更新日: 2017.08.10 10:10
マツダがついに世界初のHCCI、予混合圧縮着火の『SKYACTIV-X』実用化を発表
混合気を圧縮するガソリンエンジンには14.7の理論空燃比が存在し、圧縮比を高めれば高めるほどノッキングの問題が避けられず、一般的にこれまではディーゼルよりも圧縮比を高められないのが常識だった。
しかし、マツダは例外的に低い圧縮比でディーゼルを着火させるスカイアクティブ技術で培った燃焼コントロール技術でこの問題を解決。ディーゼルの冷間時に燃焼温度を助ける目的で導入されるEGR(排気再循環)や、高圧燃料噴射制御などを用いて、これまでにないエンジンレスポンスの良さと、燃費改善目的で装備したエア供給機能を活用し、現行の『SKYACTIV-G』に比べて全域で10%以上、最大30%におよぶ大幅なトルク向上を実現したという。
また、直噴ガソリンにくらべても使用する燃料が減ることとなり、マツダの呼ぶ“スーパーリーン燃焼”によって、エンジン単体の燃費率はSKYACTIV-Gと比べて最大で20~30%程度改善。2008年時点の同一排気量エンジンに対し35~45%の改善と、現在の『SKYACTIV-D』に並ぶ燃費率を達成している。
さらに、走りの気持ちよさとフィーリングにもこだわるマツダらしく、低燃費率領域が極めて広いエンジン特性によるギア比選定の自由度の大幅拡大により、走りと燃費を高次元で両立した、とも謳われる。
2019年時点で、その最新の『SKYACTIV-X』がどの車種に搭載されてデビューするかは未定だが、マツダ社内では現在もある程度の規模で“ロータリー”の技術開発が継続されていることもあり、レシプロでの採用・搭載を経て、その先には“プラグレス”のロータリーエンジンが、2015年の東京モーターショーに展示された流麗なスポーツカー『RX-VISION』の市販モデルに搭載されて復活、という展開が待っているのかもしれない。