muta Racing INGING 2021スーパーGT第3戦鈴鹿 決勝レポート
SUPER GT
第3戦
FUJINAMI GROUP SUZUKA GT 300KM RACE
鈴鹿サーキット
決勝:8月22日
天候:曇り
コース状況:ドライ
決勝:9位
2021年SUPER GTシリーズ第3戦は、8月22日に鈴鹿サーキットにおいて決勝レースが行われた。1万人を超えるファンが真夏のレースを楽しもうと朝早くからサーキットに訪れた。蒸し暑い曇天で天候の崩れが心配されたが、レース終盤に一時的に降雨に見舞われたものの混乱は起きずに進行。しかしmuta Racing Lotus MCは苦しいレース展開となる。
決勝日の気温は30℃近くまで上がり、湿度が高く蒸し暑い日となった。決勝の前、13時10分から20分間のウォームアップ走行が行われ、トップタイムから1秒755差ながら9番手につけた。このセッション終盤には1台の車両が130Rで激しいクラッシュを喫し、この車両の排除作業等で決勝レースの進行は10分遅れることとなった。
車両がグリッドに着いた時点では晴れていたが、やがて雲が多く出て薄曇りとなった鈴鹿。ドライ路面、気温30℃、路面温度39℃というコンディションの14時48分にシグナルがグリーンとなりレースがスタートした。7番手スタートの加藤は、5台による5位争いのグループの中で前の車両を抜きあぐねいていたところ、6周目にシケインでクラッシュした車両があり、いきなりFCY(フルコースイエロー)、そしてセーフティカー(SC)が導入された。
11周完了でリスタートとなったが、加藤のペースはなかなか上がらず13周目に1台にかわされ8位へ順位を落とした。そして前回のもてぎとは逆に18周で早めのピットイン。ここで阪口に交代し、タイヤを交換せずにコースへ送り出した。
阪口は20位でコースに戻り、ピットイン前の時点で加藤の前を走行していた3台の車両をかわし、ドライバー交代を終えた車両の中では4番手となった。しかし前を走行する61号車BRZに引っかかったこともあり、なかなか思うようにペースが上げられず、また抜き去ることもできない状態となった。ここへ後方からペースの速い車両に追いつかれ、厳しい展開となった。
34周ですべての車両がルーティーンのピットインを済ませると、阪口は7位を走行。翌周には8位に順位を落とすが、ほぼ61号車BRZの背後を走っている状態となった。終盤にはペースの速い車両2台に抜かれポジションを10位まで落としてしまったが、ファイナルラップのスプーンカーブで阪口はついに61号車BRZを捕らえ、9位に順位を上げてチェッカー。第2戦以降3戦連続で入賞し貴重な2ポイントを加算した。
第5戦は9月11〜12日に、2年ぶりの開催となるスポーツランドSUGOにおいて開催される。
加藤寛規
「スタートしてすぐにペースが上がらず、これは前の車両についていくのがやっとだろうなと思いました。セーフティカーが解除になってからもペースもフィーリングも変わりませんでした。前との差が開かないうちにということで早めの18周でピットインをして交代しました。そんな苦しい展開でもポイントを取ることができましたし、チーム力が上がっているんだろうなと思います。ミーティングや走行中の無線でお互い情報交換をしていくことでコミュニケーションが取れていることは非常に良いと思います。次のSUGOやオートポリスでは何とかしたいと思います」
阪口良平
「61号車BRZに引っかかったこともあり、後続との距離が早く縮まったので、FIA GT3勢からの追いつかれ方がすごいと感じました。後ろから何度も押されたりして厳しい展開でした。ずっと61号車に押さえられてストレスもたまっていたので、最後はスプーンの1個目の立ち上がりで角度を変えて2個目でかわしました。開幕戦も当てられるまでは入賞圏内を走っていましたし、第2戦からは全戦でポイントを取れています。今回も苦しい中でポイントが取れたのはチーム力が上がっている証拠だと思います」
渡邊信太郎チーフエンジニア
「今回は初めて使うタイヤだったのですが、かなり苦しいレースになりました。もう少しアベレージスピードが良いかなと思いましたが、良平選手のスティントは厳しいものになりました。それでも最後は頑張ってくれましたね。ピットインを早めに行ったのは、例年鈴鹿のレースでは100%セーフティカーが出ているからです。序盤から逃げる展開をしていてもセーフティカーでマージンが一気になくなりますから。それに鈴鹿は1周が長いのでアクシデントですぐにピットインということがしにくいです。今回はタイトル争いをしているライバル勢の中で56号車GT-R以外ノーポイントだったということが、私たちにとっては良かったですね」