更新日: 2022.10.17 19:11
TGR WRCチャレンジ2期生の3選手がフィンランドラリー選手権に出場。大竹がクラス5位フィニッシュ
TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムの2期生、大竹直生、小暮ひかる、山本雄紀が、10月1日(土)に行われたフィンランドラリー選手権第7戦『O.K. Auto-Ralli』に参戦し、大竹がクラス5位、小暮が7位でフィニッシュ。山本はマシントラブルによりリタイアとなりました。
2022年のフィンランドラリー選手権の最終戦でもあった本ラリーは、フィンランドの南東に位置するコウヴォラを舞台に、土曜日1日で、7本のスペシャルステージ(SS)、合計98.02kmで競う高速のグラベルラリーです。3選手がフィンランドの秋のラリーに参戦するのは初めて。ラリー前に降った激しい雨の影響でグリップレベルが変わり続ける路面に直面することとなりました。
今回の目標は、競争の激しいフィンランド選手権のSM4クラスで選手たちがすでに得てきた経験とスピードをベースに、より安定した走りをすることでした。
ミッケリで行われた前回のフィンランド選手権ですでに表彰台に立った大竹・サルミネン組は、最初のステージでクラス2位のタイムを出すと、その後も順調にステージを重ね、トップの選手と58.9秒差の5位でラリーを終えました。また、小暮・ルフティネン組もステージ上で良い成長を見せ、クラス7位でラリーを終えました。
一方、SS3終了時点でクラス5位の大竹・サルミネン組に次いでクラス6位につけていた山本・テイスコネン組はSS4でテクニカルトラブルが発生し、リタイアを余儀なくされました。山本はミッケリに続き不運なリタイアとなりましたが、SS3ではトップと2.5秒差のクラス3位のタイムを記録し、スピードと自信を得ることができました。
■コメント
●小暮ひかる
「今回はこれまでで一番良いパフォーマンスができたと感じています。順位としてはそれほど良くありませんでしたが、フィーリングは良く、スムーズなドライビングができました。どのステージも非常に高速で、タイヤ選択やクルマのセッティング、ペースノートの内容といったことがタイムに影響し、大きな違いを生むラリーでした。とてもチャレンジングなラリーでしたが、また新しい経験ができたことを嬉しく思っています。泥が多くて高速の路面を経験したことで、今後、よりセッティングとタイヤ選択に注意をしなければならないと学びました」
●大竹直生
「今回は良いタイムを出すことを目標にしていて、それが最初のステージからできたのでよかったです。今回一番難しかったのは路面コンディションでした。朝は泥が多くて滑りやすく、その後はかなり荒れた路面になり、状況を判断するのが大変でした。今年フィンランドで参戦したラリーを通して、ペースノートについてたくさん学びました。今後に向けて、さらに改善をしていきます」
●山本雄紀
「自分にとってはこれまでで一番難しいラリーでした。朝は少しナーバスになりながらプッシュしたので、最初の2ステージはリラックスして運転できずタイムもあまり良くありませんでした。それでドライビングスタイルを変えて落ち着こうとしたところ、SS3ではフィーリングもタイムもずっと良くなりました。残念ながら次のSS4でトラブルが発生しリタイアとなりましたが、多くのことを学ぶことができました。今回からセットアップとタイヤ選択について自分の意見を言うようになり、ロードセクションでも変更を加えたのですが、それがうまく行ったのはポジティブな面でした」
●ミッコ・ヒルボネン(チーフインストラクター)
「今回のアプローチはこれまでとは少し変え、経験を得ることだけに留めませんでした。3選手はすでにフィンランドで数戦の経験があり、彼らのペースはわかっていたので、今回は最初から最後までより安定した走りを望みました。彼らがどのように対応するか、ある意味少しプレッシャーを与えました」
「大竹がクラス5位に入り、良いタイムも出すことができたのはよかったですし、小暮も安定してSSを重ねるたびに改善し、最終ステージではひとつ前の選手を逆転できたのもよかったです。山本も良いタイムを出していましたが、彼の車両にはまたトラブルが発生してしまいました」
「フィンランドのこのクラスはレベルがとても高く、常に上位タイムを出すのは簡単ではありませんが、どのステージでもよいタイムを出せるようになることが今後の目標です。彼らのドライビングは決して悪くないのですが、一貫性というところでまだ少し足りていないものがあります。今回選手に少しプレッシャーを与えましたが、気負いすぎることなくうまくコントロールできていました。全体としては堅実なパフォーマンスだったと言えますが、まだまだ改善は必要です」