投稿日: 2018.05.29 11:30
更新日: 2018.05.29 11:33
更新日: 2018.05.29 11:33
三重苦となったマシンを生還させたリカルドの力走【今宮純のF1モナコGP決勝分析】
Jun Imamiya
ちなみに2年前のモナコで記録したリカルドのPPタイムは1分13秒622。今年は予選出走の全員が破っている(19位ケビン・マグヌッセン1分13秒393)。新記録PPリカルドは1分10秒810=平均169.654KMHの数値が、伝統の公道コースの“超速化”を表す。
終盤の54周目、リカルドは1分21秒196にダウン、ベッテルに1秒以内に迫られた。それでもここは抜けないモンテカルロ、ベッテルはそれ以上近寄ることも仕掛けることもできない。後方乱気流ゾーンにはまれば挙動がぶれ、タイヤをいたわる走りから逸脱する。攻撃を断念……。
最終盤の72周目、ブレーキを失ったシャルル・ルクレールとブレンドン・ハートレーの事故がシケインであった。しかしSCは導入されず、VSC状態のまま機敏なマーシャル達は処理を急いだ(そうするのが彼らのプライドなのだ)。
そしてこのVSCランがリカルドにとってレースを仕上げるためのグッドタイミングになった。76周目と77周目に序盤なみの1分16秒台を連発、25%のパワーロス、60周走行タイヤでラストスパート。全力疾走だった。トップ3人、リカルドも勝利数は同じ2勝、ハミルトンとベッテルに並んだことになる――。