更新日: 2018.02.23 15:35
琢磨「マルコの青旗無視はまったく理解できない」
第9、10戦 ヒューストン
繰り返された悪夢
昨シーズン終盤に開催されたヒューストン市街地コースでの一戦は、今年は初夏の時期に日程が早められたものの、佐藤琢磨と、ここをホームグランドとするAJフォイト・レーシングにとっては、昨年とほとんど変わらない展開となった。すなわち、トップクラスの速さを示しながらも、運には徹底的に見放されたのである。
今回、琢磨はウェットレースで首位に立つと、後続を大きく引き離していったが、マルコ・アンドレッティの執拗なブロックに行く手を阻まれてしまう。この行為により、アンドレッティには罰金と保護観察の処分が科せられることとなった。これに続くピットストップで2番手に後退したものの、優勝する可能性を大きく残していた琢磨は、周回遅れのミハイル・アレシンによってそのチャンスを奪われたのだ。
ヒューストンでの琢磨は滑り出しから好調で、金曜日のフリープラクティスでは好タイムをマーク。続く予選でも最初のふたつのセグメントをトップで通過し、最終セグメントのファイアストン・ファスト6では昨年に続くポールポジションを獲得することが期待された。
「僕たちには昨年まとめあげた良好なベースセットアップがあって、予選に向けては強力なパッケージを手に入れていました」と琢磨。「レースでのペースは期待したほどではありませんでしたが、それでも好調を保っていました。もっとも、今年はタイアが変わっていたので、昨年のセットアップをそのまま使えるわけではありません。けれども、市街地サーキットにはうまく対応することができました」
「今回はダブルヘッダーレースだったので、土曜日はいきなり予選を戦うことになります。最初と2番目のセグメントでは僕たちはトップに立っていました。予選の戦いはものすごく厳しいもので、非常に僅差でしたが、結果はとても勇気づけられるものでした。2年連続でポールポジションを獲得する自信がありました」
「でも、ファイアストン・ファイアストン6では期待したような結果を得られませんでした。週末を通じて使用できるレッドタイアは3セットだけです。もちろん、土曜日の予選で3セットを全部使うこともできますが、どのドライバーも日曜日のためにニュータイアを1セット残しておきたいと考えていました。このため土曜日は最初のセグメントでニュータイアを投入、2回目のセグメントで2セット目のニュータイアを使い、第3セグメントでは第2セグメントで使ったタイアをそのまま使用するという手法が一般的になっています。そうすれば、第3セグメントでもウォームアップされた状態のタイアを使うことができるからです」