更新日: 2023.09.25 16:12
OTG Motor Sports 2023FIA-F4第9/10戦 レースレポート
FIA F4選手権2023第9/10戦 スポーツランドSUGO
OTG Motor sports REPORT
FIA-F4 JAPANESE CHAMPIONSHIP(FIA-F4選手権)は、フォーミュラレースの入門カテゴリーとして2015年にシリーズがスタート。若手を育成することが目的の同シリーズに対して、大阪トヨペットグループとダンロップが共同で支援しているのが『FIA-F4 JAPANESE CHALLENGE DRIVER』になる。
2017年から始まったFIA-F4選手権が独自に行うスカラシップ制度になるFIA-F4 JAPANESE CHALLENGE DRIVERは、これまで菅波冬悟選手や伊東黎明選手などが選出されてきて、ともにスーパーGTへステップアップを果たした。今季は、全日本カートで活躍している野澤勇翔選手が選ばれ、OTG Motor sportsから年間を通してFIA-F4選手権に参戦している。
まだ高校生の野澤選手は、JAFの限定ライセンスでFIA-F4選手権に参戦していて、フォーミュラレースも今季が初となる。ここまでの8戦はフォーミュラカーになれるのに時間が掛かっていたが、徐々に潜在能力を示していて今戦での活躍が期待された。
第9戦、第10戦のスポーツランドSUGO大会は、9月16日(土)に予選と第9戦の決勝レース、17日(日)には第10戦の決勝レースを実施。レースウイークの走り始めは14日(木)のダンロップトレーニングで、野澤選手は予選を想定したニュータイヤでのアタックも実施。これまで練習走行では上位陣とのギャップがあったが、今回は15番手のタイムをマークし着実に進化していることを示した。
#80野澤勇翔選手
●予選 9月16日(土)8時00分~8時20分
第9戦 A組10位(総合20位)1分37秒041
第10戦 A組9位(総合18位)1分37秒902
今回の予選も台数が多いため、エントリーした45台が2組にわけられて競われた。野澤選手はA組に振り分けられ、8時からの予選に臨んだ。スポーツランドSUGOは前日から雨が降ったため、予選時は曇り空だったものの路面はウエットコンディションとなる。
一部のマシンは路面が乾くことを想定してスリックタイヤでコースインしたが、野澤選手はレインタイヤでアタック。A組から出走した22台が一斉にコースインすると、複数のマシンがコースオフしてすぐにセッションが中断する。路面は滑りやすくスリックタイヤではコントロールが難しい状況だった。
5分の中断を経て予選は再開すると、計測3周目に1分37秒902、翌周には1分37秒041をマークしてさらにタイムアップを狙ったが、再びクラッシュ車両を回収するために赤旗が提示される。結局、この中断をもってA組の予選は終了し、野澤選手は不完全燃焼のままセッションを終え、ベストタイムで競った第9戦は10位、第10戦は9位となった。結果としてB組との総合順位は第9戦が20位、第10戦が18位で、決勝レースを迎えることとなる。
●第9戦 9月16日(土)13時35分スタート
スタート20位、フィニッシュ15位
B組の予選が始まると路面コンディションは回復していき、第9戦はドライでのレースとなった。17周の決勝レースは、13時35分にスタートする。
20番手からスタートした野澤選手は出足が鈍り1コーナーまでに1台にパスされてしまう。続く2周目の4コーナーでは、直前のマシンが接触するが冷静にアクシデントをかわして19番手に浮上する。このクラッシュによってセーフティカーが導入されて、5周目までセーフティカーランとなった。
リスタートすると野澤選手は15番手争いの集団に加わり、上位のマシンが後退したこともあり8周目には17番手、9周目には16番手までポジションを上げる。終盤の14周目には自己ベストタイムの1分25秒625をマークし、さらにポジションアップを図ったが追い抜くことはできず17周目に16位でチェッカーを受けた。
正式結果では上位のドライバーにペナルティが与えられ15位となり、今季最上位の結果となった。
●第10戦 9月17日(日)8時45分スタート
スタート18位、フィニッシュ15位
9月17日も不安定な天候となり曇天なのだが路面は濡れていたため、第10戦はウエット宣言が出された。レインタイヤを選択することもできるが、チームは路面が乾いていくと判断してスリックタイヤを装着した。
決勝レースは前日と同様の17周で、8時45分にフォーメーションラップがスタートする。18番手からスタートした野澤選手はポジションをキープして1コーナーを通過すると、続く3コーナーでコースオフしたマシンがいたため17番手となる。しかし、序盤は激しいポジション争いとなり2周目に1台、4周目にもう1台に抜かれて19番手まで後退する。
しかし中盤からペースアップを果たした野澤選手は、先行するマシンに迫っていく。7周目と9周目には1台ずつをパスして17番手にポジションを戻すと、11周目と12周目にもポジションを上げて第9戦と同様の15番手まで浮上。
14周目には自己ベストタイムの1分25秒900をマークしさらに追い上げようとしたが、コースオフしたマシンを回収するためにセーフティカーが導入される。このままセーフティカーランは続き、野澤選手は17周目に15位でチェッカーを受けた。
野澤勇翔選手コメント
「前回の鈴鹿サーキットでは練習走行では好調でしたが予選と決勝レースでは、調子を維持することができませんでした。今回は、その反省点などを考えながらレースウイークに入りました。練習走行ではトップとの差も縮まり、予選は上位を狙える感覚がありました。しかし、予選はウエットコンディションとなってしまい満足なアタックができず後方に沈んでしまいます。練習走行は良い感覚だったので非常に残念でした」
「決勝レースは2レースとも追い上げることができポイントは獲得できませんでしたが、トップ10内が見えるところでのフィニッシュでした。決勝レースでの課題としていたバトルでの駆け引きや、ポジションを少しでも上げるということは出来たと思います。残り4戦と少なくなりましたが、次戦では限界値を引き上げて予選で少しでも上位に入っていきます」