更新日: 2017.10.10 11:03
【F1日本GP無線レビュー】マレーシアの教訓を活かし完璧にレースを支配したメルセデス
レッドブル(以下、RBR)「HAMに着いて行けそうだったらそうしてくれ、マックス」
日本GPの優勝争いは、前戦マレーシアGPと同じくこの2人の勝負に絞られた。
12周目、フェルスタッペンの左フロントタイヤにはブリスターが見え始めるが、ピレリの内側ショルダー付近に出るブリスターは特に走行には影響しない。
フェルスタッペン(以下、VER)「フロントにブリスターが出ているよ」
19周目、メルセデスAMGは後続を大きく引き離しはしないが、自分たちの安全圏でレースをコントロールしていた。
メルセデス(以下、MGP)「VERはまだ4.6秒差。我々はまだプランAのままだ」
そして21周目にフェルスタッペンがピットインしたのを見て翌周にピットイン。そうすればアンダーカットされないだけのギャップを維持して走っていた。
しかしハミルトンとフェルスタッペンがピットアウトすると、ソフトタイヤでスタートして引っ張っていたバルテリ・ボッタスの後ろに戻ることになった。ハミルトンはボッタスの存在にやや神経質になった。
HAM「これ以上BOT(ボッタス)にホールドアップしないで欲しい。僕のペースとタイヤが妥協させられている。彼の後ろでダウンフォースを失っているんだ」
チームから指示が出され、ボッタスは28周目のシケインの飛び込みでインを開けてハミルトンを先行させる。そして30周目の自身のピットストップまでは同一周回の争いであるフェルスタッペンを押さえ込んでハミルトンを援護射撃をした。
RBR「タイヤはどう?」
VER「問題ないよ」
31周目、フェルスタッペンは依然としてタイヤを上手く使っているが、ハミルトンはリヤのグリップ低下を訴えていた。
HAM「リヤに苦しんでいる」
この日の鈴鹿は暑く、タイヤのデグラデーションは大きい。計算上は2ストップ作戦の方が速かった。しかし多くのドライバーが抑えて走ることで1ストップ作戦を採り、そうなると抜けないコースだけに周りも1ストップ作戦を採らざるを得ない。そのためにペースを抑えるというスパイラルに入っていた。