直前のGT300クラスの予選開始時は、気温12度/路面温度13度という冷え込みのなか迎えた。前日からのこの変則スケジュールへの対策を練っていたTGR TEAM KeePer CERUMOは、この予選を大湯都史樹に委ねた。
少しずつ霧が晴れ、コンディションが回復していくなか大湯はウエットタイヤからスリックタイヤと変更しつつ、残り3分で1分35秒759を記録。翌周には1分34秒780にタイムを上げていったが、ライバルたちのタイムアップが大きく、13番手という順位で公式予選を終えることになった。
「思った以上にタイムを上げられませんでした。公式練習がなかったことで微調整ができなかったことが影響しているとも思います。30分間のなかで何かセットを変更することができたチームはほとんどなかったと思いますが、僕たちには良い方向にはいきませんでした」と大湯は予選を振り返った。
公式予選の後、オートポリスは急速に天候が回復していったが、気温はそれほど上がらず、冷たい風が吹き続けていた。予選終了からわずか2時間30分のインターバルで迎えたウォームアップでは、今週初めて石浦宏明がドライブ。決勝に向けた準備を進め、午後1時20分からの決勝レースを迎えた。
KeePer CERUMO GR Supraのスタートドライバーを務めたのは大湯。気温17度/路面温度24度というコンディションのもと、序盤から各車が選んだタイヤによってグレーニングやピックアップなどの症状が出てくることになるが、そんななか大湯は1周目の混戦を縫って12番手から10番手までジャンプアップを果たす。3周目にはさらに9番手までポジションを上げると、上位を追っていった。
ただ、予選でもベストなパフォーマンスが発揮できなかったKeePer CERUMO GR Supraだったが、レース中盤に向け大湯はややペースに苦しんでいく。前を走っていた#100 CIVIC TYPE-R GTに食らいつき、17周目にはポジションを下げた#3 Z NISMO GT500を先行し8番手まで浮上。その後、#19 GR Supraのアクシデントにより導入されたセーフティカーラン明け、32周目にピットイン。石浦に交代した。
さらなる追い上げを目指したい石浦だが、このスティントは波乱の展開となった。コースイン直後、石浦は1コーナーにアプローチしたが、ここでまだタイヤが冷えており、石浦はわずかにコースアウトを喫してしまった。これで3台ほどにかわされてしまう。
直後、ピットアウトした集団のなかのバトルで#17 CIVIC TYPE-R GTがクラッシュしたことからセーフティカーランとなるが、42周目に解除になった直後の44周目、第2ヘアピンのアプローチで、2台前にいた#16 CIVIC TYPE-R GTがスピンを喫した。
第2ヘアピンは先が見通しづらく、石浦の前を走っていた#8 CIVIC TYPE-R GTが避けたところにいきなり停止車両が現れてしまう。石浦はたまらずコース外側のグリーンに避けるも、これで2台に先行されてしまう。
波乱はまだ襲いかかった。走行中、KeePer CERUMO GR Supraの左フロントフェンダーのパーツが外れかかってしまう。大きなパーツではないが、フロントフェンダー周辺は空力の感度が大きい部分。アンダーステアが強くなり、パーツが動くたびにバランスが変化する。石浦のペースは大きく下がってしまうことになった。
ただ、パーツが自然に外れてからはペースを取り戻し、ペナルティで後退した#14 GR Supraが後方から迫るも、しっかりとポジションを守りながら2回目のピットストップのタイミングをうかがっていった。
そんななか、61周目に#64 CIVIC TYPE-R GTが3コーナーでクラッシュ。3回目のセーフティカーランとなる。ただこのタイミングでKeePer CERUMO GR Supraはピットに入ることができず、すでにピットインを済ませていた陣営が上位に進出することになった。
石浦はセーフティカーラン明けの68周目にピットに戻り、ふたたび大湯にステアリングを託した。「ガムシャラにいきました」という大湯は追い上げをみせるも、終盤GT500クラスの中位以下は大きな順位変動もなく、最後はGT300クラスのアクシデントで4回目のセーフティカーランに。そのままレースはフィニッシュを迎えた。
TGR TEAM KeePer CERUMOにとっては苦しい週末となった第7戦。ただ、そんななかでも1ポイントは掴んだ。まだシリーズは2戦ある。TGR TEAM KeePer CERUMOは次戦の巻き返しを狙う。
ドライバー/石浦宏明
「自分のスティントでは、ひとつ大きなミスをしてしまいました。ピットから出た直後、タイヤが冷えた状態で1コーナーを曲がり切れず、そこでポジションを落としてしまいました。また、セーフティカーランを挟んだ後に直前で1台がスピンしてしまい、それを避けるためにグラベルに逃げざるを得ず、そこでまたポジションを落とすことになってしまいました。それでも諦めずに追い上げようと思っていたのですが、左フロントのパーツが外れかかってしまい、ダウンフォースがなくなりアンダーステアが強くなり、さらにバランスが急激に変化したりと、非常に苦しいペースになってしまいました。ただ、パーツが外れた後はバランスが安定したので、その後は#14 GR Supraと争うことができました。どうにもうまくいかないスティントになってしまいましたね。大湯選手が順位を上げてくれていたのに申し訳なかったです。今週は基本的なペースが苦しく、またタイヤのピックアップも厳しいレースになってしまいました。次戦はサクセスウエイトも半分になりますし、もてぎではピックアップもそれほど厳しくならないと思うので、前戦までの流れから良いクルマを作ることができればと思います。しっかり勝ちを狙い、チャンピオンシップに繋げていきたいです」
ドライバー/大湯都史樹
「レース序盤は調子良くオーバーテイクができましたが、ペースはあまり良いものではありませんでした。このままだと苦しいな……と思いながら、その後のタイヤ選択などを悩みながらドライブしていました。前を走っていた#100 CIVIC TYPE-R GTくらいのペースが欲しかったです。その後、セカンドスティントではパーツが飛んだり、セーフティカーのタイミングでのピットインを逃してしまったりと、展開を含めて苦しいレースになってしまいました。最後のスティントはガムシャラに走りましたが、結果的にポイントこそ獲れたものの、求めている結果にはなりませんでしたね。次戦はサクセスウエイトも半分になりますが、ライバル次第ではあるものの、優勝することができれば最終戦の鈴鹿まで望みを繋げることができると思います。諦めずに頑張りたいですね」
立川祐路監督
「レース序盤は大湯選手が頑張ってくれて、ポジションを上げてくれる展開でしたが、第2スティントからいろいろなことがあり、うまくレースを進めることができませんでした。ペースも上げることができず、後半は苦しい展開になってしまったと思います。流れも悪く挽回できずに終わってしまったので悔しいですね。次戦はもう2週間後に第8戦もてぎがやってくるので、しっかりと今回の分を挽回できるようにしたいと思います。応援ありがとうございました」