更新日: 2018.08.14 12:33
【インタビュー】ガスリーの快走を支える湊谷エンジニアが『ホンダPUのドライバビリティ』を解説
──(回生エネルギーの)エネルギーマネージメントにも関わってくる?
湊谷:そうですね。ハンガリーの予選は雨が降っていたので、思い切り踏めませんよね。回生エネルギーは1周4メガジュール使える規定になっていて、それを1周する間に全部使い切るのが理想なんですが、アクセルを踏まないと使われない。余ってしまう。
雨の場合、路面コンディションが刻々と変化するので、連続周回が効果的ですよね。その場合、今のエネルギーで1周走れるのか、2周大丈夫なのか。路面状況に応じて、エネルギーの使い方をチームと相談しながらやってます。それがエネルギーマネージメントで、ドライバビリティとは別の話です。
──ドイツGPまでは、車体のトラクションが悪いことに悩んでましたよね。それに対してパワーユニット側のドライバビリティで、寄与できる部分はなかったんでしょうか。
湊谷:パワーユニット側のドライバビリティは、車体のトラクション不足は解消できません。トラクションがあった上で、そこで初めてドライバビリティが発揮できますから。車体側のトラクションがあれば、もっと早く踏める。しかしそれが悪いと、待つしかない。
──ドライバビリティの改善には、ドライバーのフィードバックは重要ですか?
湊谷:ドライバビリティに関しては、実は去年から今年にかけてかなり改善したんですね。なので開幕後は、もはやほとんど何も変えていません。それでもドライバーからは、ドライバビリティについては何も言って来ないです。
──そうなんですか。レース週末に、何もいじらない?
湊谷:ええ。でも2017年は、ほとんど毎回変えてました。エンジンマッピングの精度を、(栃木県の本田技研研究所)HRD SAKURAで上げていった。去年まではまだ完全ではなかったんですが。それが2018年シーズンのドライバビリティ向上にかなり寄与してますね。
エネルギーマネージメントに関しては、ドライバーと毎回細かく話し合う。でもドライバビリティについては、もはやほとんど何も話しません。満足してもらってます。