更新日: 2016.08.25 21:40
野尻「終盤雨が降って、チャンスが巡ってきた」
ARTA NSX CONCEPT-GT
第1戦 岡山 決勝レポート (GT500)
難しい条件下で松浦が追上げ、野尻が攻めた
午前のセッションはウェットコンディションだったが、決勝は雨があがる予報もあったので、バランスの確認を行う予定だった。しかし、赤旗が出てしまったり、イエローフラッグが多かったりで、バランスの確認を取る事が出来ずに決勝のスタートを迎えてしまった。
スタートドライバーは松浦孝亮。スタート時はウェットコンディションだったが、雨は止んでいたので、今後のコンディションの変化にチームは頭を悩ませていた。松浦は慎重にスタートを切り、後方集団でチャンスを伺っていた。スタート直後はタイヤに熱が入りづらくペースが上がらなかったが、5周を過ぎたあたりから徐々にペースアップ。13周目には10番手までポジションを上げる事に成功した。松浦のペースは安定したスピードで、20周目から毎周ひとつずつポジションを上げていき、25周目にはこのレースのファステストラップを記録し、ポジションを5番手まで上げていった。松浦はさらに攻め続け、ルーティンのピットインの時は2番手までポジションを上げて野尻に後半を託した。
野尻は7番手でコースに復帰したが、タイヤが暖まっていなかったのでひとつポジションを落としてしまうが、ペースを徐々に上げていき、49周目には4番手までポジションを回復した。
野尻は初めての500クラスのレースにもかかわらず、トップグループのタイムで周回を重ね、終盤は3番手争いに加わった。ベテラン勢を相手にデッドヒートを展開したが、78周目の1コーナーで3番手のマシンのインを差した際に勢い余ってコースアウト。野尻はすぐにコースに復帰し、5番手までポジションを落としてしまったが、すぐにペースを取り戻し、ひとつポジションを上げて4位でフィニッシュした。
表彰台は逃したものの、今年最初のレースをエキサイティングなレースでポイントを獲得出来たのは大きな収穫だった。
鈴木亜久里監督のコメント
「富士のテストで大きなクラッシュをして、突貫工事でここまで持ってきた割には良い結果が出たと思う。予選はダメだったけど、レースでの2人のドライバーのペースも良かったし、タイヤの選択も良かったので、4位はまずまずの結果じゃないかと思っています。幸先良いスタートを切れたので、2戦目以降もこの状態をキープ出来るようにしたいね」
佐藤真治エンジニアのコメント
「予選の結果から考えたら喜ぶべき結果なのですが、表彰台を狙えたレースだけに、正直な気持ちは悔しいです。最初のスティントは迷わずハードタイヤを選んだのですが、出だしのペースが悪かったのでチョイスを誤ったかと思いました。しかし、ドライバーが踏ん張ってくれてポジションを上げていくという展開になりました。セカンドスティントのタイヤについては孝亮はミディアムを強く推奨してきたので、野尻にはミディアムで行ってもらいましたが、本音は少々不安がありましたが、終盤雨が降ってくれて結果的には正解でした。初戦としては良い結果が出せたと思っています」
松浦孝亮選手のコメント
「ボクのスティントはスタートして苦しいのはわかっていました。そこからの追い上げは狙っていたとおりだったのですが、ピットイン前に雨が降ってきたので作戦を変更しました。それがドンピシャに当たりました。野尻は終盤3番手争いでコースアウトしてしまって表彰台を逃してしまい悔しいですけど、野尻は初めての500だし、良く頑張ったんじゃないかと思っています。チームも富士のテストでクラッシュしたあとに、良い車を作ってくれて、雰囲気も良いので、この状態をキープしてポイントを沢山獲得して、チャンピオン争いに加わっていたいです」
野尻智紀選手のコメント
「ボクが履いたタイヤが孝亮さんより柔らかいタイヤだったので、路面が乾いてきても終盤までタイヤを持たせるためにスティントの序盤はタイヤを労りながら走っていました。ペースを落とさずにタイヤマネージメントしながら走るのは難しかったですが、終盤雨が降ってきたので、チャンスが巡ってきたと思いプッシュしました。3位を狙おうとしてコースアウトしてしまったのはボクのミスですが、あそこで行かなかったらレースじゃないので、頑張りました。やはり500のレースはレベルが高いので、もう少し勉強しなければなりません。また次頑張ります」