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投稿日: 2024.07.31 23:56

TKRI 2024スーパー耐久第3戦オートポリス レースレポート


国内レース他 | TKRI 2024スーパー耐久第3戦オートポリス レースレポート

TKRI

ENEOSスーパー耐久シリーズ2024 Empowered by BRIDGESTONE
第3戦 スーパー耐久レース in オートポリス

2024年7月27日(土)〜7月28日(日) オートポリス(大分県)
入場者数:7月27日:3,500人/7月28日:4,800人

ライバルの速さの前に惜しくも2位
シリーズランキングではトップに浮上

■PRACTICE スポーツ走行/STMO専有走行
7月24日(水)〜26日(金)
天候:晴れ/曇り 路面:ドライ/ウエット

 開幕戦、そして初めての24時間レース挑戦となった第2戦で連続で2位につけたTKRI 松永建設 AMG GT3。ランキングでも2位につけるが、迎えた第3戦は、スーパー耐久参戦以来“初”となる出来事がある一戦となった。というのも、ST-Xクラスのライバルである#1 メルセデスが今回参戦せず、ふだんはライバルであるTKRI代表の片岡龍也が、5年目にして初めて代表としてチームに帯同することになったのだ。ライバル不在、頼もしいチーム代表の参加と、優勝を狙わずにはいられない一戦とも言える。そんなレースに向け、チームは7月24日(水)のスポーツ走行から元嶋佑弥が走行をスタートさせたが、元嶋は翌日、一度サーキットを後にした。

 それというのも、元嶋が愛娘の誕生に立ち合うため。もちろんチームは快く元嶋を送り出し、7月25日(木)の特別スポーツ走行はDAISUKEと中山友貴のふたりで走行。暑さのなか、週末に向けた作業を進めた。

 7月26日(金)には無事誕生に立ち会った元嶋もサーキットに戻り、2回の専有走行ではそれぞれ3人のドライバーがステアリングを握った。全クラス混走の2回目の直前には強雨も降ったが、TKRI 松永建設AMG GT3は雨が止んでから走行。どちらのセッションも2番手につけることになった。

 ライバルの一発の速さがありそうで、予選では苦戦が予想される結果となったが、大事なのは決勝。チームは粛々と準備を進めた。

■QUALIFY 公式予選
7月27日(土)
天候:晴れ 路面/ドライ

 朝から晴天に恵まれ、酷暑のなか午後1時15分から行われた第3戦の公式予選。まずはAドライバー予選にDAISUKEが臨んだ。3周目、DAISUKEは1分52秒882というタイムを記録し、今週末の自己ベストを記録してみせた。

 ただ、ライバルたちが速い。Aドライバー予選の順位は4番手となった。とはいえ3番手との差も僅差で、Bドライバー予選で元嶋が1分49秒204を記録し3番手につけると、合算タイムでもTKRI松永建設 AMG GT3は3番手につけることになった。

 トップ2の#81 GT-R、#33 メルセデスはかなりスピードがあるが、大事なのは決勝レース。Cドライバー予選では中山がしっかりとレースに向けた調整を進めながら、1分54秒832というベストタイムで3番手につけ、予選を締めくくった。

TKRI 2024スーパー耐久第3戦オートポリス レースレポート
2024スーパー耐久第3戦オートポリス TKRIのDAISUKEと片岡龍也代表

■RACE 決勝レース
7月28日(日)
天候:晴れ 路面/ドライ

 やや風のなかに涼しさは感じられるものの、気温30度前後という暑さのなか迎えた7月28日(日)午前11時からの決勝レース。TKRI 松永建設AMG GT3のスタートドライバーを務めたのは元嶋だ。

 ST-Xクラスのなかでも2台がAドライバーをスタートに据えるなか、元嶋はスタート直後の1コーナーでまずは1台をかわし、2番手に躍り出る。ただ、トップを走る#81 GT-Rはプロをスタートに据えており、元嶋をジワジワと引き離していった。

 そんななか、レーススタートから1時間が過ぎようかというタイミングでレースが動いた。序盤から激しい戦いを展開していたST-Zクラスの2〜3番手の車両が、1コーナーへの進入で接触。1台がガードレールに激しくクラッシュしてしまった。

 レースは即座にセーフティカーランとなるが、TKRIはこの機にさまざまな戦略練りながら、元嶋をピットに呼び戻し、中山へと交代させた。

 一方、トップを走っていた#81 GT-Rはセーフティカーラン開始からしばらく経ってからピットイン。Aドライバーをここで投入してきた。スタートから1時間23分過ぎにレースはリスタートを迎えるが、中山は他クラスの車両をかきわけ、一気に#81 GT-Rとのギャップを縮めていくと、51周目のセクター3でオーバーテイクを披露。トップに浮上した。

 その後中山はリードを広げていき、スタートから2時間30分というタイミングでふたたびピットイン。元嶋がTKRI 松永建設AMG GT3のコクピットに戻った。元嶋〜中山〜元嶋と繋ぎ、2番手以下に大きなマージンを築き、アンカーをDAISUKEに託しながら、優勝のチャンスを狙う戦略だ。

 レースは半分を過ぎても暑さが続き、タイヤも厳しい状況となっていたが、元嶋はDAISUKEになるべく余裕を作りだそうとプッシュを続けていった。ただ、2番手につける#81 GT-Rはやはり今回速い。なかなか思うようなギャップが築けないまま、残り1時間50分でDAISUKEに交代。レースは終盤を迎えた。

 ここから先は、いかにDAISUKEがリードを守るかだが、2番手だった#81 GT-Rがピットアウト時の押しがけにより、1周減算のペナルティが課された。これでDAISUKEにとっては楽な展開になるかとも思われたが、後方から猛追をみせてきたのは、序盤に接触もあった#33 メルセデス。ペナルティや車両修復などあったが、セーフティカーランを活かし追いつくと、エースを最終スティントに据え、猛烈なペースで追い上げていたのだ。

 DAISUKEは粘りの走りを続けていたが、残り30分を切ったところで#33 メルセデスに先行を許してしまった。結果はまたも2位。開幕から3戦連続の2位となった。

 とはいえ、これでついにTKRI 松永建設AMG GT3は、ST-Xクラスのランキング首位に浮上することに成功した。次戦は、チームの地元であるモビリティリゾートもてぎでの一戦。今季初勝利を掴むべく臨んでいく。 

TKRI 2024スーパー耐久第3戦オートポリス レースレポート
2024スーパー耐久第3戦オートポリス TKRI松永建設AMG GT3

■DRIVERS / DIRECTOR VOICE ドライバー&監督コメント
DAISUKE

今週末は元嶋選手の愛娘誕生もあり、彼の地元でもあったので優勝したいと思っていましたが、ライバルが断トツで速くて(苦笑)。そんななかで2位になれたので、なかなかのレースになったのではないでしょうか。今回ランキング首位が欠場だったので、そのなかで着実に2位を獲れたのはベストな結果だったと思います。今後もしっかり得点することがタイトルには大事なことですし、次戦は地元に近いもてぎですからね。2年前は悔しい思いもしたので、リベンジしたいと思います。

元嶋 佑弥 YUYA MOTOJIMA
今週はライバルが速く、先行されるだろうと思っておりそのとおりになりましたが、思ったよりも中盤以降差が広がらず、チャンスが出てきたと思います。今週はノーミスでレースを終えることがテーマだったので、そのとおりにレースができて良かったと思います。一瞬優勝の夢もありましたが、2位は良い結果だったと思いますね。今週、僕が事情で一時穴をあけましたが、その間もみんながクルマを作ってくれました。本当にファミリーのようなチームで走れていることに感謝です。

中山 友貴 YUHKI NAKAYAMA
自分のスティントでもミスもありましたし、実はわずかに接触もあったのですが、完走できて非常に良かったと思います。やはりいかに接触しないように走るかが重要だと痛感しました。2位を勝ちとることができたのは大きなミスやトラブルもなく走り切れたことが一番の要因だと思います。めちゃくちゃ疲れましたけど(笑)、このチームのなかで自分ができる役割を分かっているつもりで、そのなかで24時間を戦い達成感がありますね。優勝ではないので、またチャレンジしたいです。

片岡 龍也 代表 TATSUYA KATAOKA
5年目にして初めてチームに帯同しましたが(笑)、2位という結果を残せて良かったです。今週はライバルにスピードがあり、自力の優勝が難しいなか、イレギュラーの恩恵を狙う作戦で臨みましたが、ドライバー皆が頑張ってくれたことで想像以上の戦いができました。セーフティカーの影響で接戦になり、一瞬優勝も見えただけに悔しいところがありますが、これでランキングも私が抜かれトップに立ちましたし(笑)、TKRIらしいレースで2位になれたので、来て良かったですね。

河野 高男 監督 TAKAO KOHNO
タラレバを言うとキリがないですが、セーフティカーランが結果的に不利になりました。とはいえ、DAISUKE選手、元嶋選手、中山選手ともすごく頑張ってくれました。アベレージラップもチームの想定どおりでしたし、今回はライバルが速かった中で何かあったら有利になるよう戦略を作りました。勝てる戦略も組めた可能性がありましたが、自分たちにとってはベストなレースができたと思っています。持っている力のなかで、運も含めて良い位置でレースを終えられたと思います。


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