更新日: 2018.06.25 12:31
F1 Topic:フランスGP土曜日のホンダPUの仕様と、金曜日のトラブルの原因
2つの疑問は、原因はなんだったのかだ。
田辺TDは「スペック起因でもなければ、マイレージが原因で壊れたというわけでもないということになると、逆に問題の原因を特定するのが難しい。品質含めてブツのばらつきが最も疑われるので、そのへんをチェックしていくしかない」という。
もし壊れた場所がICEだとしたら、壊れていないガスリーの新仕様のICEと壊れたハートレーのICEのすべての部品のロットを確認し、違うものをつぶしていけば、自ずと答えは見えてくるはず。しかし、その調査は私たちが想像するほど単純なものではないという。
「ロットをチェックするといっても、部品によっては複数のパーツで構成されているので、ものによってはさかのぼるだけでも複雑で大掛かりな仕事なるものもあります。また部品1つの違いだけでなく、それらを組み合わせて完成品となったときの時期や条件などもチェックしていかなければならないきともあります」
田辺TDによれば、「同じナットでも、作った時期や人が違えば品質が変わることがあり、人が同じだったとしても、その人の勤務状態、例えば直前に休んでいたなどでも変わる」という。
「極端な話、設備が直前にメンテナンスしていたとか、新しいメッキを入れたとかということも要因となる場合があります」
しかも、F1のエンジンは非常に多くのパーツでできている。それらひとつひとつができあがるまでにどんな工程で作られたのか、そしてその工程で何か通常と違うことはなかったかを調査するというのは、想像を絶する作業なのである。しかし、トラブルが出た以上は、やらなければならない。
「原因を突き止められなければ、次へ進めません」(田辺TD)