更新日: 2020.12.21 11:33
JMS P.MU/CERUMO・INGING 2020スーパーフォーミュラ第7戦富士 レースレポート
2020 SUPER FORMULA
JMS P.MU/CERUMO・INGING Race Report
第7戦 富士スピードウェイ
気温7度 路面温度10度
◆12月20日(日)予選・決勝
天候:晴れ コース状況:ドライ
#38 石浦宏明 予選12位/決勝12位
#39 坪井翔 予選2位/決勝1位
コロナ過でシーズンの開幕が遅れつつも、関係各所の尽力で全7戦の開催に漕ぎつけたシーズン。岡山大会で坪井、石浦のワン・ツーフィニッシュを決めることができたものの、不運に見舞われることも多く出入りの激しいシーズンとなった2020年も、とうとうその短いシーズンの最終戦を迎えるとなった。
これまでにない真冬の12月下旬の開催と、前ラウンドと同様のタイヤウォーマーを使用するなど、異例のシーズンは最終戦まで異例尽くし。土曜のフリー走行は、走り始め気温は5℃と低く、吐く息も白いなかでのセッション。これまでにないコースコンディションの攻略も含め、シーズン最後の戦いに向け寒くも熱いレースウイークがスタートした。
■公式予選
今回もランキング順で2グループに分け予選を実施。Aグループの石浦からタイムアタックを開始した。ユーズトタイヤでコースコンディションを確認するとニュータイヤに履き替え1周目のウォーミングアップから2周目に照準をあわせる。前戦の鈴鹿ラウンドでは、ニュータイヤを2セット投入するシーンも見られたが、路面温度も低いため、じっくり1セットのタイヤを温めアタックしていく方法がセオリーとなった。そして、1分21秒010の5番手でQ2へ進出となる。
Bグループの坪井もユーズドでコースを確認するとピットへ戻りニュータイヤに履き替える。アタックラップ2周目に照準をあわせ、1分20秒838で3番手とQ1を難なく通過した。
Q2
14台が出走。坪井は、ニュータイヤ計測3周目で1分20秒739をマーク。4番手でQ3へ進出と順調。石浦は、Q2で使用するタイヤが想定より温まっていなく、走行しながら熱を入れることもしたが、それだけでは不充分で、1分21秒287の12番手のタイムとなり残念ながらQ3へ進出ならず。
Q3
8台による10分間のセッションがスタートした。坪井は、セッション開始と共にコースイン。1分19秒989と20秒を切る素晴らしいアタックで2番手とフロントロウを獲得した。ポールポジションの16号車には、わずか0.017秒差という悔しい結果ではあったが、とても“乗れている”今季の坪井を象徴する速さを最終戦でも魅せ付けた。
■決勝
低温のため、フォーメーションラップが2周設けられ、そののちグリッドにつくと坪井は得意のスタートを決め、1コーナーをトップで通過。ロングに不安を残していたという坪井だったが前は譲らずに快走。しかし、2位の50号車とは約1秒のギャップとなかなか後続との差を広げることができない。
12番手スタートとなった石浦は、こちらもスタートをうまく決め1周目で8番手まで4つポジションを上げた。チームの戦略として、SCが入ったときのことを考えピットに2台同時に入ることを避けたく、今回は石浦が先に入るという作戦。10周でルーティンのピット作業に向かうクルマもあり、石浦は11周でピットに向かう。
ここで残念ながら、左リヤタイヤの交換がうまくいかず、20秒以上のタイムロス。15番手でコース復帰と大きくポジションを落とした。その後17周で14番手、22周で14号車を捕らえるなどして13番手。全車ピットインの30周の時点で12番手となり、そのまま10周を走り切り12位でチェッカーを受けた。
坪井は、2位の50号車が早めの16周でピットに向かった為、インカットされることを避け、相手に合わせ翌周の17周でピットに向かった。4位でコース復帰させることに成功、ピット作業も完璧だった。
その後、トップを走っていたピット未消化の1号車と2位につける坪井との差は最大で約30秒。それ以上は離されることなく頑張る坪井。30周を終えようやく1号車がピットに向かい、全車ピットイン後に再び首位を奪還した。その後、2位に上がった65号車の猛追を受けるも、相手がオーバーテイクシステムを使い切っていることも確認しながら走行。0.687秒差と詰められはしたものの落ち着いて逃げ切り、今季2勝目を挙げた。
ドライバーズランキングは、坪井が3位、石浦10位。チーム初のワン・ツーフィニッシュ、坪井は今シーズン唯一の2勝を挙げるという快挙を含め、チームランキングを2位で終えた。
また、シーズン後半は来季に活かせる戦績を残すことができたことで、再びチーム力を上げ、タイトルを獲得できるよう頑張りたい。2020年もJMS P.MU/CERUMO・INGINGへの応援、ありがとうございました!
■コメント
#38 石浦宏明
「予選では、タイヤの準備が不十分だったこともありQ2で終えてしまいました。しかしペースは良さそうなので、決勝を追い上げようと思っていました。決勝ではスタートが決まり8位に上がり、前のクルマを狙ってと思ったのですが、坪井選手の作戦と分けないといけないので、ピットに早めに入りました。しかしピット作業のミスがあり20秒以上ロスしてしまいました」
「しかし、レースは諦めずに最後まで頑張りました。チームとしては、坪井選手のほうがピット作業もうまくいき優勝して、自分としては悔しい面もありますが、良い結果で終われて良かったと思っています。坪井選手の2勝に比べれば少しにはなりますが、チームランキング2位に貢献できたのではと思っています。来年ピットの位置が前の方へ戻れそうですし、坪井選手おめでとうという素直な気持ちですので、終わりよければ…という感じです。今シーズンも応援ありがとうございました」
#39 坪井翔
「練習から予選は4~5番手という位置かなと思いつつホンダ勢が速いので、目標はQ3へ、そして平川選手より前のトヨタ勢トップになりたいという気持ちで臨みました。悔しい2位でしたが、ホンダ勢に割って入れて自分のパフォーマンスを発揮できて良い予選でした」
「決勝は、ロングに不安要素を抱えていて心配でしたがいくしかないという気持ちもあり、またスタートが得意なので、トップにいければ主導権を握れると思い集中していきました。スタートでトップにいけたので、そこがハイライトだったかなと思います。松下選手の方がストレートが速かったので、SCの想定と松下選手の様子を見ながらピットへも動きました。その作戦もうまくいったと思います」
「後半、2位に上がった大湯選手がものすごい勢いで来たのは想定外でしたが、オーバーテイクシステムが無かったのと、富士のポイントは良く知っているので、そこを冷静に処理したことが勝因となりました。岡山での優勝よりもとてもうれしかったです。今季2勝もでき、来季は自分に自信を持ってチャンピオンを獲得できるよう頑張ります。」
立川祐路監督
「今シーズン最後のレースで優勝でき、良いカタチで締めくくれて良かったです。ピット作業のミスもありましたが、戦略的にはうまくいき来年につながるレースになったと思います。今年一年を考えると、岡山はワン・ツー、今回で2勝目も挙げ確かに良かったですが、落としているレースもありもったいなかったですね」
「坪井が勝てる力を持っていることを証明できたので、来年はチャンピオン争いをしてもらいたいし、チームとしてもサポートをできる体制をきちんと作っていき、久しぶりのチャンピオンにむけて挑みたいなと思います。一年間、応援ありがとうございました」