更新日: 2023.05.26 21:41
大クラッシュから2カ月。山野哲也とOHLINS Roadster NATSが富士24時間出走へ「『もう大丈夫だ』と確信を持てた」
一方、マシンの方も富士24時間に間に合わせるため、急ピッチで修復作業が進められた。第1戦鈴鹿でのクラッシュにより、車両は全損の状態で使用できるパーツはなかったとのこと。そのため、車体やパーツを取り寄せ、一から新しく製作することになった。
おもにチームスタッフを中心に、日本自動車大学校(NATS)の生徒も協力して作業が進められた。徹夜になることはなかったというが、ゴールデンウイークも返上し、ほぼ休みのないスケジュールで組み立てられたマシンはレースウイーク前の日曜日に完成。火曜日に富士スピードウェイでのシェイクダウン走行にこぎつけた。
まさに、すべてがギリギリという状態で富士24時間参戦に間に合わせたOHLINS Roadster NATS。山野は「富士24時間に勝つという、チームのなかで果てしなく高い目標があったので、チームもクルマ作りを頑張ってくれましたし、僕自身も身体の回復にすべてを注ぐことができました。金曜日の予選を終えられて、少し安心しているところです」と安堵の表情をみせた。
なお、療養期間中も多くのファンから温かいメッセージが届いたことに深く感謝している山野は、最後に「本当にファンのみなさんから無償の愛とメッセージを多くいただきました。本当にありがとうございます。第2戦富士のピットに、車両とともに全ドライバーが戻ってくることができました。感謝しかないです」とコメント。
「こうして走れることが分かったので、少しでもみなさんの期待に応えられるよう、4月から新しく入ったNATSのメカニックとともに全力で頑張りますので、ぜひ応援してください!」と意気込みを披露した。
ST-5クラス5番手で予選を終えたOHLINS Roadster NATS。マシンは組み上がったばかりでまだ走り込めていないが、大きなトラブルもここまで出ていないとのことで、決勝レースでの力強い走りに期待がかかりそうだ。