更新日: 2023.08.27 01:50
LMcorsa 2023スーパーGT第5戦鈴鹿 予選レポート
S-GT2023 rd5 Suzuka QF
LMcorsa REPORT
#60 Syntium LMcorsa GR Supra GT
公式練習の走り出しではセットアップが合わなかったものの、限られた時間のなかで改善させていき予選Q1を吉本選手がグループ5番手で突破すると、河野選手が予選Q2ではさらにタイムを伸ばして6位を獲得
AUTOBACS SUPER GTの第5戦『SUZUKA GT 450km RACE』が8月26日(土)から27日(日)の2日間にわたり鈴鹿サーキットで開催されている。2023年のスーパーGTは年間8戦のシリーズで競われているため、今回の第5戦がシーズンの折り返しとなる。
3週間前に富士スピードウェイで開催された第4戦では、ファイナルラップまで表彰台争いをしていたものの接触を喫して10位となってしまった。ただ、14番手のスタートからの追い上げはチームの士気を上げたことに違いない。今戦の舞台となる鈴鹿サーキットは第3戦でも開催されていて、予選は3位、アクシデントで終盤に中止となったものの決勝レースは7位という結果を残している。
鈴鹿サーキットはSyntium LMcorsa GR Supra GTとの相性も良いとされるコースでもあり、さらにLMcorsaの母体となる大阪トヨペットグループがホームコースしているため、毎戦多くの応援団が駆け付ける。前回の表彰台争いを再び披露するためにチームは試行錯誤を重ねてマシンを作り上げてきた。
迎えた第5戦は公式練習と予選が26日(土)に実施され、27日(日)の決勝レースは第2戦から続いている450kmの長距離で競われることになる。
レースウイークの走り出しとなった公式練習は、予定より5分遅れの9時20分にスタート。まずは吉本大樹選手がSyntium LMcorsa GR Supra GTに乗り込み、マシンのセットアップを確認する。アウトラップから4周を走行するとピットに戻り、今度は予選や決勝レースで装着するタイヤのチェックへ移行した。
前戦の富士スピードウェイでは走り出しから好感触だったものの、アンダーステアが強いという反応が戻ってくる。そのため、ピットインを繰り返してセットアップを調整していく。
吉本選手は19周目にメニューを消化すると河野駿佑選手へバトンタッチ。公式練習の残り時間30分を担うことになった河野選手は決勝レースを想定して周回を重ね、タイヤの摩耗状態やマシンの挙動をチェック。公式練習の最後にはGT300クラスの専有走行時間が設けられていて予選シミュレーションを行うチームもいたが、Syntium LMcorsa GR Supra GTはロングランを中心とした走りで締めくくった。
結果としてベストタイムは吉本選手がマークした2分00秒555で、GT300クラスの25台中11番手となった。
気象データ
気温:33度、路面温度:52度(予選Q1時)
予選
8月の最終週となるがこの週末も残暑が厳しく、鈴鹿サーキットは午前中から30度を超える気候となった。照り付ける日差しも強く、予選Q1の開始前には気温が33度、路面温度が52度まで上昇していてドライバーとマシンには過酷なコンディションとなる。
公式練習ではアンダーステアの傾向が強く、アタックも決勝レースを想定したシミュレーションもバランスの改善が必要になっていた。そのため、予選に向けてチームはセットアップを変更し、予選Q2への進出を目指した。
GT300クラスの予選は今回も2組にわけられていて、LMcorsaはBグループに振り分けられた。上位8台ずつが予選Q2へ進出できる予選Q1は吉本選手が担当する。予定から10分遅れた15時38分にコースインすると、アウトラップと翌周をウォームアップに充てて3周目にアタックを開始。セクター1で全体ベストタイムをマークするが、その後のセクター2でスロー走行する車両に引っかかってしまう。
吉本選手はロスタイムが多いと判断するとアタックを止めて、計測3周目に再度アタックを実施した。タイヤはピークグリップを越していたものの、ミスなくまとめて1分59秒602をマークする。アタックの最適なタイミングを逸したものの、予選Q1のBグループを5番手で通過した。
GT500クラスの予選Q1を挟んで実施されたGT300クラスの予選Q2は、16台が出走しポールポジションを争った。予選Q1を担当した吉本選手のアドバイスによりマシンのセットアップをやや変更して挑んだ予選Q2は、河野選手が担当。アウトラップと翌周でウォームアップを終えると、計測2周目にアタック。セクター1、2はトップ3に遜色ないスピードで駆け抜けると、その後のセクターもミスなく走り1分58秒934をマークする。このタイムを記録した時点では4番手だったが、2台のマシンにタイムを更新されて、結果的には6位となった。
走り出しは好感触とは言えなかったが、それでもドライバーの的確なフィードバックとチーム力で予選を6位で終えた。明日の決勝レースは好位置からのスタートとなるので、表彰台を目指してミスなく走り切ることが目標となる。
飯田章監督
「前戦の富士スピードウェイでは公式練習から好感触というフィードバックでしたが、コースや路面コンディションが変わったことでやや苦戦しました。それでも予選までに合わせ込むことができ、ふたりのドライバーの頑張りもあって6番手を獲得できました。暑さはマシン、ドライバー、チームそれぞれに影響が大きいので何が起こるかわかりません。大変な決勝レースになると思いますが、ミスなく上位に入りたいです。前戦は最終ラップで表彰台を逃してしまったため、今回はその借りを返したいと考えています」
吉本大樹選手
「公式練習の走り出しはコースコンディションと合っておらず、前戦ほどの良い感触がありませんでした。そこで、アンダーステアを減らすセットアップを探っていきました。公式練習では最後までマシンの状況は変わらず、予選前にもセットアップに手を加えたのです。私が担当した予選Q1のときは、路面コンディションの変化もありアンダーステアの傾向が減りました。ただ、アタック周に引っかかり連続アタックが必要となりました。グリップダウンが心配されましたが、何とか予選Q1を突破でき良かったです。決勝レースへは不安要素もありますが、状況を読み切って上位を目指したいです」
河野駿佑選手
「公式練習は後半の約30分を担当して、決勝レースを想定したシミュレーションを行いました。マシンはアンダーステアが強くリアのグリップ感も高くないため、良い状態ではありません。タイムも周回を重ねていくごとに落ちてしまい、改善が必要との判断でした。予選に向けても同様で、いかにアンダーステアの傾向をなくすかをエンジニアとともに考え対策を行ったのです。予選Q1は吉本選手が突破してくれ、予選Q2はミスなくまとめられ6位となりました。予選Q1後に吉本選手のアドバイスにより車両を調整したことも活かされています。明日は6番手から表彰台を狙って走り切れればと思っています」