更新日: 2018.02.23 16:47
琢磨「勝てる自信があっただけに、悔しい幕切れ」
目前に見えたキャリア2勝目
第11戦 フォンタナ
カリフォルニアのフォンタナ・スピードウェイで繰り広げられていたアイゾッド・インディカー・シリーズの500マイル・レースが残り10周、つまり20マイル(約32km)となったとき、佐藤琢磨は優勝に向けてひた走っていた。琢磨が乗るNo.14 AJフォイト・レーシング・ダラーラ・ホンダは、全ドライバーのなかでのファステストラップを記録したことからもわかるとおり、ほかのどのマシーンよりも速く、ライバルたちをどこでも追い越すことができた。インディカーでの2勝目は目前に迫っていたのだ。
ところが、250ラップのレースの241ラップ目に歯車が狂う。イン側のスコット・ディクソンと、アウト側のウィル・パワーに挟まれる格好となったのだ。そして琢磨とパワーはコントロールを失ってウォールに接触。この瞬間、ふたりの希望も露と消えたのである。
「本当にエキサイティングでした」と琢磨。「僕たちには勝てるマシーンがありました。しかも、周回遅れからラップバックし、猛烈に追い上げるレースでした。すんでのところで勝てそうだったのに、それは実現しませんでした」
金曜日に行われたフリープラクティスから琢磨は好調だった。「昨年も、僕たちはコンペティティブで、予選から力強く戦うことができました。でも、今年はもちろん新しいエアロパッケージを使うことになります。そして、どの空力セッティングがベストかは誰にもわかりませんでした。テキサスのパッケージと外観はとてもよく似ていますが、ここではインディのときと同じように、リアディフューザーにサイドウォールを取り付けることが認められていましたので、ダウンフォースの量はずっと大きく、しかもリアウィングのメインプレートは大型のものを使うことができました」
「フリープラクティスでいくつかのテスト・アイテムを試したところ、いい感触を掴めましたが、それでもジェイムズ・ジェイクスがエンジンブロウをさせたために長く赤旗が提示されていたので、すべてが満足のいく展開だったわけではありません。このため、わからない部分を残したまま、僕たちは予選を迎えることとなりました。いずれにしても、強い手応えを感じるプラクティスでした。相対的にいって僕たちのマシーンがコンペティティブなことは明らかでしたが、まだエアロのセットアップが最適化できているとは思えなかったのです」