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投稿日: 2017.12.02 11:00
更新日: 2017.12.01 18:14

MotoGP:ホンダ育成チームのアジア人ライダーふたりが肌で感じた世界選手権


MotoGP | MotoGP:ホンダ育成チームのアジア人ライダーふたりが肌で感じた世界選手権

 タイ人ライダーのアティラプワパは2014年からアジア・タレントカップに参戦を開始すると、2016年のCEVレプソルインターナショナル選手権Moto3クラスを経てホンダ・チーム・アジアより2017年から世界選手権Moto3クラスに参戦した。第10戦チェコGPでは10位、第15戦日本GPで11位入賞を果たし、また、レインコンディションでの強さを見せてランキング25位でシーズンを終えた。

 アティラプワパは2017年シーズンを「一筋縄ではいかないシーズンだった」と振り返る。

「うまく走れたレースもあれば、厳しいレースもたくさんありました。チームのおかげで、今年はとても多くのことを学べました。なかでも教訓になったのは、悲観的な気持ちでいるとすべてが悪い方に行ってしまう、ということです」

「レースが進んでも全然ポイントを獲得できず、第5戦のル・マンでようやくポイントを獲れて、『自分にもできるんだ』という自信を持つことができました。今から考えれば、最初のころはほかのライダーたちは僕よりもずっと速くて強い選手ばかりだと思い込み、気後れしていたんだと思います」

「でも、シーズンが進んでMoto3のレースに慣れてくると、『僕も彼らと戦えるんだ』という自信を持てるようになりました。だから、自分を信じることはとても大切だと思います」

「ライディングについては、たくさんのことを学びました。速い選手たちを観察し、身体の使い方や動かし方などをかなり勉強にしました。(今年は中団以降でのバトルが多かったので)来年はトップグループで速い選手たちに混ざってバトルをしたいですね」

 また、アジアからヨーロッパへの移動により、時差ボケにも悩まされた。これについては、アティラプワパは独自の解消方法を用いたようだ。

「出国する数日前に、タイにいるときでもヨーロッパ時間で生活するんです。寝る時間と起きる時間を遅くすることで、ヨーロッパに行ったときの時差ボケ解消がかなり楽になりました。食べ物も、今ではヨーロッパの食事に慣れて好きになりましたが、最初のころはわざわざタイから食材を持って行ったりもしていましたよ」

 アジアのライダーはウエットコンディションで速さを発揮することが多いが、アティラプワパも雨のレースでの強さには定評がある。

「おそらく、僕はほかの選手たちと考え方が反対なんだと思います。ドライではまだそんなに速くないのですが、ウエットだとまずまずの走りができます。雨では、楽しく、楽に走れるんです」

「タイやアジア選手権で走っていたころ、ウエットコンディションでのレースを何度も経験しました。タイのレースでは、雨になってもウエットタイヤに交換せず、スリックのままで走るんです。雨が得意な選手はたくさんいて、彼らの走りを観察することで、ウエットで速く走る勉強にもなりました」

 2018年シーズンの目標について「表彰台を獲得したいです。今年は、セッションによってはトップ3の位置を走れたこともありました。だから、来年は上位グループでレースをして、表彰台を獲得したいですね」と語ったアティラプワパ。

 2018年シーズンはチャン・インターナショナル・サーキットでタイGPが開催される。アティラプワパにとって母国でのMotoGPに向けて、まずは序盤からいい流れをつくりたいところだ。


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