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投稿日: 2023.10.05 17:00
更新日: 2023.10.05 17:34

レプソル・ホンダと共に歩んだマルク・マルケスの11年。その栄光の軌跡を辿る


MotoGP | レプソル・ホンダと共に歩んだマルク・マルケスの11年。その栄光の軌跡を辿る

 しかし、2020年に転機が訪れる。2月20日にはHRCとマルケスが4年間の契約を更新……。しかし、コロナ禍となり開幕が遅れ、ようやくスタートした第2戦スペインGP(MotoGPクラスの開幕戦)で右上腕を骨折。

 すぐに手術を受けて、第3戦アンダルシアGPのメディカルチェックではなんと腕立て伏せを披露。フリー走行に出走するも欠場となる。以降も無理がたたりプレートの破損で再手術するなど復帰が遠のき、その後のレースはすべて欠場となる苦しいシーズンを過ごした。

 レプソル・ホンダ・チームとしては、初年度からマルケスのチームメイトだったダニ・ペドロサが2018年で引退して、後任にホルヘ・ロレンソが2019年に加入したがこちらもこの年で引退。2020年はアレックス・マルケス、2021・2022年はポル・エスパルガロとマルケスなしの同チームはマシンの開発に悩むこととなる。また、テストライダーもステファン・ブラドルが継続しているものの、国内チームは高橋巧と水野涼が海外レースに専念したために、2021年から長島哲太が務めるなどの体制変更もあった。

 2021年の第3戦ポルトガルGPでマルケスはレースに復帰して得意の第8戦ドイツGPで優勝。第15戦アメリカズGP、第16戦エミリア・ロマーニャGPでも勝利したが、ここから表彰台の真ん中に立つことはなくなった。

2021年MotoGP第16戦エミリア・ロマーニャGPで勝利を挙げたマルク・マルケス
2021年MotoGP第16戦エミリア・ロマーニャGPで勝利を挙げたマルク・マルケス

 この後の、オフロードトレーニングの転倒で脳震盪と複視を患ったこと、2022年のシーズン中には4度目の右腕の手術を決断するなどの犠牲を払う。また、ドゥカティ勢の空力パーツや車高調整デバイスの開発も一気に進み、エースのマルケスが不在なこと、ライバルメーカーの進化でレプソル・ホンダ・チームは下位に沈むことになる。

 2022年のマルケスは、空力を新調した第18戦オーストラリアGPで2位表彰台を獲得したのみ。2023年も不振は続き、ホンダ離脱の噂が出るなかで迎えた第14戦日本GP。雨のレースで3位表彰台を獲得した。

日本GPで3位表彰台を獲得したマルケス。ロマンチックなレースだったと語っていたが……
日本GPで3位表彰台を獲得したマルケス。ロマンチックなレースだったと語っていたが……

 しかし、その3日後にHRCと2023年限りで契約の早期終了を決断。11年間過ごしたレプソル・ホンダ・チームを去ることが発表された。2023年シーズンも残り6レース、レプソル・ホンダで戦うマルク・マルケスの活躍に注目したい。


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