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投稿日: 2019.08.21 22:44

86/BRZ第6戦:王者の谷口信輝、十勝連勝で2019年シーズン初勝利


国内レース他 | 86/BRZ第6戦:王者の谷口信輝、十勝連勝で2019年シーズン初勝利

 クラブマンシリーズのヒート1は、フロントローに並んだ水野、神谷が揃ってスタートを決めて、いきなり激しく火花を散らし合う。その争いに近づいていったのが、鶴賀義幸(栃木トヨタBS ED/T2F 86)だった。鶴賀の勢いに押された神谷は、やがて水野のリードを許してしまったばかりか、10周目の1コーナーで逆転されてしまう。

86/BRZ第6戦十勝 クラブマンEX/OPレーススタート
86/BRZ第6戦十勝 クラブマンEX/OPレーススタート

 終盤の水野、鶴賀は単独走行。神谷は背後に大島和也(Team MDI/P京都WM 86)と松井宏太(ネッツ青森アップルRC 86 DL)を置いた状態ながら、辛くも3番手をキープした。「今のところ、賭けはまだ『吉』のままです。後半は抑えることができましたし、タイヤもキープできたと思います」と水野。一方、橋本はふたつ順位を上げて6番手でゴール。

 日曜日のヒート2は、鶴賀がスタートを決めて水野の前に出たのに対し、神谷は完全にスタートを失敗。大きく順位を落として、目論見に反した状態になってしまう。驚くべくは、そういった波乱にも乗じて、橋本が3番手に躍り出ていたことだった。予選でタイヤを使っていたこと以上に、このレースウィークの水野は絶好調。いったんは逃げようとした鶴賀を3周目には捕らえ、5周目の4〜5コーナーで再びトップに浮上する。その後のスピードにも衰えはなく、水野が第1戦以来の2勝目をマークした。

 橋本は松井の追撃を最後まで凌ぎきり、3位でゴールを果たした一方で、神谷は6位でゴールするのがやっとだった。

「レース2で前に出られた時は『どうしよう』と思ったんですが、やっぱり自分の方がペースいいのは、すぐ分かったので、後ろから見て速いところ、遅いところをしっかり見定めてアタックできたのは、ポジション取り戻せた要因かと。まだしっかり頑張って、残り2戦戦っていきたいと思います」と水野。

 なお、混走のOPENクラスは2ヒートとも今井がトップでチェッカーを受け、前回の富士に続く2連勝を達成。快進撃の理由は「練習の賜物っす!」と強く語っていた。

 志賀俊方(c.s.i GRG水戸インター86)が2位で、3位は元プロ野球選手の山崎武司(OTG TN滋賀86)が獲得。予選では元スピードスケート金メダリストの清水宏保(GR Tokyo Racing 86)が、山崎を上回っていたが、ヒート1のクラッシュが響いて完走扱いにならず。スポーツマン対決で、山崎に軍配が上がっていた。

 プロフェッショナルシリーズのヒート1は、近藤が好スタートを切って谷口に迫るが、しっかりインを締められて逆転ならず。その後、佐々木と青木孝行(ケーエムエス フェニックス86)も加えて激しいトップ争いを演じるも、7周目の1コーナーで近藤にブレーキミスが。その間に広げた差を最後まで守って、谷口がトップチェッカーを受け、1年ぶり、2019年シーズン初優勝を掴んだ。

「僕のクルマはストレートがあっち(近藤)に負けていて、1コーナーがいちばん危ないんだけど、幸いリミッターがあるおかげでなんとか。後ろを見ながら得手、不得手を探りながら行っていたら、セクター3は僕の方が速いから、そこまではビシバシ来るんだけど、そこでなんとかストレート守れるという感じ。翼がミスして離れてくれた周だけはプッシュしました。明日も逃げたいと思います」と谷口。

 ヒート1は平穏のうちに幕を閉じたが、ヒート2はまるで対照的な展開となった。ただし、谷口のまわり以外で。4番手からスタートするはずだった青木が、パンクでタイヤ交換を強いられたことで、ピットスタートとなったことも、その要因のひとつか。

 ここでも序盤は谷口と近藤の一騎討ちにならず、佐々木と井口卓人(CG ROBOT BRZ BS)も含めた4台でのトップ争いに。だが、「序盤は我慢」と静観を決めていた谷口に、思いがけず好機が訪れた。

 5周目の1コーナーで井口が佐々木に迫り、その余波が先行する近藤にも及んでしまったのだ。3人の順位はそのままながら、これでやや間隔が空いたことで、谷口は一気にプッシュ!

 さらに6周目の7~8コーナーでも混乱があり、これで近藤も単独走行とした一方で、井口と6~7番手を走行していた平中克幸(GY RACING 86)や服部らが大きく順位を落とす。代わって4番手には久保凛太郎(CG ROBOT BRZ BS)、5番手には堤が浮上。

 そして11周目の1コーナーでも佐々木と久保に波乱が生じ、その脇をすり抜けた堤が3番手に浮上する。堤は11番手から、予選から振り返れば15番手からの大躍進だ。

 そんな後続の大きな順位変動を尻目に、谷口は難なく逃げ切って十勝で2連勝。「(タイヤの)内圧低めというのもあったけど、とりあえず間が空くまでは無理せず行こうって。一回、1コーナーでゴタゴタがあって空いたから、さぁ逃げようって! そこからプッシュして逃げました。翼が残念ながら2位だけど……。えっ、堤も3位? なにしとんねん(笑)」と谷口。

 残るは、もてぎと岡山の2戦のみ。まだまだチャンピオン争いは、熱く繰り広げられそうだ。

谷口信輝(KTMS 86)
谷口信輝(KTMS 86)


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