更新日: 2018.02.08 12:28
スペイン人ライターのF1便り:WEC参戦が決定したアロンソ。デイトナ24時間を通じ何を得たのか
アロンソはマシンのバランスに不満があったと伝えられており、ランド・ノリスのドライビングスタイルに合わせてドライブするのに慣れていなかった。それでも彼は素晴らしい走りで、他のライバルたち以上にスティントを伸ばすことができた。
驚いたことに、23号車の“ベスト”ドライバーはノリスだった。彼は予選でアロンソと同等の速さを見せ、レースペースではアロンソよりも優勢だった。
彼の夜間のスティントは驚嘆すべきもので、その走りを目にした人々はみんな感心していた。アロンソの将来にはなんら重要なことではないかもしれないが、ノリスがどれだけの才能を持っているかは注目に値するだろう。
フィル・ハンソンでさえ週末の間パフォーマンスを伸ばすことができていた。プラクティスセッションのスタート時に取るに足らないミスを犯したが、最終的に他のチームメイトにほぼ匹敵するタイムを出すことができたのだ。
残念ながら、パンクのせいでチームの希望は早いうちに絶たれてしまった。レースを完走することはできたものの、総合38位/クラス13位という順位だった。
全般的にレース自体は、デイトナにおける歴史的なイベントとなった。優勝したマスタング・サンプリング・レーシングのマシンは、1992年にニッサンR91CPが打ち立てた歴代最多周回数、762周を大きく更新する808周を周回した。
プロトタイプマシンのパンクが多発したものの、フルコース・イエローコーションが非常に少なく、トラブルがほとんどないレースに助けられた形だ。ディフェンディングチャンピオンであるキャデラックDPiは想定されていたよりも苦戦したが、予想通り総合優勝を飾った。
LMP2マシンのトップはCOREオートスポーツで、非常に順調で効率が良いレース運びをし、総合3位につけた。もし物事があるべき方向に進んでいたら、アロンソはデイトナ24時間のデビュー戦で表彰台獲得という歴史的な業績を達成できていたかもしれない……。
トップ3は同じ周回数でフィニッシュしたのだから、優勝さえ可能だったかもしれない。しかし、“計画では”という言い方は耐久レースには存在しない……。そしてそれは最も重要な教訓なのだ。