更新日: 2016.03.10 20:02
AMG GT3のベース市販車、刺激的加速に衝撃
2月初旬、神奈川県の大磯プリンスホテルと周辺道路において、第36回JAIA輸入車試乗会が開催された。
この試乗会は日本自動車輸入組合(JAIA)が毎年メディアに向けて行なっているイベントで、JAIAへ加盟するインポーター各社の最新モデルを一挙に試乗することで輸入車の魅力を広く伝えてもらおうというもの。今回は『マクラーレン570S』、『メルセデスAMG GT S』といったスーパーカーや『プジョー208GTi by PEUGEOT SPORT』、『ルノー・ルーテシア R.Sトロフィー』というスポーツハッチバック、『smart fortwo』のようなコンパクトカーまで、総勢16社92台もの試乗車が集結した。
数ある試乗車のなかから、AMG GT Sに試乗するチャンスを得たので、ここで軽くインプレッションを。AMG GT Sはご存知のとおり、今シーズンのスーパーGT300クラスにおいてGAINERとGOODSMILE RACING & Team UKYOが新たに投入するFIA-GT3マシン、メルセデスAMG GT3のベース車だ。これまで世界中のGTレース界で活躍してきたSLS AMGの後継車と言っても過言ではなく、いま最も注目されている1台だろう。ロードカーのAMG GT Sはエンジンを6.2リッターから4リッターへとダウンサイジングしたことで大幅な軽量化を実現。総合的な運動性能を向上させている。
いざ実車を前にすると、最高出力510ps、最大トルク66.3㎏・mを発揮するV8ツインターボというエンジンスペックに、まずは驚かされる。しかし乗ってみて、さらにびっくり。これだけの大パワーにもかかわらず怖さや乗りにくさといったネガティブな要素はなく、“フツー”に扱えてしまって、やや拍子抜けしてしまうほど。しかし、さすがはスーパーカー。ひとたびアクセルを踏み込むと印象は激変し、その強烈なパワーと爆発的なトルクによって、あっという間に制限速度を超えてしまいそうになる。まさに刺激的な加速だ。ジェントルな街乗りイメージとレーシングカーばりの高性能の両立、これこそAMG GT Sが持つ最大の魅力と言えるだろう。
昨年はGT300クラスで未勝利に終わったメルセデスユーザー勢。しかし今季は、この完成度の高いAMG GT SがベースのAMG GT3を導入することによって、雪辱を果たしてくれるはずだ。今回はあくまで市販車での感触だが、王者GT-Rも、うかうかしてはいられないかもしれない。