更新日: 2022.09.28 10:33
【レースフォーカス】快晴の決勝日に分かれたタイヤ選択。トップ快走のミラーが選んだハードタイヤ/MotoGP第16戦日本GP
2位を獲得したビンダーはミラーの走りについて「今日のジャックは別次元だった。僕をパスすると、彼は本当に、3、4周で見えなくなってしまったよ」と言及した。「もう姿を見ることはないんだろうなと思った」と言うと、左隣に座るミラーがすかさず「僕がクラッシュしたら近づけただろうけどね!」と返し、「たぶんね!」とビンダーも笑う。それから「ジャックには脱帽だよ。信じられない走りだった。来年、彼がチームに加わるのは素晴らしいことだよね」と、未来のチームメイトを素直に称えていた。
そのビンダーは序盤から3番手を走行し、最終ラップで前を走るマルティンをかわして2位を獲得している。ビンダーにとって開幕戦カタールGP以来の表彰台獲得だった。
ビンダーの場合、ミラーとは異なり、金曜日のフリー走行1回目のみならず日曜日朝のウオームアップ走行でもリヤにハードタイヤを履いていなかった。つまり、決勝レースで初めてリヤにハードタイヤを選択して走ったことになる。
「今日はタフな日だった。レース序盤、リヤタイヤでどれだけプッシュできるのかを理解するのに、ちょっと苦労したよ。(今回のレースウイークで)ハードタイヤで走るのが初めてだったからだ。でも、ホルヘやジャックの後ろで走って、どこで僕たちが大きくタイムロスしてるのかよくわかったし、どこで強いのかもわかった。改善が必要なところ、自分のアドバンテージを生かすところを理解したんだ」
「レースが進むにつれ、よくなっていく感じがあった。だから、チームにすごく感謝したいんだ。(今週末)使っていなかったリヤのハードタイヤで行く自信をくれたから」
レッドブルKTMファクトリーレーシングとしても、この日本GPは好成績で締めくくったと言っていいだろう。ビンダーは2位、また、ミゲール・オリベイラも残り3周でマルク・マルケスにかわされたものの5位でレースを終えている。オリベイラは今日のビンダーについて「彼は僕よりセクター2がいい。そこでコンマ数秒の差をつけている。それから、僕は彼よりもコーナー立ち上がりでちょっとロスしている」と説明し、チームメイトを祝福していた。
そして、ビンダーと2位争いを展開したマルティン。残り5周でマルティンとの差を1秒以内に詰めたビンダーは、前を走るマルティンを見て「彼は僕より柔らかいタイヤ(リヤにミディアム)だと思っていたし、ちょっとスピニングしているようだった」ととらえていた。そして実際のところ、マルティンも「残り14周で、ほとんど限界だった」と語っている。
「ブラッドとの差をキープしようとしていたけど、残り3周、2周あたりで追いついてきた。ちょっと残念だよ。2位の方がよかったからね。でも、バルセロナ(第9戦カタルーニャGP)以来となる表彰台に戻ってこられてうれしいよ」
とはいえ、2021年にMotoGPクラスにステップアップしたマルティンにとっては、今回が最高峰クラスで初の日本GP。3位表彰台の結果は上出来と言っていいだろう。