更新日: 2018.02.23 11:26
【Honda】インディカー・シリーズ第6戦インディアナポリス予選 H.カストロネベスがインディ500での4度目のポールポジションを獲得
May 22 2010
IZOD IndyCar Series 2010 Indianapolis 500
2010年5月22日(土)
ポールデイ
会場:インディアナポリス・モーター・スピードウェイ(全長2.5マイル)
開催地:インディアナ州インディアナポリス
気温:20~25℃
天候:晴れのち曇り
エリオ・カストロネベスがインディ500での4度目のポールポジションを獲得
武藤英紀は9位に食い込み、佐藤琢磨はプラクティスでのクラッシュで予選出走ならず
今年で94回目の開催を迎えるインディ500は、今年からの新ルールのもとで2段階の予選を行い、エリオ・カストロネベス(Team Penske)が4周の平均時速227.970マイルという驚くべきスピードを記録してポールポジションを獲得した。2001、02、09 年とインディ500ですでに3勝を挙げているカストロネベスは、伝統ある500マイルレースでの4度目のポールポジションを手に入れた。予選最速ドライバーには17万5000ドルの賞金が贈られた。
インディ500の予選は伝統的に2週末の合計4日間を使って行われてきたが、今年は1週末の2日で開催されることとなった。予選初日は午前11時にスタート。各ドライバーが4周連続のアタックを行い、夕方4時までの走行でトップから9位までのスピードをマークしたドライバーが予選の第2段階へと進んだ。
午後4時30分から午後6時までの1時間30分が予選の第2段階、最初にコースインしたのはカストロネベスで、彼は計測2周目に今年のインディでの最速となる平均時速228,213マイルをマーク。3ラップ目にも228マイル台を続けて叩き出したカストロネベスは、4周平均227.970マイルという見事な予選アタックを完成させ、結局この記録は最後まで誰にも打ち破られることはなかった。ウィル・パワー(Team Penske)が平均時速227.578マイルを出してチームメートに迫ったが、逆転はかなわずに2番手。3番手には07年ウイナーのダリオ・フランキッティ(Chip Ganassi Racing)が平均時速226.990マイルで入り、4番手は時速226.554マイル平均を出したライアン・ブリスコー(Team Penske)のものとなった。フランキッティが意地を見せ、Team Penskeのフロントロー独占は阻まれた。
予選5番手は新興チームで目覚しい活躍を見せてきているアレックス・タグリアーニ(FAZZT Race Team)、6番手は08年ウイナーの スコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)、7、8番手にはスポット参戦のエド・カーペンター(Panther Racing)とグラハム・レイホール(Rahal Letterman Racing)が入った。
武藤英紀(Newman/Haas Racing)は、予選の第1段階で平均時速225.423マイルをマークし、目標通りに7番手で第2段階へと進んだ。武藤はフロントローかグリッド2列目へと食い込む6番手以上を目指して第2段階の予選を走ったが、マシンセッティングが4周続けてハイスピードを維持できるものとなっておらず、予選結果は08年と同じく9番手となった。
佐藤琢磨(KV Racing Technology)は6日間の走行があったプラクティスで順調にスピードアップを遂げたが、ポールデイの朝のプラクティス中にターン2でスピンし、外側のSAFERウォールにリアから激突。今日は予選に出走できなかった。
予選初日に決定したグリッドは24番目まで。予選2日目は、残る9グリッドを巡る激しい戦いが繰り広げられる。
コメント
エリオ・カストロネベス(ポールポジション)
「予選の第1段階で2回目のアタックを行ったのは、トップに立ってレースで一番先頭のピットを使う権利をつかむためだった。ダウンフォースを減らして走る予選アタックは本当に難しいが、チームはピットポジションで得られるアドバンテージを欲しいと考え、我々はそれを達成した。そして、この時の暑さの中での走行データが予選の第2段階でのアタックで大いに役立った。チームを信じて戦い、すばらしい予選結果を手にすることができた。しかし、予選とレースはまったくの別物だ。500マイルのレースは長く、出場ドライバー、出場チームの多くが勝てる力を備えている。明日からもレースで勝つために、できることはなんでもやるつもりだ」
ウィル・パワー(2番手)
「今日はすばらしい経験をさせてもらった。予選アタックはどれも綱渡りのように難しいものだったが、ぎりぎりのところでマシンを操る感覚をつかむことができた。カストロネべスというすばらしいチームメートを持ったことにより、とても多くの貴重な経験を積むことができた。今日一日で私は何度もアタックを行った。そして、無事に2番手というすばらしいグリッドを獲得できてホッとしている」
ダリオ・フランキッティ(3番手)
「第1段階は暑さの中での予選アタックとなったため、第2段階に進んでからトップを狙う作戦に切り替えた。しかし、第2段階でもマシンを完全にファイン・チューニングしきれず、何度もアタックを行った。私としては本当に神経をすり減らしたが、ファンは新しい予選方式を存分に楽しんでくれていた」
武藤英紀(9番手)
「予選でトップ9に入るという1つ目の目標は達成できました。第2段階ではトップ6を目指し、スピードを追求したセットアップで走りましたが、1周、2周目はいいタイムが出せても、3周、4周目でどうしてもマシンが滑ってしまいラップタイムにつなげられませんでした。予選アタックはぎりぎりのところでマシンをコントロールします。今日は予選アタックを4回とそのための練習もやりましたから本当に疲れました。9番グリッドはアウト側ですから、スタート時の乱気流の影響を受けやすいイン側の7番グリッド、真ん中の8番グリッドよりもスタート位置としてはいいと私は考えています。明日は暑さの中での決勝用セッティングの仕上げをがんばります」
ロジャー・グリフィス|HPD レース・チーム・マネジャー
「カストロネベスはドラフティングを使っても出せた者はいなかった228マイル台を予選アタックでマークした。ポールポジションを決めた彼の予選アタックは本当にすばらしいもので、ファンも大いに沸いていた。トップ9の予選は期待されていた通りにすさまじい戦いとなったが、24個のグリッド獲得合戦も激しかった。明日は残された9個のグリッドを巡っての激闘が繰り広げられることだろう。トニー・カナーン(Andretti Autosport)やポール・トレイシー(KV Racing Technology-Curb/Agajanian) といった強豪たちがまだグリッドを獲得できていないのだ。佐藤琢磨もアタックを行うことになるだろう。そして、ブルーノ・ジュンケイラ(FAZZT Race Team)が37番目のエントリーを果たすことが決定してもいる。彼の出場は予選をまた一段激しいものへとレベルアップさせるだろう」