更新日: 2020.10.27 15:28
アウディジャパン 2020スーパーGT第6戦鈴鹿 レースレポート
スーパーGT第6戦、Audi R8 LMSが今シーズン初優勝
・#21 Audi Team Hitotsuyama、4年ぶりの勝利。予選6位から逆転。
・#33 X Worksは予選27位からスタートし、22位でレースを完走
アウディジャパン株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:フィリップ・ノアック)は、Audi R8 LMSで2020年シーズンのスーパーGT GT300クラスに参戦するカスタマー(プライベート)チームをサポートしています。10月24日(土)〜25日(日)、鈴鹿サーキット(三重県1周5.807m)で2020 スーパーGT第6戦となる『SUZUKA GT 300km RACE』が開催されました。
新型コロナウイルスの影響により、今シーズンは約3カ月遅れの開幕となり、開催するサーキットを、富士スピードウェイ、鈴鹿サーキット、ツインリンクもてぎの3カ所に限定。4戦目までは、感染拡大防止のための措置として無観客でレースが行われてきました。前回5戦目から制限付きながらも観客を迎えて開催しており、今回快晴の鈴鹿サーキットには予選と決勝の両日で約3万人の観客が訪れました。
アウディジャパンとパートナーシップ契約を締結している#21 Audi Team Hitotsuyama。今シーズンはドライバーラインアップ、そしてマシンのカラーリングも赤へと一新。ドライバーはアウディ・スポーツドライバーであるクリストファー・ミース選手と川端伸太朗選手がコンビを組む予定でしたが、新型コロナウィルスの影響によりミース選手の来日がかなわず、今回も近藤翼選手にステアリングが託されました。
一方#33 X Worksは、昨年のスーパーGT GT300クラスをはじめ、スーパー耐久にも参戦する香港国籍のレーシングチームです。人気アニメ『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』とのプロモーションタイアップにより、エヴァンゲリオン初号機をイメージしたカラーを採用。ドライバーは香港人コンビのショウン・トン選手とアレックス・アウ選手です。新型コロナウイルスの影響によりアレックス・アウ選手が入国できず、代役として第5戦に続きベテランの佐々木孝太選手がエントリーしました。
土曜日の予選は、好天に恵まれ気温20度、ドライコンディションでのタイムアタックとなりました。参加車両の多いGT300クラスの予選は、A組、B組のふたつに分かれて行われ、それぞれQ1での上位8台がQ2へと進出するノックダウン方式となっています。今大会では、#21 Audi Team Hitotsuyamaと#33 X Worksの2台ともにA組へと配分。Q1はそれぞれ#21近藤選手と、#33ショウン・トン選手が予選に挑みました。
#21近藤選手は、タイミングを見て4周目にアタックを行い4番手のタイムを記録。Q2進出を果たしました。上位16台で争われるQ2では、#21川端選手が同じく4周目に好タイムをマークし、予選6位となり表彰台を狙える位置からのスタートとなりました。#33ショウン・トン選手はQ1をクリアできず予選27位となりました。
日曜日午後1時、気温22度、2日続きの快晴のもとドライコンディションで決勝レースがスタート。#21 Audi Team Hitotsuyamaのスタートドライバーは近藤選手がつとめました。冷静にスタートを決め、6位のポジションをキープ。4周目に上位のマシンがトラブルでストップし5位へとポジションをアップします。10周目の1コーナーで前をいく#96号車をパスして4位へ。その後は3位を走る#11号車とテール・トゥ・ノーズのバトルが繰り広げられました。
直線でのスピードに優る#11号車に抑え込まれた展開となり、チームは予定より早めのピットインを選択。19周を終えた段階で川端選手へとバトンタッチ。このピットインタイミングの判断が勝敗をわけることになります。川端選手がコースへ復帰後2周目にコースアウトしたマシンのためセーフティカーが導入されました。ここで上位との差がぐっと縮まり、事実上の2位を走行していました。
そして、セーフティカーがあけて2周目の1コーナーでアウトから#6号車をパス、トップへと浮上しました。川端選手はその後約20周、安定した走りで首位をキープし、そのままチェッカーフラッグを受けました。
川端選手、近藤選手、両名にとってスーパーGT初優勝であり、#21 Audi Team Hitotsuyamaにとっては、2016年のツインリンクもてぎ大会以来、4年ぶりの勝利となりました。これによりチームランキングは8位となり、残り2戦のレース展開次第では、さらに大きく順位をあげる可能性を残しています。
一方、#33 X Worksはスタートドライバーを佐々木選手が、第2スティントをショウン・トン選手が走行。着実に周回を重ね、22位でレースを終えています。
#21 Audi Team Hitotsuyama チーム代表 一ツ山亮次氏のコメント
「今シーズンも、レースのペースは悪くないのですが、予選で苦労してなかなか上位を確保できないもどかしい展開が続いていました。今回は練習走行、予選とタイムが出せるようなクルマづくりを狙っていました。その結果、今年最上位グリッドを獲得できたのが勝因のひとつだと思っています。決勝レースの作戦としては、近藤選手にもう少し長く走ってもらう予定でしたが、#11号車に抑えられたことで早めにピットに入れたところ、すぐにセーフティカーが入る展開になり、運にも恵まれました」
「今日はピット作業も完璧でしたし、ふたりのドライバーもミスなく素晴らしいレースができました。近年のGT300はクルマのセットアップ、チームともにレベルが高く、このような状況のなかで優勝できたことをとても誇りに思います。前回のもてぎでの優勝以来、約4年ぶりに勝つことができました。ここまであきらめずやってきて本当に良かったと思っています。この流れで、次も表彰台を狙い、ポイントランキングをあげられるよう頑張ります」
#21 Audi Team Hitotsuyama 川端伸太朗選手のコメント
「今回の予選はハードタイヤを選択したのですが、それにより6番手のタイムを出すことができました。Q2で選んだタイヤがスタートタイヤになるため、まずそれが大きな勝因でした。そしてチームのみなさんのおかげで、前回の鈴鹿よりも劇的にマシンが良い仕上げとなっていて、乗っていて楽しかったです。近藤選手もいい走りをしてくれて、チームとしての戦略もうまくいきました」
「僕のスティントとしては、#6号車をオーバーテイクしてマージンを稼いたあとは、とにかくタイヤをいたわりながら、実は最後の10周くらいは燃料が足りなくて、ガス欠するんじゃないかとヒヤヒヤしていました。本当に勝てて良かったです。次のもてぎは相性がいいサーキットですし、今シーズン、まだチャンスはあると思います」
#21 Audi Team Hitotsuyama 近藤翼選手のコメント
「まだ優勝の実感はないですね。今週はチームがいいクルマに仕上げてくれて、練習走行も調子がよくて、予選ではさらによくて、やはりシングルの位置で決勝レースをスタートできるのはぜんぜん違うなと思います。#96号車をうまくパスして、さらに#11号車を追っている最中は徐々にタイヤも厳しくなってきていたので、あまり無理をしないようにと考えていました」
「今シーズン6戦に参戦して、チーム、川端選手ともレース毎にいいコミュニケーションがとれるようになってきたところで、こうしてチャンスが巡ってくるんだなと実感しています。結果を出せたことはすごく嬉しいです。僕自身も気持ちよく走れましたし、良い週末でした。もてぎは前回のレースでも5位に入賞していますし、結果につながるように頑張ります」
アウディ ジャパンは2016年来、アウディ・スポーツ・カスタマー・レーシング・パーツトレーラーを全国のサーキットに配備してレースに参戦するカスタマーチームをサポートしています。今年も専用のトレーラーにボディ、トランスミッション、エンジン等、レース車検に適合した約2700アイテム、約1万1000点の部品を積載し、いかなるレース展開にも対応できるように体制を整えて、スーパーGT、スーパー耐久、およびTCRジャパンに参戦するチームと共に国内外のサーキットを転戦しています。
次戦、スーパーGT第7戦は、11月7日(土)~8日(日)、ツインリンクもてぎにて開催予定です。