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投稿日: 2021.03.31 18:13
更新日: 2021.03.31 18:31

LMcorsa 2021スーパーGT公式テスト富士 テストレポート


スーパーGT | LMcorsa 2021スーパーGT公式テスト富士 テストレポート

S-GT2021 OFFICIAL TEST2 FSW
LMcorsa REPORT
#60 SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT

2日間の公式テストで計150周以上を走行し、想定していたタイヤテストやセットアップなど多くの課題を消化。新車への理解度を深めて開幕戦に臨む

 3月13日(土)~14日(日)に岡山国際サーキットで開催された公式テストでスタートしたAUTOBACS SUPER GT 2021 SERIES。2月中からメーカーテストなどで各チームの活動は始まっていたが、スーパーGTに参戦するほぼすべてのマシンが出揃った公式テストからがシーズンの幕開けになる。

 今季からGR Supra GTにマシンをチェンジしたLMcorsaは、2月末に岡山国際サーキットで新車のシェイクダウンテストを実施し、1週間後に控えていた1回目の公式テストに臨んだ。2日間の公式テストでは初期トラブルが発生したものの走行距離を稼ぎ、多くのデータを持ち帰ることとなった。

 そして、岡山国際サーキットでの公式テストから1週間のインターバルを経て、3月27日(土)~28日(日)に富士スピードウェイで2回目の公式テストが実施された。当初の予定では、2日間ともに2時間の走行セッションが2本用意されていて、計8時間のテストとなっていた。だが、28日は雨の天気予報が出ていたために、27日の1本目と2本目のテストはともに30分延長され、2時間半のセッションとなった。

 今回の公式テストはグランドスタンドやコースサイドでの観戦が可能な有観客での開催となり、関東圏では久しぶりに観客の前での走行となった。天候は曇りでときどき陽が差し込むこともあり、気温は13℃で路面温度は20℃後半と3月末にしては暖かい気候となった。

 セッション1は予定通りの10時からスタート。まわりのマシンは周回を重ねていくが、SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTはピットに留まる時間が長くなる。メカニカルトラブルが発生していて解消に時間を要したが、30分ほど経過するとコースインし走行を開始。吉本大樹選手がマシンのチェックや富士スピードウェイに対して追加されたパーツの確認などを行っていく。GT300規定で製作したGR Supra GTはチームが独自に手を加えられる範囲が広く、サーキットに合わせて仕様変更が可能だ。エンジニアやメカニックを育成することもLMcorsaの役割のひとつで、GR Supra GTは、その使命にふさわしいマシンとなる。

 メカニカルトラブルが発生したためにセッション1は、前半を吉本選手が、後半を河野駿佑選手がステアリングを握って計39周を走行。冒頭の30分のタイムロスはあったが想定していたテストメニューの一部は消化でき、ベストタイムは1分37秒674をマーク。GT300クラスの28台中19位の結果となった。

2021スーパーGT富士公式テスト SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)
2021スーパーGT富士公式テスト SYNTIUM LMcorsa GR Supra GT(吉本大樹/河野駿佑)

 昼休みを挟んで実施されたセッション2は、14時から16時30分までの予定で、最後の20分はGT500クラスとGT300クラスの専有走行枠が設けられていた。セッション1と同様にまずは吉本選手がSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTに乗り込む。マシンとタイヤの状況を確認するために、3周~5周ほど周回してピットインとアウトを繰り返す。

 セッション開始から2時間は吉本選手が確認作業を続け、専有走行がスタートする前に河野選手にドライバーチェンジを行う。河野選手は専有走行のタイミングでベストタイムとなる1分37秒617をマーク。セッション2は、ふたりのドライバーが計50周を走行し、ベストタイムはGT300クラスの28台中16位となった。

 テスト2日目となる28日(日)は、天気予報通りで朝から雨が降っていた。だが路面を濡らす程度の雨となる。セッション3は、9時30分から11時45分の2時間15分に亘って実施された。セッションスタートの時点でウエット宣言が出されたため、レインタイヤを装着しての走行が可能となった。SYNTIUM LMcorsa GR Supra GTには河野選手が乗り込み、全車が参加するセーフティカー訓練を挟んで11周を走行。

 続けて吉本選手が乗り込んでコースインすると、数周して再びピットに戻り河野選手に交代。ふたりのドライバーが順番にSYNTIUM LMcorsa GR Supra GTに乗った。心配されていた雨はセッション中盤で止み、後半はスリックタイヤでのテストとなった。結果はふたりのドライバーで計36周を走行し、1分37秒873のベストタイムでGT300クラスの28台中4位のリザルトとなった。

 約2時間のインターバルを経て14時からスタートしたセッション4は、15時までの1時間で実施された。開始からすぐに雨が降ったものの、ウエットコンディションにはならず最後のセッションもスリックタイヤを履いてのテストとなった。セッション4は河野選手のみのドライビングで、GT300クラスのマシンで最多周回となる計29周を走行。ロングランの性能確認を中心としたメニューを消化し、ベストタイムは1分38秒424で21位の結果となった。

 2週間後に迫ったスーパーGTの開幕戦に向けて残された時間は少ないが、チームは2回の公式テストで得られたデータをもとに、新車のGR Supra GTのポテンシャルを引き出す作業を続ける。

■コメント
吉本大樹選手

「セッション1ではメカニカルトラブルによって30分ほどロスしましたが、それ以外は順調にテストを終えました。前回の公式テスト後に試作したパーツや新しいセットアップの確認、タイヤテストなど多くの課題をこなすことができました。良い部分や効果的なパーツなども判明しましたし、開幕戦に向けて良い準備はできています。ただ、GT300規程は無限に手を付けるところがあるので、ゴールはないと思っています。いかに良い材料を揃えてレースを行えるか、チームと様々なシチュエーションを想定して準備を進めていきたいです」

河野駿佑選手

「持ち込みのパーツやセットアップの確認は吉本選手が中心に担当し、私もチェックで乗りました。セッション1より2、セッション2より3と段々とマシンが決まっていき、良い方向に進んでいると思います。2月末のシェイクダウンテストから比べると大幅な進化を体感しています。2日目はウエットの予報でしたが、ほぼドライで初日にはできなかったことを確認しました。レインタイヤも数周履いたのですが、短かったのでどのくらいのポジションにいるのかは分かりませんでした。全体を通して開幕戦へは期待感が高いので、この進化をさらに遂げられるようにしたいです」


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