更新日: 2018.02.16 04:42
プジョー、ILMCで今季3度目の勝利
2011年9月11日
プジョー・スポール発
インターコンチネンタル・ルマン・カップ(ILMC)
第5戦 シルバーストーン6時間耐久レース
プジョー、今期3度目の勝利
驚くほどの高速バトルが繰り広げられたシルバーストーン6時間耐久レースでは、セバスチャン・ブルデー/シモン・パジュノー組が優れたパフォーマンス、持続性、信頼性と三拍子揃った力を発揮して、プジョー908 7号車を優勝へと導きました。これはチーム・プジョー・トタルにとって今期3度目の勝利です。フランク・モンタニー/ステファン・サラザン組(プジョー908 8号車)も8位に入り、プジョーは2度目の連続マニュファクチャラーズタイトル獲得へ、また一歩近づきました。
プジョー908 3度目の勝利
今シーズン3度目のポールポジションを獲得したプジョーはレースをコントロールし、ILMC3勝目を挙げて、またもやプジョー908の高いパフォーマンスレベルを見せつけました。
48台もの車が走る高速レースにおいて2台が無事にフィニッシュするには、どんな小さな事故も回避しなくてはなりません。ところが不運なことに、8号車の優勝への望みはスタートからすぐに薄れてしまいました。フランク・モンタニーが後方を走る車と接触、フロント左アッパーウィッシュボーンのスプリッター交換のためにピットインを余儀なくされたのです。チームはすばやく反応、わずか9ラップの遅れにとどめました。そこからモンタニーとサラザンは前に追いつくための長い戦いを経て、見事8位フィニッシュを決めたのです。
セバスチャン・ブルデー/シモン・パジュノー組はアウディの追随を許しませんでした。わずかなミスも犯すことなく、タイヤ交換と燃料補給のためだけのピットイン。6時間後、二人のドライバーは堂々の勝利を手にしたのです。
「素晴らしい勝利です」とプジョー・スポールのディレクター、オリビエ・ケネルは振り返りました。
「またもや我々の2台はしっかりフィニッシュし、ライバルのアウディより2ポイント多く稼ぐことができました。プジョーはセブリングとスパ-フランコルシャンで優勝、ル・マンでは2、3、4位に入り、イモラではワンツー・フィニッシュ、そして今回も優勝できました。まだロード・アトランタと珠海(ズーハイ)が残っていますが、すばらしいシーズンでした。新マシンは衝撃のデビュー以来、すべてのレースでフィニッシュを遂げてきました」
事故続発の最初の1時間
ポールポジション・スタートとなったセバスチャン・ブルデーは48台の先頭でスタートしました。ブルデーの乗ったプジョー 7号車はアラン・マクニッシュ(アウディ 2号車)、フランク・モンタニー(プジョー 8号車)、ティモ・ベルナド(アウディ 1号車)を従えて最初のコーナーを通過。4台は同じようなペースでラップを刻み、スタートから10分後に周回遅れの一群をとらえます。このとき、アラン・マクニッシュがまず仕掛け、トップに立ちました。セバスチャン・ブルデーだけがそれについていき、トップ奪回の機会をうかがいます。一方、フランク・モンタニー(プジョー 8号車)は11時52分に別のマシンと接触してタイヤウォールに激突、グラベルに突っ込みました。何とかピットにマシンを戻すことはできましたが、修理に9ラップを要してしまいました。先頭では、セバスチャン・ブルデーがプレッシャーをかけ続け、トップを奪い返します。上位3台の激しい争いはアウディ2号車が別のマシンと接触するまで繰り広げられました。いくつか事故が続き、12時21分にセーフティカーが入りました。12時34分にレースが再開されたときは、セーフティカーの間に燃料補給を終えていたセバスチャン・ブルデーが引き続きトップを維持。ティモ・ベルナドが抜き返しますが、ブルデーが再びトップとなります。激しいバトルでしたが、ブルデーがトップをキープしました。
ペースをつかんだプジョー
トップに立ったセバスチャン・ブルデーは徐々にと差を広げていきます。次にチームメイトのシモン・パジュノーにバトンタッチしたとき、プジョー7号車と燃料補給のために同時にピットインした2位のマシンとの間には37秒差がありました。
「耐久レースというよりはスプリントという感じで始まったね」とセバスチャン・ブルデーは振り返ります。「スタートしたとき、コース上にオイルがあって、とても危なかった。だからマクニッシュが僕を抜いていったときはむしろホッとしたくらいだ。彼は少しスピードを落とすことになり、僕が有利になった。セーフティカー後に再開したときはティモとのバトルになった。コースの様子を見ながらお互い何回がアタックしあったよ。トラブルの多いスティントだったね」
アンソニー・デイビッドソンの代わりに入ったシモン・パジュノーでしたが、アウディに少々遅れをとり、1位から陥落します。後ろの方では8号車を駆るステファン・サラザン(15位)が何とか順位をあげようとしていました。
午後2時56分、トップを行く2台が再び同時にピットイン、アウディ1号車はセバスチャン・ブルデーの駆るプジョー7号車におよそ5秒差をつけて戻ってきました。スティントの長さは両者とも26ラップ。勝負の行方が見えてきたのは午後3時46分、アウディ1号車が修理のためピットに押し込まれたときでした。1時間45分を残して、プジョー7号車がアウディ1号車に1分31秒差をつけてレースをひっぱります。
見事なレース終盤
セバスチャン・ブルデーは最速ラップを出し、シモン・パジュノーは効果的な戦略のもと、しっかりしたペースを最後まで刻み、ノーミスで走りきりました。そしてシモン・パジュノーが任務を完璧にこなしてトップでフィニッシュ、プジョー908はスパ-フランコルシャン、イモラに次ぐシーズン3度目の勝利をあげたのです。プジョー8号車もすばらしい締めくくりとなりました。ステファン・サラザンとフランク・モンタニーは代わる代わるしっかりとしたペースを刻み、総合8位にまで浮上、プジョーに貴重なマニュファクチャラーズポイントをもたらしたのです。
次のラウンドはプチ・ル・マン(USA)
次はロード・アトランタ(アメリカ、ジョージア州)です。ILMC第6戦、そして最後から2戦目となる次回には3台のプジョーが参戦します。ワークスドライバーの組み合わせは7号車 アンソニー・デイビッドソン/セバスチャン・ブルデー/シモン・パジュノー8号車 フランク・モンタニー/ステファン・サラザン/アレクサンダー・ウルツチーム・オレカ・マットミュットのプジョー908 HDi FAPはいつものニコラ・ラピエールに加えてニコラ・ミナシアン、マルク・ヘネの二人のワークスドライバーを迎えます。
ドライバーのコメント
ブルーノ・ファミン、プジョー・スポール・テクニカル・ディレクター
「出足のデッドヒートは激しかったですが、それは織り込み済み。レース中の事故はビックリしました。バトルが激しいときには仕方がないですね。今回の勝利はこの夏のプライベートテストでの調整に負うところが大きいですね、特にミシュランとの共同作業がね。ウォームアップを除けば、今回のプラクティス・セッション3回すべてでトップとなりました。抜群に速いマシンを、ドライバーたちが非常にうまく乗りこなしてくれています。レースは僅差で上位に大きな差はありませんでした。チャンピオンシップへ向けてリードを広げることができ、今回の目標は達成です」
セバスチャン・ブルデー、プジョー908 7号車
「今シーズン、僕が乗ったレースではイモラに次いで2 度目の勝利だ。すばらしいレースだったけど、タフで激しい争いだったね。本気で狙いにいったよ。僕たちはノーミスだったけど、相手はミスがあったね。これはチームの勝利だ。このためにみんなで頑張ってきたんだから。僕は必要なときにプッシュし、シモンは任務をパーフェクトに遂行したよ」
シモン・パジュノー、プジョー908 7号車
「プジョーにとっても僕らにとってもパーフェクトな週末だった。ポール・トゥ・フィニッシュだからね。目標はすべて達成だ。数日前までは僕が走るのかどうか未確定だったから、特別うれしい。ここでは初めてのレースだしね。アンソニー・デイビッドソンに感謝を捧げたい。これは彼のレースだから。この週末、ずっと一緒にいてアドバイスをしてくれた。この勝利はチーム全員の、そして僕たちのパートナー全員の勝利だ。ドライバーはしっかりつながった鎖の輪、しっかり仕事を仕上げるのが役目、それがちゃんとできてうれしいよ」
ステファン・サラザン、プジョー908 8号車
「スタート時の事故から追いついて、できるだけのポイントを稼ごうと必死で走った。今回もプジョー908の強さが証明されたね。プジョーはとにかく他のマシンより速かったから勝った。チームとしていい結果だったよ」
フランク・モンタニー、プジョー908 8号車
「プジョーが優勝したこと、それが大事だ。僕のクラッシュはもっと深刻な結果になってもおかしくなかったけど、チームがすばやくダメージを直してくれた。それからペースを維持しつつも何とか挽回しようと頑張ったよ」
【最終結果】
1位 Peugeot 908 7号車(ブルデー/パジュノー) 190 周(6 時間00 分13 秒255)
2位 Audi R18 1号車(Bernhard/Fässler) + 1 分29 秒763
3位 Oak Pescarolo 24号車(Nicolet/Premat/Pla) + 5 周
4位 Lola Toyota 13号車(Bellichi/Boullion) + 5 周
8位 Peugeot 908 8号車(サラザン/モンタニー) + 9 周
プジョー・シトロエン・ジャポンでは、今後もプジョー・スポールの活躍を発信して参ります。