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投稿日: 2021.12.30 14:15
更新日: 2021.12.30 14:27

『トヨタ・カローラクロス』と『ホンダ・ヴェゼル』のHVが本命。国産コンパクトSUV 年始商戦【市販車購入ガイド】


クルマ | 『トヨタ・カローラクロス』と『ホンダ・ヴェゼル』のHVが本命。国産コンパクトSUV 年始商戦【市販車購入ガイド】

■トヨタ・ヤリスクロス

2020年8月31日発表

トヨタ・ヤリスクロス
トヨタ・ヤリスクロス

 トヨタ・カローラクロス、ホンダ・ヴェゼルに続く、国産SUVの注目モデルが、トヨタ・ヤリスクロスだ。ヤリスクロスのボディサイズは、カローラクロスよりもコンパクト。室内空間も相応に狭くなるが、走行関連のメカニズムや装備機能はこちらの方が世代が新しい。

ヤリスクロスは、ヤリスに比べると車両重量は100kg以上重いが、出来の良いパワートレインの恩恵で、軽快な走りはいささかも損なわれていない。
ヤリスクロスは、ヤリスに比べると車両重量は100kg以上重いが、出来の良いパワートレインの恩恵で、軽快な走りはいささかも損なわれていない。

 特にエンジンは、ガソリン車もハイブリッド車も最新のダイナミックフォースエンジンが採用されていることもあって、1.5リッター級とは思えぬほどの優れたパフォーマンスを発揮してくれる。燃費性能は、同クラスの国産SUVとしては圧倒的に優秀。最新のTHS IIが組み合わされるハイブリッド車は30km/L、ガソリン車でも20km/Lに迫る実燃費を叩き出してくれる。

 高速安定性に富んだシャシーが与えられてこともあって、高速走行をまったく苦にしないことも見逃せない特徴だ。人を乗せたり、荷物を積んだりといった日常的な使い勝手は、カローラクロスやヴェゼルには及ばないが、広さはほどほどでもOKというユーザーならば、実燃費でひとクラス上に秀でるヤリスクロスを選んでも後悔することはないだろう。

ヤリスクロスの最大の魅力は、高いレベルの走り。十分な動力性能を持つパワートレインに加えて、優れたシャシーがもたらす走行安定性は上位モデルに迫る実力を持つ。ガソリン車でもヤリスクロスの攻めの走りを十分に体感できるだろう。
ヤリスクロスの最大の魅力は、高いレベルの走り。十分な動力性能を持つパワートレインに加えて、優れたシャシーがもたらす走行安定性は上位モデルに迫る実力を持つ。ガソリン車でもヤリスクロスの攻めの走りを十分に体感できるだろう。

■トヨタ・ヤリスクロス【グレード別購入ガイド】

車両価格帯:179万8000〜281万5000円

 カローラクロスとヴェゼルは、ハイブリッド車が鉄板の選択肢になるが、ヤリスクロスの場合は事情が少々異なる。ガソリン車の1.5リッターエンジンは最新設計のダイナミックフォースエンジンを搭載しているため、他モデルに比べるとハイブリッド車との性能差が少ない。動力性能も燃費性能もガソリン車としてはトップレベルの実力を持つ。

 そんな理由もあって、ガソリン車を選んでもヤリスクロスの魅力は十分味わえる。ガソリン車ならば200万円前後から実用グレード(『X』が189万6000円、『G』が202万円)を狙うことができる。

 より余裕がある動力性能と燃費性能が欲しい場合は、約40万円高でハイブリッド車(『ハイブリッドX』が228万4000円、『ハイブリッドG』が239万4000円)も包囲網だ。

 ヤリスクロスのグレードは、ガソリン車もハイブリッド車も『X』『G』『Z』の3タイプを設定(ガソリン車には、法人向けの『X“Bパッケージ”』もある)。

 トヨタセーフティセンスとディスプレイオーディオは、『X“Bパッケージ”』を除いた主要グレードに標準装着されることは、カローラクロスと同じ。実用重視の向きならば、もっともベーシックな『X』で事足りるのだが、シート素材やトリム類はかなりシンプルな造り。

 車両価格は10万円ほど高くなってしまうが、上級ファブリックシートやディスプレイモニターがサイズアップ(7インチ→8インチ)する『G』をベースに検討するのがオススメだ。

ヤリスクロスのインパネ設計はヤリスを踏襲しているが、メーターデザインやセンターコンソールの意匠は、ヤリスクロス専用デザイン。シート素材やトリムの加飾は、実用車らしくシンプルだ。
ヤリスクロスのインパネ設計はヤリスを踏襲しているが、メーターデザインやセンターコンソールの意匠は、ヤリスクロス専用デザイン。シート素材やトリムの加飾は、実用車らしくシンプルだ。
ヤリスよりも後席空間は広がっているが、上位モデルと比べると少々窮屈な印象を受ける。シートアレンジ性能、快適装備も必要十分な備え。
ヤリスよりも後席空間は広がっているが、上位モデルと比べると少々窮屈な印象を受ける。シートアレンジ性能、快適装備も必要十分な備え。
トヨタ・ヤリスクロスの荷室
トヨタ・ヤリスクロスの荷室

■ダイハツ・ロッキー/トヨタ・ライズ

2021年12月1日 eスマートハイブリッド追加発表

ダイハツ・ロッキー/トヨタ・ライズは直近の改良時に、ハイブリッド車と1.2リッターガソリン車を新設定。これまで以上に燃費性能を求めるニーズに応えるカタチとなった。
ダイハツ・ロッキー/トヨタ・ライズは直近の改良時に、ハイブリッド車と1.2リッターガソリン車を新設定。これまで以上に燃費性能を求めるニーズに応えるカタチとなった。
トヨタ・ライズ
トヨタ・ライズ

 2022年の年始商戦で注目してもらいたい国産SUVがある。それが、2021年12月に商品改良を実施したダイハツ・ロッキー/トヨタ・ライズだ。ダイハツがロッキー、トヨタがライズとブランドごとに併売される格好だが、基本的には内外装が異なる同じモデルと考えていい。

 今回紹介する4台のコンパクトSUVの中では、もっともボディサイズが小さく、パワートレインも最小クラス。同じ土俵で比べるのは少々厳しい面もあるが、商品改良時にハイブリッド車(eスマートハイブリッド)が追加されたことで、格上の3モデルに挑むことができる武器を手に入れた。

 eスマートハイブリッドは、エンジンで発電した電気で駆動モーターを動かす、シリーズ式ハイブリッド。ニッサンのe-POWERと極めて近いシステムと考えていい。

 e-POWERは、電動走行主体の加速の良さや力強い走りで人気を博しているが、ロッキー/ライズのeスマートハイブリッドもかなり近い味付けを持つ。

 安全&運転支援を含めた装備機能は車格なりだが、軽い車両重量のおかげもあって、走りは見た目以上にパワフル。少し燃費に重きを置いた挙動が目立つTHS Ⅱ系のハイブリッド車よりも、こちらの方が好みというユーザーもいるはずだ。

トヨタブランドで販売されるライズ。グレード構成は、ダイハツ・ロッキーと微妙に異なるが、基本的に同じモデルと考えていい。安全運転支援機能は、スマートアシストを搭載している。
トヨタブランドで販売されるライズ。グレード構成は、ダイハツ・ロッキーと微妙に異なるが、基本的に同じモデルと考えていい。安全運転支援機能は、スマートアシストを搭載している。
ハイブリッド車に採用されたeスマートハイブリッドは、3気筒の1.2リッターエンジンとモーターを組み合わせる。アクセルペダルの踏み加減で速度を調整できる機能を持つなど、その内容はニッサンのe-POWERとかなり近いシステムだ。
ハイブリッド車に採用されたeスマートハイブリッドは、3気筒の1.2リッターエンジンとモーターを組み合わせる。アクセルペダルの踏み加減で速度を調整できる機能を持つなど、その内容はニッサンのe-POWERとかなり近いシステムだ。

■ダイハツ・ロッキー/トヨタ・ライズ【グレード別購入ガイド】

車両価格帯(ロッキー):166万7000円〜234万7000円
車両価格帯(ライズ):170万7000円〜232万8000円 

 コンパクトSUVの中でも最小クラスのモデル。2021年11月の商品改良時の目玉はハイブリッド車だが、同時にガソリンのFF車のエンジンも1.0リッターターボから1.2リッターNAに変更された。燃費性能が向上したにも関わらず、従来のターボエンジン車よりもスタート価格は下がっている。

 待望のハイブリッド車が追加されたことで、オススメもハイブリッド車……と言いたいところだが、廉価グレードの『X HEV』でも211万6000円からと、ガソリンのFF車に比べると40万円以上の差がある。

 経済性も重視するモデルだけに、この価格差は少々厳しく感じる人もいるだろう。さらに選べるのがFF車限定ということも、レジャーの足としても使いたい、もしくは寒冷地に居住するユーザーにとっては気になるポイントだ。

 グレード構成はロッキーとライズで微妙に異なるが、ロッキーの場合は1.2リッターNA車(FF車のみ)と1.0リッターターボ車(4WD車のみ)のガソリン車は、『L』『X』『プレミアムG』の3グレード。

 ハイブリッド車(FF車のみ)は、『X HEV』と『プレミアムG HEV』の2グレードが選べる。『L』は装備を削ることで低価格を実現した仕様なので、ひと通りの装備が備わる『X』から上を選ぶのが現実的な選択肢。オススメグレードも『X』だ。

 グレードを『X』で横揃えすると、1.2リッターNA車は205万8000円、1.0リッターターボ車は231万8200円、ハイブリッド車は234万7000円。1.0リッターターボ車が高くなるのは4WD車になるためだ。新設定されたハイブリッド車は性能面では魅力的な選択だが、価格も踏まえたバランスが良いのは、1.2リッターNA車になる。ロッキー/ライズのキャラクターにもピッタリだ。

手に触れる部分の素材感はなかなか高く質感も侮れない、ロッキーのインパネまわり。他のトヨタ系SUVで標準装備のディスプレイオーディオがオプション設定となってしまうのは、残念な部分。
手に触れる部分の素材感はなかなか高く質感も侮れない、ロッキーのインパネまわり。他のトヨタ系SUVで標準装備のディスプレイオーディオがオプション設定となってしまうのは、残念な部分。
スペース効率に優れた室内設計のおかげで、ボディサイズからは想像できないほどの広々とした空間を確保。後席も2名ならばロングドライブもこなせる。
スペース効率に優れた室内設計のおかげで、ボディサイズからは想像できないほどの広々とした空間を確保。後席も2名ならばロングドライブもこなせる。
トヨタ・ライズ『S-Pedal』
トヨタ・ライズ『S-Pedal』
トヨタ・ライズ『ECO走行モード制御』
トヨタ・ライズ『ECO走行モード制御』
トヨタ・ライズ
トヨタ・ライズ


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