ホンダPU開発責任者 浅木の2018年総括:着実な進歩に一定の評価。レッドブルF1と組む2019年は3基制限に自信
——6月のカナダGPでスペック2を、9月のロシアGPでスペック3を投入しましたが、トラブルにも悩まされました。
「スペック1と2のトラブルは、パワーユニット(PU)の中の部品に十分ではない箇所があって、その部分が壊れました」
「だからPUの基本的な問題というよりは、部分的にあった弱い箇所を見きれていなかったために発生したトラブルで、そこを改良した後は同じドラブルは出ていません」
——スペック3でも、トラブルが起きましたが……。
「スペック3で出たトラブルは、トロロッソ・ホンダとしてコンストラクターズ選手権のことを考えて、ポイントを獲りにいくために、多少の懸念はあったものの研究所で開発していたパワーがあるエンジンを使うことにしたために起きたものでした」
「リスクはありましたが、そのエンジンを使うことで、2019年の開発にも繋がるというメリットがありました。今までよりも高いパワーのエンジンをどうやって制御し、現場でどうセッティングして使い切るかという経験を積むことは、今後に繋がるという判断をし、ホンダとトロロッソの総意によって投入を決めました」
——2018年シーズンを自己採点すると?
「個人的に点数をつけるとすれば、ほぼ計画通りにやれたので70点から80点。でも、まだ表彰台の真ん中に立つ道筋は見えていない」
——2019年はレッドブルとも組みます。2018年は信頼性が向上しましたが、それでもまだ8基のパワーユニットを使用しました。信頼性に関してはどのように考えていますか。
「2018年にふたりのドライバーが8基のエンジンを使用したのは、トラブルもありましたが、この予選順位ならエンジンを交換してしまおうという戦略的な交換もありました」
「レッドブルは予選順位が前の方になることが予想されるため、2019年にそのような戦略をやるつもりはない。だから、2019年に関してはシーズンを通して年間3基というレギュレーションの範囲内で乗り切るつもりです」
——レッドブルへのパワーユニット供給は、大きな期待がかかっています。
「不安がないと言ったら嘘になる。でも不安だからこそ、今こそ足元を固めて、着実に開発を進めていくしかない。それは相手がレッドブルとなったとしても変える気はない。自分たちの能力を出し切れば、そこそこのところにはいけると信じています」