PU交換によるペナルティシステムにバトンが苦言「もう数字が無意味」
ルイス・ハミルトンは、ファンは現在のF1のハイテクパワーユニットには関心がないし、そもそもエンジンの規定自体が複雑すぎる、と考えているようだ。
2014年に始まったF1のハイブリッド時代において、パワーユニットはそれぞれが独立した6つのコンポーネントで構成されている。すなわち、内燃エンジン、MGU-H、MGU-K、ターボ、エナジーストア、そして制御エレクトロニクスだ。
ドライバーは、シーズン中にこれらのコンポーネントをそれぞれ5つまで使うことができるが、それを超えるとグリッドペナルティが科され、その後、コンポーネントを交換するたびにペナルティも重くなっていく。先週末のスパで、メルセデスはハミルトンのマシンに一連のコンポーネント交換を含む3基の新品パワーユニットを搭載し、彼は合計55グリッド降格のペナルティを受けた。
「このルールについてどう思うかって? ひとつのエンジンが6つのコンポーネントからできていて、コンポーネントごとに使用状況が違ったりするなんて、あまりいいルールとは思えない」と、ハミルトンは言う。
「レースを観ている人たちは、そんなことはどうでもいいと思っている。技術的なことに偏りすぎ、複雑になりすぎているんだ。観客の大部分は、MGU-Hが何なのか知らないし、そんなものを望んでもいない」
また、彼はF1のサウンドを魅力的なものにする必要があると考えており、V12エンジンの時代が大好きだったと述べた。このエンジン音の問題については、来年からの導入を目指して、FIAとチームが共同で改善に取り組んでいる。
「(現在のF1は)サウンドが良くない。いまでもよくネットで昔のレースを見るけど、昔のクルマの音は本当にすばらしい。ああいうクルマに乗りたいよ。いつの日か、原点に戻って、シンプルにできればいいと思うんだ」
メルセデスはレギュレーションの「抜け穴」を利用して、フレッシュなエンジンをプールし、ハミルトンに一度にまとめてペナルティを受けさせた。だが、チームボスのトト・ウォルフは、そうした手段の横行を止めさせるため、ルールを変更する必要があると自ら認めている。
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