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投稿日: 2022.10.20 17:40

iCraft 2022スーパー耐久第6戦岡山 レースレポート


国内レース他 | iCraft 2022スーパー耐久第6戦岡山 レースレポート

MEDIAINFORMATION
2022年10月吉日

ENEOSスーパー耐久シリーズ 2022 Powered by Hankook第6戦『スーパー耐久レースin岡山』
10月15〜16日岡山国際サーキット(岡山県)
予選:晴れ/ドライ 入場者数:3,200人
決勝:晴れ/ドライ 入場者数:5,000人
OHLINS Roadster NATS(マツダロードスターND5RC)
山野哲也/金井亮忠/野島俊哉

予選5番手から理想的な展開で、決勝を2位でゴール。ついにランキングトップに立つ!

 スーパー耐久シリーズで3シーズン目を迎えたiCraft(猪爪俊之:監督)は、引き続きST-5クラスにマツダロードスター『OHLINS Roadster NATS』で、日本自動車大学校(NATS)の支援を受けて参戦する。学生たちがマシンを製作し、メカニックを務めるのも従来どおりである。

 ドライバーには新たに山野哲也をレギュラーとして起用し、NATS講師も務める金井亮忠とのWエース体制を構築。さらにロードスターパーティレースIIIで実績を残してきた野島俊哉との3人体制での参戦となる。

 もてぎでの第5戦は、ウェイトハンデに苦しんでいないFF勢に有利との予想の中、実際に優勝こそ逃したものの、40kg積んでなお2位入賞を果たした。その結果、鈴鹿の第1戦、SUGOの第3戦の2勝に、さらに22.5ポイントを加え、ランキングは2位に浮上!しかもトップとは0.5ポイント差にまで肉薄した。その一方で、ウェイトハンデが55kgにまで増加したことが、どう影響を及ぼすか。もちろん未知の領域ではある。しかし、ドライバーもチームもミスなく戦えば、自ずと結果は残るはずだ。

公式予選

 今回は木曜日のスポーツ走行からタイム計測があり、現況が明らかになる。フィーリングは良いのだが、この日のベストタイムは1分51秒224で、トップとは2秒近く遅れていた。金曜日の専有走行でも状況に変化はなく、1分51秒133がベストでトップとの差が埋まらない。やはりウェイトハンデが効いているようだ。とはいえ、予選の一発は期待できそうもない一方で、ユーズドタイヤでコンスタントにタイムは出せていたのは、決勝に向けて大きな期待材料となっていた。

 土曜日の午前にはフリー走行が行われ、改められたセットがぴたりとはまる。山野が1分50秒988を記録するまでとなったからだ。そして挑んだ午後からの予選では、山野は計測2周目からアタックを開始し、まずは1分49秒542を記録し、次の周にはさらに1分49秒453にまで短縮を果たしたことによって、6番手につける。

 そしてBドライバー予選においては、山野からしっかりインフォメーションを受けた金井が、やはり計測2周目からのアタックで1分50秒654をマーク。次の周のアタックでは1分49秒737にまで短縮したものの、路面状態の向上とともにタイムは全体的に伸びていたから、金井ももっと出せていいはず。状況を確認するため、なおも周回を重ねる中、ミッショントラブルが発生!ピットに戻れたのは不幸中の幸いだった。

 金井も6番手につけ、合算タイムでは5番手となったが、問題はCドライバー予選を野島が走れるかどうか。万が一、走れなかったり、走れたとしても110%の基準タイムをクリアできなかったりしたら、野島は決勝に出走できない可能性もある。応急措置を施したことによって、5分ほど遅れてコースイン。野島は1分56秒961を3速ホールドの状態(!)で記録し、ことなきを得ることになった。

山野哲也
「ポジション的には予想どおりです。予選は6番手に入れれば、と話をしていたので、そういう意味では完璧です。55kgのウエイトを積んで、トップと1秒以内にいられたのは良かったと思います。今回はコンスタントには自信があるので、コンコン作戦で行きます。コンスタントの『コン』です」

金井亮忠
「昨年の岡山ラウンドではコースレコードもマークしているので自信はあったのですが、今回は思うようにタイムアップできませんでした。そんな矢先にミッションブロー。それなりのタイムは出せていたので不幸中の幸いでした。Cドライバーの野島選手には3速ホールドで走ってもらうことになってしまいましたが、規定タイムも無事クリアしてくれて安心しました。このタイミングでトラブルが出たのがラッキーだと思い、明日は気持ち入れ替えてベストを尽くします」

2022スーパー耐久第6戦岡山 OHLINS Roadster NATS(山野哲也/金井亮忠/野島俊哉)
2022スーパー耐久第6戦岡山 OHLINS Roadster NATS(山野哲也/金井亮忠/野島俊哉)

決勝レース

 今回の決勝レースは2グループ開催で、3時間で競われる。日曜日の早朝8時にはスタート進行が開始され、前日のトラブルも解消されたマシンはグリッドに並べられた。8時30分にフォーメーションラップは開始。しかし、直後の2コーナーでクラッシュした車両があって、急きょエクストラフォーメイションラップが追加されることになった。5周目からバトルが開始され、先のアクシデントにより、金井は自動的に4番手にポジションを上げていたが、燃費走行も心がけていたため、一時は9番手にまで退きもした。その後、8番手に順位を戻し、ランキングトップを争い合うデミオの背後にピタリと着けるまでに。

 そんな中、スタートから1時間ほど経過したところで、ヘアピンでアクシデントが発生。FCY(フルコースイエロー)が提示されるも、10分ほどでSC先導に切り替えられる。車両回収に思いのほか時間がかかったためだ。チームは32周目に、ピットインを決断。この判断が大正解。すぐに入ってきた車両の多くが、SCがストレートを通過するタイミングとコースインが被り、ピットロード出口の赤信号で停められて、ロスを抱えてしまったからだ。代わった野島はロスなく、コースに入ることができた。この間にひとつ順位を上げ、勢いに乗る野島は40周目、43周目に相次いでオーバーテイクを果たし、またSCランにステイした車両のピットストップで4番手に浮上。最大のライバルであるデミオが順位を落としていたこともあり、もはやポジションキープでも十分であった。

 そして、残り35分となった70周目、ここでようやく山野と交代。左のタイヤ2本を交換して、コースに復帰。すると先にピットを終えたチームより前に出ることとなり、なんと2番手に浮上したのだ。勢いはそのままに山野は2位でチェッカーを受ける。これによってチームは2戦連続の2位獲得となった。

『OHLINS Roadster NATS』はついにシリーズランキングでトップに浮上。シリーズ最終戦は鈴鹿サーキットで、11月26~27日に開催される。チャンピオン獲得に向けて、大前進を遂げた『OHLINS Roadster NATS』の今年最後の大激走に期待してほしい。

山野哲也
「今回は頭脳をフル活用しました。燃料消費量の変更やピットタイミングを常に見計らいました。FCY後のセーフティカー導入時は、セーフティカー位置、ST-5クラストップ陣の位置、そして我々72号車の位置とガソリン残量の4点を総合判断し、プラス一周待った上でピットイン指示を出しました。学生たちのピットワークも完璧でした。たぶん、これ以上のレースはできないでしょう。コンコン作戦も成功です!たぶん次はネバネバ作戦です(笑)」

金井亮忠
「今回も燃費走行担当でしたが、序盤はライバルチームの皆さんが予想以上に速く、かなりポジションダウンしてしまいましたが、惑わされることなく落ち着いて自分の走りに専念しました。途中SCが入ったときも完璧な作戦とピットワークでポジションアップにつなげることができ、本当にチーム力を発揮でした最高のレースだったと思います。最終戦もこの調子で気を抜かずにチーム一丸となってチャンピオンを獲りいきます!」

野島俊哉
「今日は想像し得る中で、本当にすべてが噛み合ったレースだったと思います。SCのタイミングで、バシッと当てはまる作戦がすぐに用意できました。ドライバー間でも意志の統一がすごくできていたので、運も味方しましたけど本当にレースとしてしっかり運べたと思うので、本当に嬉しいです」

猪爪俊之監督
「今回は実力の2位ですね、前回は棚ぼたの2位でしたから、まさか55kgもサクセスウェィト積んで岡山でも2位になれるとは思いませんでした。学生達のピット作業やエンジニアの計算も完璧で、パーフェクトな週末でした。シリーズ制覇の勝負は最後の鈴鹿なので、気を抜かず頑張ります」

2022スーパー耐久第6戦岡山 OHLINS Roadster NATS(山野哲也/金井亮忠/野島俊哉)
2022スーパー耐久第6戦岡山 OHLINS Roadster NATS(山野哲也/金井亮忠/野島俊哉)


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