投稿日: 2024.04.27 15:00
更新日: 2024.04.27 15:27
更新日: 2024.04.27 15:27
5年ぶりに開催された中国GP。コースは表面を黒くペイントしただけの簡易的な“再舗装”/F1時事ネタコラム
Mineoki Yoneya
5年ぶりの開催となったF1中国GPは、いまだ外国人の入国が容易でないこともあって事前の情報収集が行われておらず、路面コンディションなどかなりの部分が未知のままレース週末を迎えることになった。
その懸念は現実のものとなり、サーキットに到着したF1関係者たちは路面を見て驚きの声を上げることとなった。コロナ禍で開催が中断していた間ずっと放置されていると思われていた路面は“再舗装”が行われており、それも本格的な舗装ではなく表面を黒くペイントしただけのような状態だったからだ。
実際のところ、この“再舗装”はすでに昨年のうちに行われていたという。コロナ禍当初はサーキット前の地下鉄駅前広場の臨設の看護施設となっていたくらいだが、コロナが落ち着いてからは中国国内のGT選手権やFIA F4選手権などの国内レースがすでに頻繁に開催されており、そのための簡易的な“再舗装”が行われたというわけだ。
関係者が“ペイントみたい”と評したその簡易舗装は、旧来の路面の上に路面を構成するビチューメン(アスファルト、瀝青)だけを塗布したもの。通常の舗装なら5層前後のレイヤーを重ね、表層には石の骨材にビチューメンを混合したものを舗装するところで、再舗装となればこのすべての層を剥がしてやり直すのが一般的。しかし今回の上海インターナショナル・サーキットの場合はかなり磨耗が進んで骨材が露出していた旧路面を“骨材”として利用するかたちで、その骨材の間をビチューメンで埋めればいいと考考えられたのだ。