更新日: 2018.08.06 17:41
バーレーンGP以来の好成績、紙一重の差で明暗分かれたガスリーとハートレー【トロロッソ・ホンダF1コラム】
レース週末を前に、ハートレーはこう語っていた。
「ハンガロリンクが僕らにとって合っているサーキットであることは間違いないけど、オーストリアGPに入れたアップデートが期待通りのパフォーマンスを発揮してくれなかったことで僕らのポジション自体が5戦前に比べて後退してきてしまっている。それに中団グループの争いはすごく激しいから、自分たちのポジションを予想するのはかなり難しいんだ」
「バーレーンではあそこまで良いとは思わなかったし、モナコはまぁ予想通りだったとしても、オーストリアのレースペースがあれだけ良かったのは予想外だった。カナダも予選12位になれるとは思っていなかったし1周目にクラッシュに巻き込まれていなければポイントを獲るチャンスは充分にあったはずだ。タイヤの温度がワーキングウインドウに入れられるかどうかだけでも順位は大きく違ってきてしまう。予選10番手と20番手の差なんて本当に小さいからね」
しかし走り始めてみれば、トロロッソ・ホンダのマシンは良い感触だった。金曜から土曜にかけてのファインチューニングも上手く進み、フリー走行3回目では9番手・11番手でQ3に進出できるかどうか当落線上ギリギリのところ。ライバルたちにパワーユニットの予選スペシャルモードを使われたときにどうかというところだったが、直前の雨に救われた。
これまでにもオーストラリアGPやフランスGP、ドイツGPのフリー走行などウエットコンディションでは常にトップ10に位置していたように、トロロッソはウエットで速かった。メカニカルグリップが優れていることと、シーズン開幕前からドライバーたちが賞賛したホンダのフラットな出力特性からくるドライバビリティの良さのおかげだ。
「ドライバーからすれば、トルクの出方はコンスタントでペダル操作に対して正確にパワーが出てほしいものなんだ。常にトラクションの限界ギリギリまでパワーをひねり出したいからね。ペダルの操作とトルクのピークの出方に違いがあると、特にウエットコンディションではトリッキーなことになる。ホンダはその点がとても良いんだ」とホンダ製パワーユニットの特性についてガスリーは語っている。
スタートでカルロス・サインツJr.の前に出たガスリーは、クリーンエアで走ることができた。おかげでドイツGPで訴えていたような前走車の影響も受けずに自分本来のペースで走ることができた。後ろのケビン・マグヌッセンはチームメイトと較べてもリヤタイヤのマネージメントが得意ではなく、序盤からタイヤマネージメントと燃費セーブに徹してくれたことも味方した。終わってみれば余裕の6位だった。