スーパーGT ニュース

投稿日: 2024.11.04 14:34

TGR TEAM KeePer CERUMO 2024スーパーGT第8戦もてぎ 決勝レポート


スーパーGT | TGR TEAM KeePer CERUMO 2024スーパーGT第8戦もてぎ 決勝レポート

2024 AUTOBACS SUPER GT Report

MOTEGI GT 300km RACE
第8戦 モビリティリゾートもてぎ

KeePer CERUMO GR Supra
#38石浦宏明/大湯都史樹

◆11月3日(日) RACE
決勝結果 3位

 終日続いた悪天候のなかウエットコンディションでの速さを活かし、合算タイムで予選4番手につけたTGR TEAM KeePer CERUMO。好グリッドを結果に活かすべく迎えた11月3日(日)の決勝日は、前日の雨が嘘のような快晴のもと迎えた。

 朝からモビリティリゾートもてぎには多くのファンが詰めかけるなか、午後1時に迎えた決勝レース。KeePer CERUMO GR Supraは石浦宏明がスタートドライバーを務めた。スタートから石浦はしっかりと4番手を守りながらレースを進めていくが、序盤、GT300クラス車両のストップにより6周目、9周目にフルコースイエローが入った。特に9周目のアクシデントは、石浦の目の前でGT300車両のタイヤが外れるもので、あわやのシーンとなったが、石浦は冷静に対処していった。

 その二度のフルコースイエローが解除された後、GT500クラスの首位を走っていた#64 CIVIC TYPE-R GTのペースが少しずつ落ちはじめ、上位陣の争いは接近。いち早くこの集団を抜け出した#36 GR Supraがトップに立つと、石浦はそれに続き#64 CIVIC TYPE-R GT、#8 CIVIC TYPE-R GTに詰め寄った。

 そんななか、石浦は16周目の90度コーナーでまずは#8 CIVIC TYPE-R GTをオーバーテイク。これで3番手に浮上する。さらに追撃の手をゆるめない石浦は17周目、#64 CIVIC TYPE-R GTをまたも90度コーナーでパス。これで2番手にポジションを上げた。#64 CIVIC TYPE-R GTが集団の先頭で蓋をしている状態だったことから、石浦は3番手集団を後目にプッシュ。トップを追っていったが、コンディションの影響か少しずつタイヤに厳しさも感じはじめていた。

 今回のレースは短い300km。22周目、TGR TEAM KeePer CERUMOはミニマムスティントで石浦をピットに呼び戻した。他にも4台がピットインし、翌周にはさらに5台がピットに向かう。KeePer CERUMO GR Supraが採った戦略は王道とも言えるものだ。チームは迅速な作業でタイヤ交換を行い、石浦から大湯にスイッチ。KeePer CERUMO GR Supraを送り出した。

 大湯はピットアウト後、2番手につけ1分42秒台から43秒台のラップタイムで首位を走る#36 GR Supraを追っていくものの、少しずつ石浦同様タイヤが厳しくなりはじめ、ピックアップの症状も出はじめた。後方からは、序盤からKeePer CERUMO GR Supraと競っていた#8 CIVIC TYPE R-GTが近づいてきた。

 2番手は死守したい大湯だったが、ただ#8 CIVIC TYPE R-GTに対し持てるパフォーマンスをすべて駆使して抵抗しても、まだレースは残り周回数がある。前には出したくないが、タイヤや燃料を酷使するわけにはいかなかった。53周目、大湯は#8 CIVIC TYPE R-GTに先行を許し、3番手にポジションを下げた。

 63周のレースは終盤を迎えたが、大湯の後方からはさらに#16 CIVIC TYPE R-GTも近づいてきた。1台の先行こそ許したが、表彰台でレースを終えるためにはこれだけは前に出すわけにはいかない。#16 CIVIC TYPE R-GTはKeePer CERUMO GR Supraのインを何度もうかがってくるが、大湯はまるでベテランのようなテクニックを駆使し、先行を許さなかった。

 2台のバトルはこの第8戦の終盤のハイライトとなったが、大湯は最後まで集中を切らさず、0.136秒差で振り切りチェッカーを受けた。KeePer CERUMO GR Supraは3位でフィニッシュし今季3回目の表彰台を獲得した。

 この結果、石浦/大湯組は52点まで獲得ポイントを伸ばし、ランキング3位で最終戦の鈴鹿を迎えることになった。逆転チャンピオンのためにはポールポジションと優勝が必須で、その上でランキング首位の#36 GR Supraの結果を見なければならず、可能性は限りなく低い。しかしチームは、今季まだ成し得ていない優勝を勝ち取るべく、全力で最終戦に臨んでいく。

ドライバー/石浦宏明
「今回も決勝日だけがドライコンディションになりましたが、タイヤのライフなどを見られないままレースを迎えることになりました。序盤のスティントから得られる情報が大事だということは分かっていましたが、スタート直後は良いフィーリングだったものの、2番手に上がった後は自分のスティント終盤も少し辛くなっていた状況でした。後半の大湯選手のスティントは祈るような気持ちで見ていましたね。結果的に大湯選手がテクニックを駆使して表彰台を守ってくれたので感謝しています。サクセスウエイトを考えると良いレースだったと思いますが、#36 GR Supraが優勝しているので、内容をみると少し悔しいところもありますね。とはいえ、チーム全体がシーズンで3回の表彰台という結果を出すことができ、機能していると思いますし、今季それぞれが自分の仕事をできている感覚があります。最終戦は数字上チャンピオンを争う権利はありますが、まずは優勝を狙っていくしかないと思っています」

ドライバー/大湯都史樹
「与えられた環境のなかでやり切った気持ちはありますが、満足がいくレースではありませんでした。決勝ペースをはじめ、優勝した#36 GR Supraに対し、少しずつ足りないところがありましたし、その違いを感じた週末でした。レースでは石浦選手が2番手まで追い上げてくれましたが、後半は燃費などを気にしながら走っていたものの、ペースもタイヤ選択も少し苦しい状況でした。気合いでなんとか獲れた3位だったのかな、と思います。今シーズン、チームとしてはどんどん良くなっていますが、まだまだだと感じているところもたくさんあります。ペースもそうですし、安定感も含めて足りないところがあると思います。最終戦の鈴鹿に向けてはより精度を上げたいですし、今回優勝した#36 GR Supraと同等、もしくはそれ以上のパフォーマンスが垣間見えるようなレースにしたいです。チャンピオン争いは苦しい状況ですが、まだ優勝できていませんし、最後に勝てるように頑張ります」

立川祐路監督
「レース序盤、展開にも恵まれて2番手までポジションを上げることができましたが、レース後半は少しペースが苦しくなってしまいましたね。序盤と同じタイヤで送り出しましたが、ピックアップの症状や、コンディションに合っていない状況もあり、ペースを上げられない展開になってしまいました。ただそんな中でも大湯選手が最後まで頑張って表彰台圏内を守ってくれたので、その点は踏みとどまることができて良かったです。今年も残すところあと1戦です。もちろんチャンピオン争いもありますが、最後に勝てるように頑張りたいと思います。ご声援ありがとうございました」


関連のニュース