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投稿日: 2018.09.18 15:57
更新日: 2018.09.18 16:01

2輪初ハイブリッド搭載の『ホンダPCX HYBRID』はPCX150以上にトルクフル/市販車試乗レポート


MotoGP | 2輪初ハイブリッド搭載の『ホンダPCX HYBRID』はPCX150以上にトルクフル/市販車試乗レポート

 クランク軸右側に直付けされたACGはもともと発電とクランキング(始動) を賄っていたが、これを動力支援に利用し加速アシストに活用してしまおうと言う仕組みだ。125のエンジンは9kW/8500回転の最高出力と12Nm/5000回転の最大トルクを発揮しているが、モーター動力は3000回転時に最大で1.4kWと4.3Nmものパワー&トルクが追加される。

 モーター動力は常にフルパワーがプラスされ続けるわけではないが、単純比較するとトルクで150を凌ぐ領域がある事は間違いない。

 125との比較で体感できるのは、発進時に自動クラッチが締結して走り出すまでのレスポンスが早くなっている。そして加速感はとても元気が良い。125の性能は十分なものであると認識していたが、ハイブリッドは実に活き活きとダッシュできる。150を凌ぐ程の感覚。次の信号まで気分良く交通の流れをリードできる乗り味は痛快だ。

ホンダPCX HYBRIDのメーターにはリチウムイオンバッテリー残量やパワーモードが表示。
ホンダPCX HYBRIDのメーターにはリチウムイオンバッテリー残量やパワーモードが表示。
左側グリップ前部にモード切り替えスイッチを配置。走行中でも「D」「S」「アイドリング」の3モードにシフトできる。
左側グリップ前部にモード切り替えスイッチを配置。走行中でも「D」「S」「アイドリング」の3モードにシフトできる。

 しかもVマチック(無段変速機)のドリブン側がリファインされ、少しエンジン回転を押さえ気味にされ、市街地クルージングが上質になった点も嬉しい。つまりモーターアシストの恩恵は一般的市街地の範囲内で賢く制御(駆使)される。一方高速域では150の敵にはなり得ない。

 なおハイブリッド用ACGは高効率素材が吟味された専用新開発。サイズは共通だが48V対応とした。後席下に定格50.4V 、3.8Ahのリチウムイオン電池を搭載。そして専用のPDU(パワー・ドライブ・ユニット)ですべてが自動制御される。

48Vリチウムイオンバッテリー本体の大きさは電動アシスト自転車のものと同程度で、重量も2.6kgと軽量。据え置きタイプで想定交換サイクルは6~8年とのことだ。
48Vリチウムイオンバッテリー本体の大きさは電動アシスト自転車のものと同程度で、重量も2.6kgと軽量。据え置きタイプで想定交換サイクルは6~8年とのことだ。

 その結果125との比較ではエンジン4000回転時に約33%、5000回転では約22%のトルク向上を実現している。アシストで使用した電力は主にエンジンブレーキ等の回生発電で賢く充電して加速時の電源放出に備えるわけだ。万一主電源が切れた場合は、電装用に搭載の12V鉛バッテリーから始動できるバックアップシステムも備わっていた。

 試乗した印象は正直「素晴らしい!」。欠点は5㎏の重量増と、シート下収納の縮小、そしてコストのみ。パワーの増強にガソリンは使わないので燃費を悪化させる心配も無いのだから俄然、魅力的なのである。

ホンダPCX HYBRIDのシートは、表皮がブラックとグレーのツートーンで、ステッチはブルーとなっている。
ホンダPCX HYBRIDのシートは、表皮がブラックとグレーのツートーンで、ステッチはブルーとなっている。
新型PCXはスマートキーを身に着けていれば簡単にエンジンを始動できる。
新型PCXはスマートキーを身に着けていれば簡単にエンジンを始動できる。
スマートキーの本体はハイブリッド専用カラーのブルーに統一されている。
スマートキーの本体はハイブリッド専用カラーのブルーに統一されている。
PCX HYBRIDのシート下トランクは後ろ半分のスペースにリチウムイオンバッテリーを搭載しているため、通常よりも収納が縮小している。
PCX HYBRIDのシート下トランクは後ろ半分のスペースにリチウムイオンバッテリーを搭載しているため、通常よりも収納が縮小している。
PCX HYBRIDのテールランプのインナーレンズはブルーとなっており、ストップランプ消灯時にブルーの色が見えるデザインとなっている。
PCX HYBRIDのテールランプのインナーレンズはブルーとなっており、ストップランプ消灯時にブルーの色が見えるデザインとなっている。
テールランプ発光状態
テールランプ発光状態


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