更新日: 2017.04.26 22:21
【今宮純のキャッチポイント】ソチと相性抜群のハミルトン。ロシアGPは政治面にも注目
開幕3戦しての「傾向と対策」、これがメルセデスにとってこのテストの重要課題。他チームにもそれは言えるが、フェラーリは初日を新鋭アントニオ・ジョビナッツィに任せ、セバスチャン・ベッテルは18年試作タイヤ開発を今季初めて担当(いっさいマシンはいじれない)。
2日目に通常テストをベッテルで実施、だが、ハイドロ系やマイナートラブルが起き、64周しかできなかった。レッドブルも同様にトラブルに足を引っ張られ、ダニエル・リカルド45周(パワーユニット交換)とピエール・ガスリー65周(排気系トラブル)に留まった。
トップ3チームではメルセデスだけがたっぷり走りこみ、フェラーリとレッドブルはこの貴重な機会をやや棒に振ったわけだ。これが第4戦に直接響くわけではなくても、今後ヨーロッパラウンドに関係してくるかどうか……。
中間チームで目立ったのは、新人たちの特訓だ。1点差で争うランキング4位フォース・インディアはエステバン・オコンにショートランを、5位ウイリアムズはランス・ストロールにパフォーマンスランをやらせていた。セルジオ・ペレスとともに3戦連続入賞(すべて10位)のオコンは安定性があり、次のステップとしては予選で先輩に接近することがテーマ。
3レース未完走のストロールは、ドライビングを見直すレッスンが必要だ。そこでウイリアムズは役割を分担、ファイン・セットアップ構築をフェリペ・マッサに一任、2日目は16年からシミュレーター担当のゲイリー・パフェットをあえて実走させた。
狙いはニューFW40を体感させ、今後のシミュレーション業務に役立たせたいから。こうした役割分担に、パディ・ロウならではの周到さと緻密さが感じられる。