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投稿日: 2009.06.22 00:00
更新日: 2018.02.23 10:34

【Honda】IRL第7戦アイオワ:武藤英紀が今季初の3位表彰台獲得


武藤英紀が今季初の3位表彰台獲得
ダリオ・フランキッティが混戦を制し今季2勝目

2009年6月21日(日)
決勝
会場:アイオワ・スピードウェイ(全長0.894マイル)
天候:曇りのち晴れ
気温:26~29℃

2009年IRLインディカー・シリーズ第7戦は、アメリカ大陸のほぼ中央に位置するアイオワ州へとやって来た。州都デ・モインの郊外にあるアイオワ・スピードウェイには、今年もグランドスタンドを埋め尽くすファンが集まった。朝方まで降っていた雨もレース前にはやみ、レースは12時半過ぎに予定通りにスタート。予選4番手からダリオ・フランキッティ(Target Chip Ganassi Racing)が今季2勝目を飾った。そして、インディカー参戦2年目の武藤英紀(Andretti Green Racing)が、今季の自己ベストとなる3位フィニッシュで表彰台に上った。

前日に行われる予定だった予選は、コースに水が染み出すトラブルによって中止され、決勝レースのスターティング・グリッドは第6戦終了時点でのエントラントポイントによって決定、エリオ・カストロネベス(Team Penske)がポールポジションから、フロントロー外側の2番グリッドからはチームメートのライアン・ブリスコーがスタートした。昨年、日本人インディカードライバー史上最高位となる2位フィニッシュをアイオワで記録した武藤は、6列目イン側グリッドの11番手スタートだった。

レース序盤にアクシデントが重なり、イエローコーションが多発。どのタイミングでピットストップを行うかによって順位を稼ぐ者、落とす者が現れた。

しかし、最終的にはスピードを持ったドライバーが上位で戦う展開へとレースは収束していった。ポールポジションからスタートしたカストロネベスと、3番手スタートだったスコット・ディクソン(Target Chip Ganassi Racing)はトップを争っていた18周目に接触。ディクソンはタイヤがパンクし、カストロネベスはフロントウイングを破損して後退。彼らは中団グループにとどまったまま苦戦を強いられ、二度とトップ争いに復活してこなかった。

トップ争いはフランキッティとブリスコーの間で行われることとなり、197周目のピットストップ前まではブリスコーがトップを走った。しかし、この最後のピットストップで小さなセッティング調整を行ったフランキッティがスピードアップし、5.0132秒という大差をつけて優勝した。

武藤はスタート直後こそポジションをいくつか落としたが、すぐにトップ10へと食い込み、55周目からのフルコースコーション中にピットインしなかったことで9位から5位へと大きくポジションアップ。この後、トニー・カナーン(Andretti Green Racing)がピットに向かったことで4位に浮上。113周目にフルコースコーション下で行ったピットストップで武藤陣営は4位の座を守り、ブリスコー、フランキッティ、ダン・ウェルドン(Panther Racing)の後方へとピットアウト。124周目のリスタートで武藤はウェルドンをオーバーテイクし、前を行く2人を追った。250周のレースでトップと同一周回は4台だけだったが、武藤は安定した速さを保ち続けて今シーズンのベストとなる3位フィニッシュ。昨年のアイオワ以来、キャリア2回目となる表彰台獲得を果たした。武藤のポイントランキングは、レース前の12位から10位へと上がった。

ダリオ・フランキッティ(優勝)
「プラクティスを1回走った後に小さなセッティング変更を行うと、我々のマシンは一気に速くなった。そのマシンをレースに向け、どんなコンディションでも速いものへと仕上げた。タイヤが冷えていても、摩耗してからでも、燃料を多く搭載していても速いマシンになっていた。ブリスコーにパスされた時点でのマシンはハンドリングがあと一歩だったので、最後のピットストップでセッティングを少し変更したことによってマシンは速さを取り戻した。クルーたちのピットストップも最高だったことで、我々は優勝を飾ることができた」

ライアン・ブリスコー(2位)
「1回目のピットストップで大きなセッティング変更を行った。そこからのマシンはとてもいいハンドリングになっていた。ただ、リスタートやピットアウト直後、タイヤ温度が上がるまでのハンドリングでは、フランキッティが我々よりも有利だった。スティントが長くなれば、その中盤から我々も速さを発揮できていたので、トラフィックの中で彼に追いつき、オーバーテイクするチャンスがくることを願っていた。しかし、バックマーカーたちに追いつくタイミングでも彼に幸運は味方しており、逆にリードを広げられてしまった」

武藤英紀(3位)
「マシンの調子がよく、リスタートで何台かパスすることができ、ようやくトラブルも無い走りがゴールまでできました。この勢いを保って、マシンをもう少し煮詰め、自分もまた成長をすることで必ず勝てる日がくるという自信を持てるレースになっていました。私のマシンはリスタートがとてもよく、恐らくブリスコーはタイヤが温まるまで時間がかかっていたので、終盤にフルコースコーションが出ればパスするチャンスがあったかもしれません。昨年は作戦に助けられて順位を上げたレースでしたが、今年はすべてオーバーテイクをして順位を上げることができ、ようやく戦える状態まできたのかな、という思いがあります」

ロジャー・グリフィス|HPD レース・チームマネジャー
「スタート前に雨雲は消えてくれると信じていたが、前日のようにコースから染み出す水によって走行が行えないのではという心配は拭えなかった。しかし、昨晩からの雨量が少なかったからなのか、水の問題は幸いにも発生せず、レースを無事に行うことができた。アイオワのレースは今年も満員のお客さんで、ハイスピードかつレベルの高いレースをエンジョイできたと思う。序盤から多くのトップ後退劇があり、最後はフランキッティとブリスコーの優勝争いとなった。今回のレースでは武藤がすばらしい走りを続け、3位に入賞した。難しいコンディション下で、リードラップに残ってフィニッシュできたのは、彼がトップグループで戦う力を身につけたことの証明だと思う」


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