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投稿日: 2019.01.29 13:07

技術解説:F1ヘルメットは、いかに開発されるか(2) 品質管理のため毎年1000個のヘルメットを破壊


F1 | 技術解説:F1ヘルメットは、いかに開発されるか(2) 品質管理のため毎年1000個のヘルメットを破壊

10)ヘルメットデザイン

「たとえばルイス・ハミルトンのヘルメットデザインには全部で15の工程を施し、完成までに8日間を掛けている」と、コーエンは語る。

「通常はドライバーのおおまかな要望を、わが社の経験豊かなグラフィックデザイナーが形にして行く。しかし中にはロマン・グロージャンのように、自分でかなり完成度の高いデザインを持ち込んでくることもある」

「ヘルメットへの直接の彩色はせず、基本はでき上がったデザインを転写する。その方が10グラム単位で軽量化できることが、最大のメリットだね」

11)内装

 最後にヘルメット内部に詰め物を詰める。ドライバーの頭部保護に欠かせないものだが、部位によって固さが変えられている。頭部を3D計測し、最適な形と固さを決めている。ベル社では今後F1ドライバー以外にも上級顧客向けに、同じサービスを12000ユーロ(約150万円!)で提供するという。

12)完成品検査

 ファクトリーに付属する研究所では、完成したヘルメットへの厳格なテストが行われる。衝撃吸収試験、バイザー強度試験、難燃性試験などである。衝撃吸収試験では、4kgの重りを高さ3mから秒速7.7Mで落下させたりする。

「わが社では毎年、1000個前後のヘルメットを破壊している」とコーエンは言う。

「その半分は品質確認のためで、残りの500個は今後の研究開発のためだ。HP7モデルがこれまで何度もFIAのホモロゲーションを受けているのは、絶え間ない改良で仕様が変更されているからだ」


この記事は国内独占契約により 提供の情報をもとに作成しています

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