更新日: 2023.08.06 01:04
TGR TEAM ZENT CERUMO 2023スーパーGT第4戦富士 予選レポート
2023 AUTOBACS SUPER GT Report
FUJI GT 450km RACE
第4戦 富士スピードウェイ
ZENT CERUMO GR Supra
#38 立川祐路/石浦宏明
◆8月5日(土) QUALIFY
公式予選結果 7位
2023年のSUPER GTは、鈴鹿サーキットで行われた第3戦から2ヶ月のインターバルを経て、TGR TEAM ZENT CERUMOの地元レースである第4戦を迎えた。そしてこのレースは、チームにとっても大きな意味をもつ一戦となった。1999年から長年チームを支え続けた立川祐路が、7月28日に2023年限りでのSUPER GT引退を発表したのだ。ファンに最後の走りを観て欲しい──そんな思いからこの発表のタイミングとなったが、TGR TEAM ZENT CERUMOがレーシングドライバー立川祐路とともに戦えるレースも、この週末含め5戦となった。
8月4日(金)には、トヨタ自動車佐藤恒治社長をはじめとした関係者、報道陣を集め立川の引退会見も行われた。SUPER GTは自分にとって『人生』と語った立川の最後のシーズンを良いかたちで締めくくるべく、チームはより一層の思いとともに8月5日(土)の予選日を迎えた。
酷暑が続く2023年の夏だが、この予選日も朝から晴天で、気温もグングンと上昇。やや風はあるものの、TGR TEAM ZENT CERUMOのスタッフ、ファン、そしてドライバーたちも大粒の汗を流しながら午前9時からの公式練習に臨んだ。ZENT CERUMO GR Supraは立川がステアリングを握りコースイン。まずはピットアウト〜インを繰り返しながら、21周を走り午後の予選に向けたセットアップを進めていった。このインターバルの2ヶ月で、エンジニアたちが見直してきたセットアップが功を奏し、ZENT CERUMO GR Supraの感触は良好だ。
途中からは石浦宏明がZENT CERUMO GR Supraのコクピットに。終盤にはGT500クラスの専有走行が行われ、石浦はそのタイミングでアタックシミュレーションを行っていくが、いざ石浦がアタックに入ろうかというタイミングで、#39 GR Supraがダンロップコーナーでトラブルのためストップ。セッションはそのまま赤旗で終了となってしまった。
ライバルたちもほとんどがアタックができておらず参考タイムとなったものの、石浦は16周を走り、ZENT CERUMO GR Supraは1分28秒890というベストタイムで3番手で午前の公式練習を終えることになった。その後のFCY訓練やサーキットサファリも活用しながら、午後の予選に向けてセットアップを続けていった。
ピットウォークでは多くのファンにサインをするなど、噛みしめるように立川は予選日を過ごし、午後3時20分からの公式予選を迎えた。Q1から気温30度を超えるなか、まずはQ2の立川に繋ぐべく、アタッカーを務めた石浦はコースイン後タイヤをウォームアップさせていった。
石浦はまずは4周目、1分28秒481を記録し3番手につける。ライバルのタイムアップにともない少しずつポジションが下がっていくが、翌周、さらにZENT CERUMO GR Supraのポテンシャルを解き放った石浦は、1分28秒273へタイムアップ。これで5番手に浮上し、見事Q1突破を果たすことになった。今シーズン、ZENT CERUMO GR SupraがQ2に進出するのは初めてのこと。そしてGR Supra勢で唯一のQ2進出となった。
少しずつ夏の夕暮れが近づくなか、ファン、そしてTOYOTA GAZOO Racing勢の期待を背負いQ2に臨んだ立川は、数々の思い出が残る富士でのラストアタックに入っていった。4周目、1分28秒326というタイムを記録し、その時点での3番手につけたが、今回はライバル勢が速い。少しずつZENT CERUMO GR Supraの順位は下がり、最終的に7番手で終えることになった。
この結果、ZENT CERUMO GR Supraは8月6日(日)の決勝レースを中団から戦うことになった。GR Supra勢最上位から、立川にとって最後の富士でのレースを良いかたちで終えるべく、TGR TEAM ZENT CERUMOは全力で決勝日に臨んでいく。
ドライバー/立川祐路
「僕にとって富士スピードウェイでの最後の予選でしたが、いつもどおり、変わらない気持ちでアタックしました。前戦はわずかにコースアウトしてしまい、タイムが抹消になってしまったりしたこともあったので、今回はきちんと自分の走りをしようとは思っていました。ミスなどはありませんでしたが、欲を言えばもう少し上の順位にいきたかったですね。7番手という順位にはなりましたが、タイム差はすごく僅差ですし、クルマの状態は良いです。明日の決勝レースに向けて勝負ができる感覚はありますし、最後の富士スピードウェイでのレースで、表彰台に乗りたいですね」
ドライバー/石浦宏明
「今回、立川選手の引退発表もあり公式予選では大きな注目を集めていたので少しプレッシャーもありましたが、緊張しすぎても良いことはないですし、クルマの調子が比較的良かったこともあり、楽しもうと思って臨みました。Q1突破はできると思っていましたし、立川選手にしっかりとインフォメーションを伝えられるようにアタックを行いました。とにかくQ2にバトンを繋ごうと思っていたので、それができて良かったです。今回セットアップを大きく変えてきましたが、フィーリングなど自分のドライビングスタイルと合う気がしています。ライバルメーカーが速く、相対的に上位には入ってはいませんが、感触としてはレベルアップしていますし、戦える感触があります。明日のレースも楽しみにしています」
村田淳一監督
「今回のレースに先立ち、立川選手が今シーズン限りの引退を発表しましたが、チームとしてもまだ最後のレースまでは5戦ありますし、最後のシーズンを良い成績で終え、有終の美を飾って欲しいと思っています。まずは今まで以上にトラブル等を起こさないように、セットアップも地道に取り組み、良いかたちで締めくくりたいです。今日については、今季Q1を突破できていなかったなかで、2ヶ月のインターバルの間にエンジニアがしっかりセットアップを見直し、新たなトライをしてたことが奏功し、ドライバーも今までのネガティブな部分が消えてくれている言っています。まわりが速かったこともあり7番手という結果ではありますが、まずまずの結果となったのではないでしょうか。明日は天候がどうなるかは分かりませんが、良い位置にいることはたしかなので、これを無駄にしないようにしたいです。またレースストラテジーも大事になります。昨年までは特殊な状況でしっかり順位を守り、ロスをなくすことができていませんでしたが、それができるチームにしてきたつもりです。正念場のレースなので頑張っていきたいですね」