F1ドライバー

F1 | ロバート・クビサ(Robert Kubica) 2019年

ロバート・クビサ(Robert Kubica) 2019年

/ ウイリアムズ /

ゼッケンNo. :88

■ロバート・クビサ プロフィール

 カートは幼少期で手にしていたが、母国では10歳未満に公式レース参戦が認められておらず、1995年に国内選手権デビューを果たす。3年間で6つの国内タイトルを獲得後、単身でイタリアに渡った。

 そのイタリアでは初年度から外国籍として初のジュニアカート王座に就き、国際レースにも遠征。ヨーロッパ・ジュニア選手権でシリーズ2位、モナコでのビッグレースにも勝った。

 99年はイタリア選手権連覇、前年勝利のモナコも制し、各地でビッグイベントのタイトル獲得。2000年はヨーロッパと世界の両選手権で、いずれもシリーズ4位となった。この年からフォーミュラ・ルノーのテストを開始、翌01年は同イタリアとユーロカップに計15レース参戦も、表彰台どまりで優勝には届かず。02年も両シリーズへの参戦を続け、イタリアでは4勝してランキング2位を得た。ブラジルのフォーミュラ・ルノーにも1戦のみ参加して、優勝。

 翌03年からはF3に上がり、ユーロシリーズに参戦して1勝を挙げた。この年は英国F3もスポットで2レース走り、他に国際レースの『マスターズF3』、『マカオGP』、『韓国スーパープリ』にも参加した。

 04年はF3ユーロシリーズへの参戦を続け、2回目のマカオではポールポジションを獲得し、ファステストラップも刻みながらも優勝は逃し2位となった。05年はフォーミュラ・ルノー3.5に転じ、17戦で4勝として、この年から改称した『ワールドシリーズ・バイ・ルノー』の初代チャンピオンとなった。年末は3度目のマカオに挑むが、またも2位で終える。この年はルノーやミナルディ(トロロッソの前身チーム)からテスト走行に招かれ、F1初ドライブも体験している。

 06年に向けてはBMWザウバー(現アルファロメオ)の『サードドライバー』として契約、テストや当時の初日フリー走行で許されていた『3台目マシン』担当として、F1での経験をより深める。そして第13戦のハンガリーで、レギュラードライバーだったジャック・ビルヌーブ欠場で、急きょ実戦デビューの機会がめぐってきた。

 ポーランド国籍初のF1ドライバーとして7番手で完走し、デビュー戦入賞を果たしたかにみられたが、レース後の車検で重量不足をとられ結果除外。その後ビルヌーブは戻って来ず、残りシーズンもシート継続が決まった。

 第15戦イタリアでは6番手の好グリッドからスタートし、ポジションを上げて3位フィニッシュを果たした。あらためて初入賞を決め、同時にF1初表彰台の獲得ともなった。

 翌07年は開幕からレギュラーを任され、第3戦から3連続の入賞で迎えたカナダ。他車との接触でクルマが宙を舞い、ウォールに接触後、激しく何回転もする大クラッシュをレース中に起こす。幸い軽傷で済んだが、脳震盪があったため、ドクターストップで次の1レースを欠場した。復帰後は入賞を重ね、参加16戦で11回のポイント獲得でシーズンを終える。

 08年はクルマが好調で、トップドライバーの階段を駆け上がった。第2戦マレーシア2位でデビュー年以来の表彰台に昇ると、続くバーレーンで初のポールポジション。第7戦、前年クラッシュのカナダではついにF1初優勝を達成し、この時点のドライバーズランキング首位にも立つ。クルマの開発が停まった終盤戦で王座争いから脱落するが、飛躍の1年となる。

 ただ09年はチームの好調が続かず、翌10年はルノーへの移籍を決めた。ルノーの競争力も高くはなかったが、10年は3度の表彰台。のちに本人が明かしたところでは、もう1年をルノーで過ごし、12年のフェラーリ移籍が決まっていたとされる。

 しかし11年の新車テストの合間を縫って2月に参戦したイタリアのローカルラリーで、ガードレールと接触。当たった角度が悪く、右腕を切断しかねないほどの重傷を負った。その後何度もの手術を繰り返したが、機能障害は残る。

 それでも12年9月、ラリーで復帰。13年に入るとDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)のテストにも参加し、この年はWRC2(世界ラリー選手権の第2カテゴリー)のチャンピオンにもなった。14年から昇格のWRCで好結果を残すことはできなかったが、16年3月にはついにサーキットレースに戻る。

 そして17年6月、ルノーの招待で、約6年半ぶりにF1を走らせる。同年10月にはウイリアムズが型落ち車による2度のテストを実施、翌18年に向けたリザーブ&デベロップメント(開発)ドライバー契約を得た。18年は最新型をテストで走らせる他、2戦でFP1を担当。19年ウイリアムズのレギュラー候補にはさまざまな声があがるなか、必要な資金を集めて10年以来のカムバックを遂げた。

 だが、チームの低迷もあって、かつての輝きは見せられず。第11戦ドイツで上位2台のペナルティ裁定で、繰り上がりの10位入賞を1度記録するに留まる。

 そして第15戦シンガポールの際に、本人の口からシーズン後にF1の第一線を退くことが語られた。しかしながら、別チームでシミュレータドライブ等を担当する可能性は残される。

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