投稿日: 2017.07.18 12:17
更新日: 2017.07.20 11:30
更新日: 2017.07.20 11:30
ハミルトンが母国GPで歴史的な大勝利、ベッテルの調子を狂わせた2つのバトル【今宮純の視点】
Jun Imamiya
目視でも今までよりどのコーナーも10~20KMH速く、高いギアのまま、早回しで見ているかのようだった。平均台の上を精確に飛び跳ねるようなラインが何センチか外れたら、とんでもないことになる。マゴッツ~ベケッツ~チャペルだけでなくこの“86秒間”に、彼は全身・全霊・全力を捧げた(と思う)。
「神のご加護を」と最近ハミルトンがインタビューで口にするようになった。デビューしたばかりのころ、やんちゃだったルイスがそんなことを言うようになった。もうすぐ200戦、85年生まれのルイスはベテランの域に入る。
ここではフェラーリの敵はメルセデスではなくレッドブルだった。スタートから器用に動くマックス・フェルスタッペンが、3~4コーナーでベッテルをとらえた。それから“バトル1”開始、ポイントリーダーは何度もラインを変え、コースをはみ出しながら仕掛ける。
でも抜けないベッテルは18周目にピットへ、想定プランより早めだ。当然ソフトでの第2スティントが長くなる。だがフェラーリはこれでのロングランをメルセデスほど、フリー走行で徹底してはいなかった。
フェルスタッペンとの“バトル1”の後に、ボッタスとの“バトル2”に引きずり込まれたベッテル。ニュー・スーパーソフトの相手に抵抗する場面が何度も繰り返され、たびたびコースを外れていた。大丈夫か、デブリや小石、破片などを拾ってしまうのではないか……。