毒舌パドック裏話:よぼよぼのベテランとジャーナリストの群れ
ちょっと毒舌なF1ジャーナリストがお届けするF1の裏話。第5戦スペインGP編です。
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「地獄とは他人のことである」という有名な台詞がある。1944年にフランスの劇作家ジャン-ポール・サルトルが、この世でない場所を舞台にして創った作品「出口なし(Huis Clos)」の中の一節だ。高名な実存主義者がバルセロナサーキットのメディアセンターに入り浸っていたことがあったとは驚きだ。
木曜朝に飛行機に乗って数時間でサーキットに着くとは、なんとうれしいことだろう。しかも移動中、周囲に座っていた知識豊富なF1ファンたちからたくさんの情報を仕入れることができた。それにしても彼らはどうやって見識を養い、どこからうわさ話を集めてくるのか、知りたいものだ。
時差に苦しむことなくヨーロッパでぜいたくを味わうのはいいものだ。トイレットペーパーをゴミ箱に捨てるのでなくトイレに流すことができるんだからね! しかしそんな幸せな気分も長くは続かない。約半年ぶりにグランプリの現場を訪れた輩が大騒ぎして、ぶちこわしにしてくれたのだ。ヨーロッパラウンド以外は取材をしないジャーナリストやカメラマンたちにとっては、2015年9月のモンツァ以来の現場。久しぶりとあって彼らは、見るものすべてに過剰に興奮していた。13歳の少女たちがアイドルバンドのコンサートでキャーキャー騒いでいる声に引けをとらない騒ぎっぷりだった。一方、500グランプリの取材経験を持つベテランたちはもうよぼよぼだから、長いフライトに耐えるのが精いっぱい。発する音は、シートから立ち上がる時に上げるうめき声ぐらいのものだ。
ホンモノのプロでない人々の群れは、メディアセンターのみならず、パドックにも押し寄せてきていて、ペテン師やいんちきなセールスマンでいっぱいだ。尊大なスポンサーゲストを連れてくることが可能な場所をようやく見つけたというわけだ。
だが悪いニュースばかりではない。ヨーロッパラウンドがスタートし、モーターホームや豪華なケータリング施設が復活したのだから。オーストリアGPを迎えるころにはベルトの穴をひとつ追加しなければならなくなりそうだ。
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