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投稿日: 2019.07.01 22:17
更新日: 2019.07.02 00:37

D’station Racing AMR 2019スーパーGT第4戦タイ レースレポート


スーパーGT | D’station Racing AMR 2019スーパーGT第4戦タイ レースレポート

D’station Racing AMR
Race Report – 2019.06.30

優勝を争う戦いを演じるも
最後は悔しい結果に

AUTOBACS SUPER GT 2019 SERIES
Round.4 Thailand

June 29 – 30 2019

Qualify : 3rd
Race : 19th

 ここまで開幕から3戦、アクシデントやトラブルで思うような結果が残せてこなかったD’station Racing AMR。2019年のSUPER GTは第3戦鈴鹿の後、マシンは海を渡りタイはブリーラムにあるチャン・インターナショナル・サーキットに運ばれたが、その間、アストンマーティン・レーシング(AMR)の協力のもと、D’station Vantage GT3はセットアップの大幅な変更に取り組んだ。イギリスで得たデータをもとに持ち込みのセットアップを決めたチームは、大きな手ごたえを得てタイに乗り込んだ。

 6回目の開催となるタイでのレースは直線区間が長く、パワーに優るマシンが得意とするコース。D’station Vantage GT3は性能調整とセットアップの変更もあり、このタイで優れたパフォーマンスが発揮できるマシンに仕上がっていた。準備を経て迎えた6月29日の公式予選日、酷暑のなかでD’station Vantage GT3はさっそく好パフォーマンスを発揮する。ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラから藤井誠暢に交代しながら臨んだ午前の公式練習で、いきなり1分32秒896というベストタイムで2番手につけてみせたのだ。

 セットアップ変更により、タイヤからのインフォメーションも増えたD’station Vantage GT3に対するドライバーの感触は極めて良好。午後の公式予選ではポールポジション獲得も期待できるほどとなった。チームは予選Q1を藤井に託すが、午前の公式練習の勢いそのままに1分33秒187というベストタイムをマークし、4番手につけQ2進出を果たす。

 Q2を担当したオリベイラは、これまでのうっぷんを晴らすかのように会心のアタックを展開するものの、最終コーナー付近で他のマシンに遭遇してしまった。これでわずかにタイムロスしたが、1分32秒111とタイムを伸ばし、見事3番手グリッドを獲得することに成功した。D’station Racing AMRにとっても予選最上位。決勝に向けて期待が高まった。

 迎えた6月30日、現地時間午後3時からの決勝レース。直前のウォームアップでも好調は変わらない。スタートを担当したオリベイラは、序盤ポールスタートの#25 86MCの背後につけ、3番手で周回を重ねていった。オリベイラはタイヤを温存するべく、無理に2番手を狙いにいかない。これには理由があったのだ。

 それは、今回のレースで勝利をつかむべくピット作業時間を減らすというもの。タイヤを温存すればそのチャンスは広がるからだ。オリベイラは16周目、チャンスをうかがい極めてセーフティに#25 86MCをパスすると、2番手につけペースを守る。とはいえそのペースは高く、他車のピットインに合わせトップに浮上した。

 問題はいつピットに入るかだが、コース上ではGT500クラスのアクシデントが起きる。セーフティカーが導入されるかは微妙なところだが、急遽チームはオリベイラを呼び戻し、左側の二輪だけを交換する作業を実施。藤井に交代しD’station Vantage GT3をふたたびコースへと送り出した。直後、セーフティカーが入りタイミングとしては完璧。藤井は2番手でリスタートに賭けた。

 リスタート時、藤井はトップの#56 GT-Rに仕掛けるものの、ふだんはいないはずのラップダウンが藤井の前を阻んでしまう。わずかに失速したタイミングで、加速に優る#10 GT-R、#11 GT-Rが藤井をパスしてしまった。とはいえ、表彰台はすぐそこ。藤井はしっかりと前の#11 GT-Rにくらいつき、あきらめない走りをみせた。

 しかし57周目にまさかの展開が。右リヤタイヤがまさかのトラブルに見舞われてしまったのだ。これで藤井はピットにマシンを戻さざるを得ず、最終的にD’station Vantage GT3は19位でチェッカーを受けることになってしまった。

 藤井、オリベイラ、そしてD’station Racing AMRのチーム全員にとって表彰台を期待していただけに、大いに悔しいレースとなってしまったが、今回得られた手ごたえは今後きっと活きるはずだ。D’station Vantage GT3はシリーズ後半戦の逆襲に挑む。

D'station Vantage GT3
D’station Vantage GT3

D'station Vantage GT3
D’station Vantage GT3
藤井誠暢とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
藤井誠暢とジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ

QUOTE
星野 敏

Satoshi Hoshino Team Principal
走り出しからすごく調子が良く、予選でもオリベイラ選手が素晴らしい走りをみせてくれて3番手につけてくれたので、表彰台を期待していただけにすごく残念な結果となりました。結果論ですが、タイヤのトラブルに見舞われてしまったので、違う戦略の方が良かったかもしれませんが、それはあくまで結果ですからね。今回速さをみせられたとはいえ、ライバルたちにはまだスピードの面で負けている部分もあるので、今後どう速さを磨いていくかが課題だと思っています。今回得られた良い部分を活かして次戦がんばりたいと思っています。応援ありがとうございました。

佐々木主浩
Kazuhiro Sasaki General Manager
終盤のタイヤトラブルの原因がまだ分かりませんが、本当に惜しかったですね。とはいえ、開幕戦から今までの3戦に比べればヴァンテージGT3のポテンシャルも大幅に良くなっていますし、このラウンドでは大いに戦える手ごたえを得ました。何より、結果はともあれ今シーズン初めて完走をすることができました。すごく悔しいですが次戦以降もすごく楽しみですし、いいレースになったのではないでしょうか。ドライバーふたりも暑いなかのレースでしたが、本当によく戦ってくれたと思っています。

武田敏明
Toshiaki Takeda Team Director
レース途中まではすごくいい戦いができていたと思いますし、ピットインのタイミングも良いものでした。終盤も2番手でリスタートに臨みましたが、周回遅れのマシンに引っかかってしまったのは本当に残念でした。それでも表彰台を目指して戦いましたが、最後はタイヤトラブルもあり、終盤は本当にアンラッキーでした。とはいえ今回はパフォーマンスがあるのは確認できたので、もう一度仕切り直してしっかり結果を出せるよう、チーム一丸となって次戦に挑みたいと思っています。

藤井誠暢
Tomonobu Fujii Driver
非常に悔しいレースとなってしまいました。トップのマシンを見据えた戦略を採り、リスタート後に首位を狙っていきましたが、前のマシンに詰まってしまい、ライバルのストレートスピードの前に順位を落としてしまいました。その後はペースが思ったようには上がらず、最後はタイヤトラブルとなってしまいました。今回は速さがありましたが、レースで勝つにはまだ足りない部分もあると思います。次戦は長いレースですし、今回レベルアップしたところを活かし、しっかりとチェッカーまで走りきりたいですね。

ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ
João Paulo de Oliveira Driver
今週はとてもポジティブで、レース序盤からタイヤの状況を見ながら、無理にアタックをしないように気をつけていったんだ。それでもペースは良く、オーバーテイクもすることができた。左側の二輪のみを交換する作戦を採ったけど、この週末はタイヤはずっと良かっただけに、最終的にタイヤトラブルに見舞われたのは信じられないよ。本当に残念だ。次戦に向けてまだクルマを良くしなければいけないし、長いレースだからね。いいリザルトを得なければいけないし、これからも戦い続けるだけだ。

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D'STATION FRESH ANGELSの林紗久羅さんと太田麻美さん
D’STATION FRESH ANGELSの林紗久羅さんと太田麻美さん


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