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投稿日: 2024.10.28 18:53
更新日: 2024.10.28 19:05

佐藤万璃音 2024年ELMS第6戦ポルティマオ レースレポート


ル・マン/WEC | 佐藤万璃音 2024年ELMS第6戦ポルティマオ レースレポート

ELMS第6戦ポルティマオ。レースをリードしていた佐藤万璃音、まさかのドライブスルー・ペナルティでレースを失う

 昨シーズンよりヨーロピアン・ル・マン・シリーズ(ELMS)に挑戦を開始した佐藤万璃音(ユナイテッド・オートスポーツ所属25歳)が、10月18日~19日にポルトガル、ポルティマオ・サーキットで開催された2024年ELMS第6戦『4 HOURS OF PORTIMAO』に参戦。

 フリー走行からマシンのバランスに悩み続けましたが、ベン・ヘンリー選手が予選5番手を獲得。決勝レースではさらにポジションを上げ、セーフティカーのタイミングで佐藤万璃音に交代。トップでレースに戻り、2番手以下を引き離してリードを奪っていたのですが、ファーストスティントで接触事故を起こしたフィリップ・ウグラン選手の走行に対してアクシデントから40分以上経過した段階でドライブスルー・ペナルティの判断が出され、佐藤万璃音はそれを消化。最後尾までドロップすることになり、実質的にレースを失うこととなりました。

 レースはその後、さらなるアクシデントや不運に見舞われましたが、なんとか14位完走。2024年ELMS最後のチェッカーを受けました。

 今回のレースはユナイテッド・オートスポーツが昨年好調だったポルトガル、ポルトマオ・サーキットでの開催です。しかし22号車はテストデーやフリー走行を通じてセットアップを決めきれず、マシンのバランスがいまひとつの状況のまま予選を迎えることとなりました。

 予選ではベン・ヘンリー選手が7周目に1分31秒341を叩き出し、5番手グリッドをゲット。マシンのポテンシャルを越えた走りでタイムを叩き出したベン・ヘンリー選手をピットは拍手で迎えました。

 この予選アタックで勢いに乗ったわけではないのですが、決勝当日は前日までの不調が嘘のようにマシンのパフォーマンスが上がり、トップグループと遜色ないタイムがマークできるペースを取り戻したのです。

 スタートを担当したフィリップ・ウグラン選手もフリー走行ではまったくペースが無かったのですが、決勝ではスタート直後からトップ集団に食らいつき、アグレッシブな走りで前を行くマシンと激しいバトルを展開してはポジションをアップ。しかし3番手争いで接触事故を起こしてしまい、相手がふたつポジションを落とす結果となりました。

 マシンのダメージは大きくなかったので、セーフティカーが出されたタイミングでピットに戻り、佐藤万璃音にドライバー交代。マシンの修理を敢行して首位でレースに復帰した22号車は、佐藤万璃音の絶妙なリスタートとプッシュですぐにリードを広げ始め、リスタート後4周を過ぎた段階で2秒半以上のマージンを奪うことに成功しました。

 しかし、トップを走る22号車に対して、フィリップ・ウグラン選手のアクシデントを危険行為とするドライブスルー・ペナルティが課されたのです。

 セーフティカーが入る前に出されたペナルティであれば挽回のチャンスはありましたが、セーフティカーがピットに戻った後で出されたペナルティでは、成す術がありません。悔しい気持ちを抑えてピットロードを通過する佐藤万璃音は、最後尾から猛追を見せ、何台かのマシンをパス。しかし遅いマシンを無理矢理抜いていく佐藤万璃音がアグレッシブ過ぎたこともあり、今度はトラックリミットのペナルティが課されてしまいました。

 レースは終盤、ベン・ヘンリー選手が前方のアクシデントを避けるためにブレーキを踏んだところで後続に追突されてしまい、マシンに大きなダメージを受けてしまいましたが、そのまま走行を続け14位完走のチェッカーを受けました。

■佐藤万璃音のコメント

「今日はまさに踏んだり蹴ったりのレースでした。フィリップ・ウグラン選手のアクシデントに対するドライブスルー・ペナルティが出たのは、アクシデントから40分以上経過した後で、セーフティカーランが終わってレースが再開された後でした。もっと早くドライブスルー・ペナルティを出してくれていたら、全然リカバリーのチャンスはあったと思いますが、あのタイミングで出されては、もはやレースが終わったも同然でした。それでも自分としては、他のライバルたちに比べても、思い切った良い走りができたと思います」

「今シーズンは開幕戦で3位表彰台を獲得できたことで、好調の波に乗れたと思ったのですが、振り返ってみると自分たちのマシン自体のペースが悪く、ペースが良かったレースに限ってアンラッキーな出来事が起こりました。思うようにいかないシーズンだったと思います」

「ただし純粋にドライバーとしてみれば、2年目の今年はLMP2を完全に乗りこなしていたと思いますし、悪くなかったと自信を持っていえる走りができたと思っています。また来週はバーレーンに飛んでWEC最終戦ですが、ドライバーとして精一杯の走りをしますので、皆さん応援よろしくお願いします」


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