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投稿日: 2017.05.03 07:00
更新日: 2017.05.03 13:32

【F1ロシアGP無線レビュー】勝利を掴み取るために飛び交ったラップ刻みの対抗戦略


F1 | 【F1ロシアGP無線レビュー】勝利を掴み取るために飛び交ったラップ刻みの対抗戦略

 しかし、ボッタスが27周目に先にピットインしてしまい、アンダーカットのチャンスはなくなった。となれば、引っ張ってレース終盤にフレッシュなタイヤで攻勢を仕掛けるしかない。

FER「ステイアウト。ペースはとても良いぞ」

 32周目には一度ピットインをしようとしたものの、ボッタスが再びマグヌッセンら周回遅れのクルマに引っかかりつつあるのを見て咄嗟にピットインを見送った。もしボッタスが大きくタイムロスするようなことがあれば、逆転のチャンスもでてくるからだ。

FER「BOX、BOX。いや、ステイアウト、ステイアウト」

MGP「クリティカルな局面だ。クビアトをできるだけ早くパスする必要がある」

 しかし、ボッタスがそれほど大きなロスを喫しなかったのを見て、33周目、フェラーリ陣営はピットインに踏み切った。

FER「BOX NOW。コンファームだ」

 第2スティントのスーパーソフトは、メルセデスAMGのペースは振るわずフェラーリが優勢。ボッタスは38周目のターン13でフロントをロックアップさせてフラットスポットを作ってしまう。そのことはすぐにベッテルに報告された。

FER「BOTはターン13でワイドになって左フロントに大きなフラットスポットを作ったぞ」

 ボッタスは「無線の交信を減らして欲しい」とレースエンジニアのトニー・ロスに伝える。ドライビングにより深く集中したかったからだ。

「ここはちょっと特殊なサーキットで、リズムに乗って走ることが速くコンシステントに走る重要なキーポイントなんだ。でも周回遅れのせいで一度リズムを失ってしまうと速さを失い、そのリズムを取り戻すのに数週かかってしまう。無線でああやって頼んだのは、自分の仕事に集中して一つ一つのコーナーを完璧に走るよう心がけたかったからなんだ。そうやって周回遅れで失うタイムを最小限に抑えたかったんだ」


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