更新日: 2018.02.15 18:44
【BMW Group PressClub Japan】BMWグループ2009年度は黒字決算 税引前利益は前年比17.7%増の4億1,300万ユーロ
BMWグループ2009年度は黒字決算 税引前利益は前年比17.7%増の4億1,300万ユーロ
配当は据え置き(1株0.30ユーロ)を提案
ライトホーファー: 2010年は利益を伴う数量的成長を目指す
17.03.2010プレスリリース
ミュンヘン発:
BMWグループは2009年度に、世界的な金融経済危機にもかかわらず、当初見込みどおりの利益を計上することができた。税引前利益は前年比17.7%増の4億1,300万ユーロ(2008年: 3億5,100万ユーロ)。純利益は、実効税率引き上げの影響で前年比36.4%減の2億1,000万ユーロにとどまった(2008年: 3億3,300万ユーロ)。売上高は506億8,100万ユーロと、前年に比べ4.7%ほど減少した(2008年: 531億9,700万ユーロ)。取締役会と監査役会の提案に基づき、配当金は前年と同様に普通株1株当り0.30ユーロ、優先株1株当り0.32ユーロに据え置きとなる。
「世界的な市場環境の厳しさを考えると、2009年の業績はまずまずでした。世界的な金融経済危機の影響を払拭するにはいたりませんでしたが、コスト管理と効率改善措置は効果をあげました。」BMW AG取締役会会長、ノルベルト・ライトホーファーは11日にミュンヘンでこのようにコメントし、さらに、「経済環境は厳しいものの、2009年も配当を継続します。これはグループの経営体力に対する自信の表明であるとともに、株主の方々に会社の利益に参加していただきたいとの思いからでもあります」と付け加えた。
乗用車部門第4四半期の金利払前税引前利益(EBIT)は9,300万ユーロ
世界的な景気低迷下、販売台数が減少した関係で、2009年の乗用車部門の売上高は減少した。しかし、年末近くになって市場がやや安定を回復した関係で、同部門は第4四半期に9,300万ユーロの金利払前税引前利益(EBIT)を確保することができた。乗用車部門の年間のEBITは2億6,500万ユーロの損失(2008年のEBIT: 6億9,000万ユーロの黒字)で、税引前損益も5億8,800万ユーロの赤字に終わった(2008年の税引前損益: 3億1,800万ユーロの黒字)。売上高は437億3,700万ユーロに減少した(2008年: 487億8,200万ユーロ)。
BMW、MINI、ロールス・ロイスの3ブランドを合わせたBMWグループの2009年の乗用車総販売台数は前年比10.4%減の128万6,310台(2008年: 143万5,876台)。販売台数こそ減少したが、すでにお知らせしたとおり、BMWグループはプレミアム・セグメントで市場シェアを拡大し、世界をリードするプレミアム車メーカーとしての地位を維持した。
ブランド別では、BMWブランドの世界販売台数は106万8,770台(2008年: 120万2,239台)と、前年比11.1%減少したものの、プレミアム・セグメントにおける競合メーカー実績を再び大きく上回った。力強い成長を記録したのはBMW 7シリーズ(5万2,680台、前年比35.7%増)、BMW X6(4万1,667台、56.8%増)、BMW Z4(2万2,761台、26.4%増)である。ドイツ国内ではBMW 7シリーズ(7,439台、74.8%増)、BMW X5(1万933台、31.9%減)、X6(4,940台、51.0%増)のすべてが、2位以下に大きく水をあけて、それぞれのセグメントのベストセラー・モデルとなった。2009年10月末に市場に導入されたBMW X1は8,499台、BMW 5シリーズ グランツーリスモは3,052台を年末までにそれぞれ販売、ともに世界的に好調な売れ行きを示している。
MINIブランドの世界販売台数は21万6,538台(2008年: 23万2,425台)で、前年に比べ6.8%減少した。モデル・ミックスは依然として好調を維持している。顧客の半数以上(53.6%)がMINI Cooperを、26.2%がMINI Cooper Sを選択、MINI Oneは全体の20.2%だった。
ロールス・ロイス車の販売は1,002台(2008年: 1,212台)と、前年に17.3%及ばなかったものの、ウルトラ・ラグジュアリー・セグメントでマーケット・リーダーとしての地位を守った。ニュー・モデルのロールス・ロイス・ゴーストは順調なスタートを切り、2009年12月末までの顧客納車台数は167台に達した。
BMWグループは2009年に新興市場の中国、ブラジル、インドで力強い成長を遂げた。販売台数は中国が前年比37.5%増の9万536台、ブラジルが118.8%増の6,398台、インドが24.4%増の3,619台で、3市場揃って史上最高を記録した。
「今年も中国、ブラジル、インドでさらなる販売増加を計画しています」とライトホーファー会長は述べている。BMWとMINI両ブランドにとって最大の単一市場はドイツである。その合計販売台数は25万8,012台(2008年: 28万4,786台)と、前年に比べ9.4%減少した。しかし、MINIブランドの顧客納車台数は3万3,517台と、ドイツでのこれまでの最高を記録している。BMWグループは2010年にドイツでも販売の増加を計画、併せてプレミアム・セグメントでの市場シェア拡大を目指す。
米国でのBMWグループの2009年の販売は24万1,727台(2008年: 30万3,190台)で、前年を20.3%下回った。BMWブランドは19万6,502台を販売、米国における欧州プレミアム車メーカーの間でNo.1の座を維持している。BMWグループは今年、米国での販売が改善すると予測している。
モーターサイクル部門2009年のEBITは1,900万ユーロ
モーターサイクル部門も不況の影響を免れず、2009年の収益は悪化、EBITは1,900万ユーロ(2008年: 6,000万ユーロ)に減少した。売上高は10億6,900万ユーロ(2008年: 12億3,000万ユーロ)。販売台数は全世界合計8万7,306台(2008年: 10万1,685台)で、前年比14.1%減少した。この減少幅は市場の縮小率とほぼ一致している。
ファイナンシャル・サービス部門では収益が急増
ファイナンシャル・サービス部門の収益は2009年に、残存価格リスクと信用リスク対策の影響で大きく悪化した前年水準から急速に立ち直った。EBITは3億5,500万ユーロに達した(2008年: 2億1,600万ユーロの赤字)。売上高は合計157億9,800万ユーロ(2008年: 157億2,500万ユーロ)。融資貸し倒れ率は0.84%(2008年: 0.59%)に上昇したが、これは想定範囲内である。
新規自動車ローン契約総額は前年比15.8%減の247億900万ユーロであった。
BMWとMINI両ブランドの新車販売のうち、ファイナンシャル・サービス部門によるローンが占める割合は49.0%と、前年比0.5ポイント上昇した。
2009年末の従業員数は約9万6,000人
BMWグループの従業員数は2009年に減少した。これは自然減と定年退職を前にした従業員のパートタイム勤務への移行、希望退職者募集などの影響によるものである。年末時点のBMWグループの従業員数は、全世界合わせて9万6,230人(2008年12月31日: 10万41人、3.8%減)となっている。なお研修生数は3,915人(2008年: 4,102人)と、引き続き高い水準を保っている。
BMWグループは2010年について慎重ながら楽観
世界的な金融経済危機は、今年も自動車業界の景気に影を落とすと予想される。しかし、BMWグループはニュー・モデルと、予測される緩やかな世界景気の回復を背景に、2010年に利益を伴う成長を遂げる見通しである。「本年の業績については、慎重ながら楽観しています。ニュー・モデル投入の効果が現れ、やがて追い風が吹くでしょう。2010年もプレミアム・セグメントのリーダー企業としての地位を堅持します。販売台数は1桁台の伸びで、130万台を超えると見ています。」ライトホーファー会長はこのように付け加えた。
BMWグループにとって2010年のモデル政策で特に重要な地位を占めるのが、3月末に発売予定のBMW 5シリーズである。第2四半期にはそれによる販売全体の底上げが始まると見込まれる。2009年末に導入され、好調な滑り出しを見せているニューBMW X1とBMW 5シリーズ グランツーリスモにも、2010年の販売増加に向けてインパクトが期待されている。そのほか、MINI Countrymanを今年中に市場に導入する計画である。