メルセデスとフェラーリの力関係は五分と五分、F1日本GPはベッテル逆転の可能性を秘めた重要な一戦
メルセデスのマシンが持っている強みと弱点とは何か。
長所は言うまでもなく、F1界で最強を誇るメルセデスPU(パワーユニット)のパワーを生かすことができる高速コースだ。そのことは、今シーズンここまでイギリスGP、ベルギーGP、イタリアGPの3つの高速コースすべてで勝利していることからもわかる。
逆にメルセデスの弱点とは何か。それはメルセデスの今季マシン、メルセデスW08が低速コーナーが多いコースを苦手としていることだ。モナコGPではアタック中に他車がクラッシュするという不運があったものの、今シーズン唯一のQ2落ちとなる予選14番手に終わった。さらに『ガードレールがないモナコ』とたとえられる、低速コーナーの多いハンガロリンクで行われたハンガリーGPでも優勝争いに絡むことができなかった。
これに対して、フェラーリはメルセデスが苦手としている低速コースで予選ポールポジションを獲得しているように、パワーユニットの差が出づらいテクニカルなコースで圧倒的な強さを持っている。そして高速コースに関しても、メルセデスにはかなわないものの、弱点といわれるような弱さもなく、フェラーリの今季マシン、SF70Hはオールマイティな特性を備えていると言っていいだろう。
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では、鈴鹿サーキットで行われる日本GPでの両者はどうか?
コースレイアウト、そしてサーキット特性の面では鈴鹿はイギリスGPが行われているシルバーストンに近い。構成されているコーナーのタイプも似ており、シルバーストンにも鈴鹿のS字と同様、マゴッツ~チャペル~ベケッツという高速S字コーナーがレイアウトの特徴となっている。
鈴鹿とシルバーストンが異なる点としては、シルバーストンは直線が多いことが挙げられる。ここ数年、メルセデスがイギリスGPで強いのは、その直線でパワーユニットのアドバンテージに因るところが大きい。
一方の鈴鹿にはS字以外にも1コーナー、逆バンク、ダンロップ、スプーン、130Rという中~高速コーナーがシルバーストンより多く、逆にストレート区間はメインストレートと西ストレートの2本。つまり、最高速を重視するのではなく、中~高速コーナーでのダウンフォースが重要となってくる。